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漫画「二月の勝者」とともに手に取りたい「二月の笑者になるため」の指南書

  • 2024.8.30

中学受験というトピックを大きな社会的話題にさせたのは、この1冊の存在もあるかもしれません。漫画「二月の勝者-絶対合格の教室-」。親であれば、読むうちに誰でも引き込まれてしまうこのテーマ。そんな「二月の勝者」と合わせて読みたい『「二月の笑者」になるために 名場面が教えてくれる中学受験必笑法』をレビューします。『二月の勝者』の名場面集としても楽しめる一冊。まだ手に取っていない人は、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

出典:あんふぁんWeb

「合格に必要なのは、父親の経済力と母親の狂気」

「合格に必要なのは、父親の経済力と母親の狂気」、そんなセンセーショナルな言葉によって中学受験の存在を世の中に知らしめ、一躍有名になった漫画「二月の勝者」(小学館)。「中学受験」という言葉を耳にするたびに、親として心がざわつくことがあるかもしれません。子どもの未来を思い描くとき、希望だけでなく、不安が入り混じった感情がその胸を満たすのはどんな親でも同じです。

今は昔と違って、子どもの進路は1つではなくなってきました。特に都会では、小学校受験、中学校受験、留学、インターナショナルスクールなどなど、さまざまな選択肢があります。この子の進路に何がベストなんだろう?これでいいんだっけ。答えが一つではないからこそ、親たちは迷い悩み続けます。

そんな時、手に取ってほしいのが、この「二月の勝者」です。

母親を支え、背中を押し、本質的な教育論まで教えてくれる一冊

これは、単なる受験マンガではありません。子どもたちの成長や葛藤、そして母親たちが抱える悩みに深く寄り添い、共感を呼ぶ内容が詰まっています。

主人公の黒木蔵人は、まさに「勝者」を目指す塾講師。しかし、一見冷静な彼の表情の裏には、受験の厳しさだけでなく、子ども一人一人の可能性や未来への深い想いが見え隠れします。彼の言葉には、時に厳しく、時に温かいメッセージが込められており、母親として、子どもの成長を支えるためのヒントがたくさん詰まっています。そして『「二月の笑者」になるために』は、教育ジャーナリスト・おおたとしまささんの「必笑法」メッセージを漫画『二月の勝者』名場面と共に振り返ります。

例えば「子どもは、できれば親を喜ばせたいと思っている」ことや「本人がやる気になるまで待つことが大切」のような、読んでいてドキッとするような本質的な教育論まで教えてくれます。

出典:あんふぁんWeb

(「二月の笑者になるために」p32-33より)

出典:あんふぁんWeb

(「二月の笑者になるために」p80-81より)

特に印象的なのは、「受験は親の戦い」という言葉です。この一言には、多くの親が抱えるプレッシャーと向き合う強さ、そして子どもと共に戦う覚悟が表れています。親は、ただ子どもを見守るだけでなく、時には励まし、時には背中を押し、時にはそっと支える存在であることを、作品は繊細に描いています。

また、「子どもが成長する瞬間」を描くシーンも必見です。受験という過酷な状況の中で、子どもたちは悩み、立ち止まり、そしてまた前へと進んでいきます。親として、その成長を目の当たりにする瞬間は、涙を誘うほど感動的です。

子どもが壁にぶつかり、それを乗り越えた時の達成感、そしてその過程での親子の絆が深まる様子は、読む者の心に深く響きます。

二月ににっこり笑える“笑者”に

受験が、唯一の正しい道のりだとは言いません。あらゆる選択肢の中の一つでしかありませんし、それによって子どもの未来や能力が決定づけられるものでもありません。ただ、一度やると決めたら、親は覚悟を決めなければならないのです。そして正しい知識が必要なのです。子どもを無闇に傷つけないために。

「二月の勝者」は、受験に挑む子どもたちだけでなく、その子どもたちを支える親たちにこそ力を与えてくれる一冊かもしれません。子どもの将来を思い、時に不安に駆られることもあるでしょう。しかし、この物語を通じて、親としての自信を取り戻し、子どもと共に前進する勇気を得られることと思います。

受験という旅路の中で、親としてどう子どもに寄り添い、支え、導くべきか。それを教えてくれる「二月の勝者」。そして、『「二月の笑者」になるために 名場面が教えてくれる中学受験必笑法』とともに手に取れば、あなた自身もまた、「二月の笑者」になれるはずです。

文/田口まさ美(教育エディター)

『「二月の笑者」になるために 名場面が教えてくれる中学受験必笑法』 を3人にプレゼント

出典:あんふぁんWeb

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