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「彼氏の推し活は許すべき…?」長続きカップルが実践する「お金のルール」

  • 2024.8.29

現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、会社の同僚男性と付き合い始めた24歳女性。彼氏が推し活をしていることをはじめは気に留めていなかった彼女ですが、高額の投げ銭をしていることが分かり…。カップルのお金の使い方について、三松先生が教えてくれます!

紗良(24)推し活はいいけど投げ銭はダメって助言するのは“寛容さレス”かな

【レスなひとびと】vol. 253

21時、仕事終わり。人材系の会社に勤める紗良は、オフィスの最寄り駅まで同僚の清人と歩いていた。

(今日こそ聞かなくちゃ)

清人に彼女はいないらしいけど、好きな人がいるかは知らない。ふたりきりになれる機会はあまりないから、今日こそ聞いておきたい。
だって、清人のこと気になるんだもん。

「ねえ、清人くんって好きな人いる?」

「…いるけど」

「誰か聞いてもいいかな」

「紗良」

(…!)

よくプライベートでもLINEがくるし、もしかしたらとは思ってた。でも、うれしすぎる。

「私も清人くんが好きだよ」

「まじ? よっしゃ! でもさ…俺、彼女とか作る資格ないと思ってて」

子犬みたいなかわいい系の顔立ちに、人懐っこい性格の清人。モテそうなのに、どうしてそんなこと言うんだろう、と考えを巡らせていると。

「推し活とかしてるのイヤかなって」

清人はそうつぶやいた。

「なーーんだ、そんなこと」

清人に推しがいるのは、社内の雑談や同期飲みで聞いて知っている。配信者のココちゃんだ。でも推しと恋人は別だし、そのくらいで嫉妬していたらキリがないと思う。

「推し活とか、普通じゃない。誰でも推しいるっしょ」

「そう?」

「うん、私にもいるし」

そう、紗良にも推しはいる。男性のバーチャルアイドル。だから彼氏にも推しがいるなら、いちいち言い訳しなくてよくて助かる。

「じゃ、付き合おっか」

「うん」

笑顔で答えて、交際スタート。
でも…。

「やっぱ屋台は高いな。ぼったくり値段だわあ。俺、飲み物だけでいいや。家に米あるし」

初デートの夏祭り。紗良はかき氷やベビーカステラ、からあげなどいろいろ買ったものの、清人は飲み物だけ。

かなり節約志向だ。本当は初デート一緒に思い切り楽しんでほしい。給料も同僚だからわかるけど、そんなに悪くない。でも、家計を共にしているわけではないから、口出ししていいかわからない。

そのあと、スーパーに寄って清人の家へ。清人がおつまみを作ってくれるらしい。

「15分くらいかかるから、そのあいだ、自由に観てて」

そう言って、テレビのリモコンを渡された。映画でも観ようかなと思ってスイッチを押すと、YouTubeが開いた。あ、スパチャの履歴のページ。

(5000円、2500円、7000円…え、1週間でこれ? めっちゃ投げ銭してるじゃん)

配信を見るのは全然かまわないと思っていた。私の推し活に口出ししてこないのも助かってる。グッズに月1万円くらい使っちゃうこともあるし。でも、清人はお金かけすぎだ。

一度許容した推し活について、意見してもいいのだろうか。夕ごはん、笑顔で食べられる自信がなくなってきた。

【三松さんからのコメント】

清人さんの節約は推し活のためだったのですね。
Z世代の半数以上に、推しがいると聞きます。推しがいると日々の活力になりますし、推し活大賛成。対象にもよりますが、推し活と恋愛は両立できますよ。

でも、デートに支障が出るレベルでお金を使ってしまっているのであれば、気になる。倹約家とドケチのニュアンスの違いがわかるひとでないと、周りは白けてしまう、15分でちゃちゃっとおつまみ作れちゃう料理上手ってとこはポイント高いのですが…。

紗良さんたちは、まだお付き合いが始まったばっか。彼は彼女ができたあとのお金の使い方について、まだ見直しができていないのではないでしょうか。

もし紗良さんが外食デートやおでかけを楽しみたいのであれば、デート代のかけ方を話し合って!
推し活をやめてほしいと伝えるのではなく「デートも一緒に楽しみたい」と。
紗良さんのお金の使い方に合わせろと言うのではなく、あくまで話し合って“落としどころ”を見つけるイメージで。

「推し活は日々の活力につながるからOKだけど、推しに使うお金の許容範囲は合わせておかないと、結婚したら破綻するぞ。以前、坂系アイドルのおっかけする夫にあきれて離婚届出した妻の相談聞いてたもんね」

三松 真由美
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。

©simona/Adobe Stock

文・三松真由美

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