1. トップ
  2. おでかけ
  3. 自分にとっての絶景を探す”スロー旅”へ。奄美大島で見つけた絶景穴場スポット

自分にとっての絶景を探す”スロー旅”へ。奄美大島で見つけた絶景穴場スポット

  • 2024.8.31

2021年7月の世界遺産登録をきっかけに、ますます注目を集める奄美大島。

とはいえ、未だ根強い美しい海でのシュノーケリングやダイビングの定番コース。

ビーチも良いけど、せっかく奄美大島まで訪れたなら自然の神秘にふれて欲しい、何よりメジャーじゃないけど記憶に残る、誰かにちょっと話したくなる、そんな魅力的なスポットを知ってもらうために、あえて今回は穴場スポットをご紹介します。

ぜひ、自分にとって心地よい絶景スポットに出会えると良いですね。

絶景ビーチの宝庫!世界遺産奄美大島

Photo by Mayumi

2021年7月、国内で5例目となる世界自然遺産に登録された鹿児島県の奄美大島(正確には、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」)。

その決め手となった、アマミノクロウサギをはじめとする絶滅危惧種や固有種が数多く生息する生物多様性や、島の8割を山地が占める亜熱帯の森が特徴の奄美大島は 、その類まれな自然環境を有しながら、やはり観光客の多くは「アマミブルー」の海やビーチのみに魅了されがちです。

確かに海は日本屈指の美しさ。息を呑むほどの透明度と広がるサンゴ礁。しかし、奄美大島の見どころは絶景ビーチだけではありません。

というわけで、今回は、もっと広く奄美大島の魅力を伝えるべく、あえてマイナーな、それでいてふらっと訪れたくなる、スローな旅が楽しめるスポットをご紹介します。

奄美大島で出会える穴場な絶景スポット

ホノホシ海岸

Photo by Mayumi

島最南端の瀬戸内町に存在する「ホノホシ海岸」。この小さな入り江に打ち上げられた石はすべてが丸みを帯び、大小美しい玉石で敷き詰められています。

ただし、きれいだからといって決して持ち帰ってはいけません。というのも、ホノホシ海岸の玉石には祖先の霊や魂が宿っていると考えられており、ひとつでも持ち帰ろうものなら祟りや不幸に見舞われると言い伝えられているのです。

そんな恐ろしいストーリーを秘めたホノホシ海岸。とはいえ、波打ち際でカラコロと鳴り響く石の音に耳を傾けていると、どこか心が癒され、自分の心も丸くなるかもしれません。

Photo by Mayumi

海岸沿いを歩いていて、ふと見つけた小さな洞窟。打ちつける波音が反響して迫力満点な絶景スポットでした。

モダマ自生地

Photo by Mayumi

奄美大島のほぼ中央部に位置する住用町(すみようちょう)東仲間集落。ここには珍しい「モダマ自生地」が存在します。

「モダマ(藻玉)」とは、イギリスの童話『ジャックと豆の木』のモデルになったとされる世界最大級のマメ科の蔓性常緑樹。熱帯から亜熱帯にかけて分布し、奄美大島で自生しているのはここだけ。 亜熱帯ジャングルのなかにひっそり生息しています。

このモダマ、つるが長く太く固く、クルクルねじれて独特の造形美を表すのが特徴で、特にこの人ひとりすっぽり入る巨大な渦巻きモダマは絶好のフォトスポットです。

Photo by PIXTA

ちなみに、こちらはモダマのサヤ。最長1m、幅10cmにおよぶ巨大なサヤには直径5cmもの丸い種子を含んでいます。

モダマの開花は5月頃で、秋になるとこうしたサヤを吊り下げるそうですが、じつは毎年なるものではなく、見られたらラッキーだそうです。

ジャングルの奥地のように見えますが、じつは入口から徒歩5分と意外にアクセスも便利。ただし地面がぬかるみ滑りやすく、かつハブの生息地でもあるので足元にはご注意を。

マングローブ林展望所

Photo by Mayumi

国内では沖縄の西表島に次ぐ2番目の大きさを誇る奄美大島のマングローブ林。その広さはおよそ70万平方メートルと、東京ドームおよそ15個分もの広さを擁します。

そんなマングローブ林に興味がある方に人気なのが、住用町にある「黒潮の森マングローブパーク」や「マングローブ茶屋」でのカヌー体験。

とはいえ、カヌーするほどではないけどマングローブ林を一度は見てみたいという方におすすめなのが、国道58号沿いにある「マングローブ原生林展望所」(Google Mapでは「マングローブ駐車場」で登録)。ガードレールの向こう側は一面マングローブ林です。

Photo by Mayumi

もし、双眼鏡や望遠レンズをお持ちなら、彼方に流れる役勝川(やくがちがわ)に目を向けてみてください。川下りを楽しむカヌーの姿が見えますよ。

ケンムンの散歩道(ガジュマルのトンネル)

Photo by PIXTA

熱帯から亜熱帯地域に広く分布するガジュマルの樹(英語名はバンヤンツリー)。長い気根を無数に垂らし、周囲のものに絡みついて放さない、生命力にあふれた姿が印象的ですよね。

そんなガジュマルのトンネルのある集落が、東シナ海に面した島北部にある有良(あった)地区です。「ケンムンの散歩道」でも親しまれるそのトンネルは70mほどの短い小径で、もともとは海風を遮る防風林として植林されたもの。

そしてこの小径はあくまでも住民にとっての生活道であり、ときに有良地区特産の大根が干されているシーンにも遭遇するそうです。

ちなみに、「ケンムン」とは奄美大島ではガジュマルの樹に棲む精霊のことで、沖縄でいうキジムナーに近い存在。 確かに精霊が棲んでいてもおかしくないと思える異空間ですね。

高知山展望台

Photo by PIXTA

奄美大島南端の瀬戸内町を見下ろす、標高400m余りの高知山(こうちやま)。その展望台から一望できる景色が、まさに町名の由来ともなった、亜熱帯で見る“瀬戸内の多島美”です。

彼方に見えるのは加計呂麻島(かけろまじま)や請島(うけじま)や与路島(よろじま)、その間に横たわるのは大島海峡、そして入り組んだ複雑なリアス式海岸。とりわけ人気なのは、多島美をオレンジに染め上げる夕日鑑賞。この絶景は奄美十景にも選ばれています。

ちなみに、お隣の油井岳(ゆいだけ)展望台からも大島海峡を一望でき、駐車場からもすぐで便利ですが、よりダイナミックなパノラマ眺望を見たい方は高知山展望台がオススメです。

金作原原生林

Photo by PIXTA

奄美大島の中でも特に手つかずの原生的な自然を残す「金作原(きんさくばる)」。

国内では最大級のシダ植物であり、また恐竜時代からの生き残りとも考えられているヒカゲヘゴをはじめ、まさにジュラシックパークを彷彿とさせる亜熱帯のジャングルが楽しめるスポット。国指定天然記念物のルリカケスやキノボリトカゲなど、奄美ならではの希少固有種も数多く生息しています。

なお金作原訪問には、環境保護の観点から、認定エコツアーガイドを伴うツアーへの参加が必須です。 詳しくは公式サイトをご参照ください。

ふと出会う、かけがえのない自分だけの絶景たち

ここでは、スローな旅の道中で思いがけず出会えた、名もなき絶景たちをご紹介。ぜひあなたも、そんな自分だけのかけがえのない絶景を探してみてください。

Photo by Mayumi

レンタルバイクでのらりくらりと走っていたときにふと目に留まった、ふたごの小さなガジュマルの樹。きょうだいのような、恋人同士のような、寄り添うように立ち並ぶ2つの木々に愛おしさを感じました。

Photo by Mayumi

薄紫色の小さな花の房が特徴の、秋の七草にも数えられる「フジバカマ」によく似た、メルヘンチックなかわいらしい花畑を発見。思わず心が和みました。

Photo by Mayumi

ホノホシ海岸へ向かう道中、たまたま通りがかったため池のリフレクション。雨上がり直後の雲間から朝日が照りはじめ、唯一無二の、またとない絶景に出会えました。

自分にとって心地よい時間と景色を探すスロー旅を

誰からもお墨付きの定番スポットは、プランを組み立てやすく共感を得られやすい代わりに、やたら人が多く、行列や混雑で目まぐるしい1日になりやすいもの。

ときには定番や時間にしばられない、自分にとっての心地よい景色をふらっと探すスローな旅はいかがですか。

元記事で読む
の記事をもっとみる