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「婚活スタート早々に相談所とアプリに登録する人は結婚できない」婚活のプロがそう断言する深い理由

  • 2024.8.30

お金と時間をかけて婚活してもいい人に出会えない人は、何がいけないのか。アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんは「婚活=結婚相談所や婚活アプリに登録することだと思っている人が多いですが、それだけで、理想の人に出会うのは難しい。相談所やアプリに登録して『出会う』前にやることがある。婚活は順番が大事」という――。

スマートフォンを使う人
※写真はイメージです
そもそも「婚活」を間違えている人が多い

婚活沼とは、結婚すると決断しないままずるずると婚活し続け、異性との間に起こる現実に一喜一憂する状況を指す。

婚活沼にハマってしまう理由は人によってさまざまだが、「婚活をしてもいい人に出会えない」というのはよく聞く悩みだ。では、なぜ出会えないのか?

婚活というのは、「婚活アプリや結婚相談所に登録すること」だと思っていて、「登録すればすぐにでも結婚相手と出会える」と思いこんでいる人が少なくない。しかし、「心の準備」が整っていないと、登録しただけではパートナーに出会うことはできない。

「順番」が違っている

例えば36歳のK美さんの場合。教育関係の企業で契約社員として勤務している。このまま一生ひとりで生きていく覚悟はないし、できれば子どももほしい。両親からの「結婚はどうするの?」という圧も年々強くなり、婚活を決意した。

K美さんは、さっそく結婚相談所に登録することに。比較的安いところを選んだとはいえなかなかな登録料がかかるし、プロフィールを書いたり、写真を撮ったりと思ったより手間暇がかかる。ここまでお金も時間もかけるのだから、登録すればすぐにでもいい相手が見つかると期待に胸をふくらませていた。K美さんの希望は、同じ年かもしくは数歳上の30代だった。

ところが、紹介されるのは正直言って「ぱっとしない」男性ばかり。勤務先は堅実で安定しているものの、ほとんどの人が40以上で、見た目も年相応かそれ以上に感じてしまう。話もおもしろくないし、中にはまともに会話が成立しない人もいる。「また会いたい」と思える人には会えないまま、むなしく月日が過ぎていった。

さらにK美さんを落ち込ませたのが、そんな相手から断られるという「屈辱」だ。たとえ二度と会うつもりのない相手でも、担当者から「先方からもお断りされました」とやんわり伝えられるたびに、ひどくメンタルを削られた。

そのうちにお見合いをすること自体がおっくうになり、紹介されても理由をつけて断るようになってしまった。

K美さんのように、「婚活=結婚相談所や婚活アプリに登録すること」だと思っている人は多い。むしろ婚活女性の間では常識のようになっている。しかし、その認識は間違っている。結婚相談所や婚活アプリを利用すること自体は問題ないのだが、順番が違っているのだ。登録する前に、確認しておくべきことがある。

スマートフォンを使用する女性
※写真はイメージです
1時間後に「未来のパートナー」に出会いたいか?

それが、次の3点だ。

1.本気で将来のパートナーと出会いたいと思っているか。 2.本当に結婚したいと思っているか。 3.どういう結婚生活を送りたいかが明確になっているか。

「本気で結婚相手と出会いたいと思っているか」と問われたら、たいていの婚活女性は「出会いたいと思っているに決まっているでしょう。そのために婚活をしているんだから」と答えるだろう。けれど、婚活をしていても、心の底では「今、結婚相手に出会ってしまったら困る」と思っている人が意外と多いのが実情だ。しかも、ほとんどの人が自分でもそのことに気づいていない。

試しに、「1時間後に運命の相手に出会ったらどうする?」と自問してみてほしい。「うれしい! 大歓迎!」と思えるなら、準備が整っているということ。こういう人は、早かれ遅かれ出会いがあるはずだ。

一方、「それは困る」という人もいるのではないだろうか。「家が散らかっていてよべない」とか「この体形では……」とか、要は準備が整っていないのだ。なにも「出会ってすぐに家に呼ぶべきだ」と言いたいのではない。

準備が整っていないと、自分でも気づかないうち出会いに対して及び腰になる。無意識のうちに「すてきな人と出会わないように」してしまう。

K美さんは、まさにこのタイプ。忙しさにかまけてひとり暮らしの部屋は荒れ放題で、万が一彼氏ができても、とても家にはよべない状態だ。

不要なものを手放し、デジタルデータの整理を

「いい人がいない」「出会いがない」という人は、「1時間後に将来のパートナーとなる男性に出会う準備ができているか」を自分に問うてみてほしい。

大事なのは、自分が暮らすスペースを整えることだ。使っていないものや気に入らないものに囲まれている状態で、新しい出会いを呼び込むことは難しい。まずは不要なものを手放して、お気に入りのものだけを身の回りに置くようにすることで、自然と新しい出会いを求める気持ちになれる。

また、意外に効果が大きいのが、デジタルデータの整理だ。元カレの連絡先はもちろんのこと、連絡先を交換したまま一度も連絡を取り合っていない人や、そもそも思い出せない人のデータは削除したい。

目に見えなくても、不要なデータは心のスペースを塞いでしまう。部屋も心のなかも、不要なものを処分してスッキリさせることで、新たな出会いを呼び込む余裕が生まれる。

部屋のソファにたくさんの服がある若い女性
※写真はイメージです
結婚はしたい。でも……

「1時間後に将来のパートナーに出会ったら困る」という答えの中には、そもそも本当は「結婚したくない」という本音が隠れていることも少なくない。

S奈さんは、外資系企業に勤める39歳。仕事も順調で、30歳になるときに購入したマンションで快適に暮らしている。年齢的に、「子どもを産むとしたら、そろそろ始めないといけないのかも」と婚活を始めることにしたという。

S奈さんは、さっそく婚活アプリと結婚相談所に登録した。ちなみにS奈さんの家はスッキリと片付いていて、お気に入りのインテリアで整えられている。身だしなみにも隙がなく、「いつ運命の相手に出会っても困らない」状態をキープしている。

ところが、S奈さんの婚活は難航した。積極的に出会いを求めて、1週間に1人のペースでお見合いをしているにも関わらず、パートナーとしてふさわしい相手に一向に出会えない。一緒に食事をしたり美術館へ行ったりすることはできても、生涯のパートナーとして見るとどこか足りない人ばかり。「この人なら、まあいいか」とこちらが妥協しても、結婚について具体的な話を切り出したとたん、相手が及び腰になるケースもあった。

40代、50代になると、S奈さんのように自分の生活の基盤ができあがっている人が多い。一方で結婚とは、赤の他人と生活空間をシェアすることだ。お互いのペースを尊重し、話し合いを重ねて2人の生活を築いていかなければいけない。子どもができればなおさら、自分の時間はなくなるし、家族に対する責任も大きくなる。

相談に訪れたS奈さんに、私がまず確認したのはそのことだった。「本当に結婚したいと思っていますか」何度もそう尋ねると、S奈さんは「結婚はしたいけれど、快適で自由な今の暮らしを手放したくないという気持ちもあります」という本音を明かしてくれた。

ノートに書く人
※写真はイメージです

S奈さんに必要なのは、やみくもに出会いを増やすのではなくて、「どんな人と、どんな結婚生活を送りたいのか」を考えて、「理想の人リスト」を作ることだ。自分にとっての理想のパートナー像が定まっていない状態では、どんなに出会いを重ねても「どこかが足りない」「何かが違う」という感覚に陥り、前に進むことができない。

沼から脱出するポイント
●自分自身に「3つの質問」を問いかけてみる
●アプリに登録する前に
「まずは準備を」(不要なもの、デジタルデータ)
「理想の人リスト」(どんな人と、どんな生活を送りたいのか)

「婚活をしているのに、いい人がいない」という「婚活沼」に陥ったときは、前述した3つの質問をして、自分自身に向き合うことをおすすめしたい。婚活アプリや結婚相談所に登録するのは、「自分がどんな人と、どんな結婚をしたいか」というイメージがはっきりしてからで遅くはない。

伊藤 友美(いとう・ともみ)
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー
1970年生まれ、東京在住。約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げない女ひとが選ばれる』(フォレスト出版)。

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