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タバコの銘柄を間違えて逆上する客=乳首依存患者!? ニーチェ先生に学ぶ“哲学的接客”

  • 2024.8.30

1980年代後半から2000年代前半頃に生まれた、物欲が少なく消費行動よりも現実的な生活を求めるような世代を一般的に“さとり世代”と呼ぶ。不景気な時代に育ったこともあり、合理的な思考をすることが特徴だ。

累計260万部突破の大人気シリーズ『ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~』(ハシモト:漫画、松駒:原作/KADOKAWA)は、そんなさとり世代のコンビニ店員の物語だ。2016年にテレビドラマ化されているので、知っている人も多いのではないだろうか。

本作の主人公・松駒は、コンビニで深夜バイトをする就職浪人の青年。そんな松駒が教育係として指導することになったのは、仏教学部に通う大学生・仁井(にい)だった。「お客様は神様だろうが!」と怒鳴る困ったお客様を哲学者・ニーチェの名言「神は死んだ」で撃退したことから、松駒は心の中で仁井を「ニーチェ先生」と呼びはじめる。

ニーチェ先生は、どんなお客様が相手でも感情的に対応しない。その思考はまさに「悟り」の境地であり、これまでになかった新たな視点を教えてくれる。喫煙は、哺乳類の本能である乳を吸う行為をタバコに置き換えただけの幼児退行の表われだというニーチェ先生。店員が銘柄を間違えたことに逆上するお客様は、「乳首依存患者」だと思うことにしているというのだ。

たしかに、こうした考え方ができればお客様の嫌な言動にも動じずにいられるかもしれない。「z軸のある女性には期待しない」「所用の腹痛がある」など、次々と新しい考え方を教えてくれる。こうしたニーチェ先生の言動を参考にすれば、辛いことがあっても引きずらず、上手くいなせるようになりそうだ。

本作には宝くじが当たったときのことだけを考える“宝くじ先輩”や、致命的に発注が下手くそな店長など、個性的な人物が次々と登場する。困ったお客様をバッサリ切っていく痛快なエピソードはもちろん、新しく登場するキャラクターたちとの濃密なエピソードも見逃せない。ニーチェ先生の名言を胸に刻みながら、松駒のコンビニバイト生活を楽しんでもらいたい。

文=ネゴト/ 押入れの人

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