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結婚、子育て、離婚を経て…50代の“いま”が楽しい!『凡人すたいる。』の作者・北海道出身・まめさんに聞く、“クスッ”と笑える日常の見つけ方

  • 2024.8.29

北海道に縁のあるクリエイターたちの視点や素顔を覗く「HOKKAIDO CREATORS INTERVIEW」。今回は、instagramのフォロワー25万人強と、SNSでも抜群の人気を誇る漫画家・凡人すたいる。まめさんが登場。代表作『凡人すたいる。』をはじめ、日常の中のありふれた出来事も、まめさんが描くととってもシュールで、思わず笑いを誘います。
結婚、子育て、離婚を経て、50代を迎え、積極的に人生を楽しんでいるまめさんに、クスッと笑える日常の見つけ方を聞きました。

北海道出身のまめさん。20代で結婚し、子育てを経験し、離婚後はパート勤めの傍ら、推し活のことや日常で見つけたクスッと笑える出来事を漫画にしたため、SNSで発信してきました。2015年から描き始めた『凡人すたいる。』が人気を博し、今では書籍も出版し、雑誌の連載や挿絵の依頼も絶えないプロの作家として活躍しています。

K-POPに韓ドラ、推し活が漫画を描くきっかけに!?

Sitakke
(2022年11月24日のインスタ投稿より)

——まめさん、こんにちは! 今日はよろしくお願いいたします。思わずクスッと笑ってしまったり、「あるある、わかるぅ〜」と言いたくなるようなネタが満載の『凡人すたいる。』、面白いですよね。まめさんが漫画を描き始めたきっかけは何だったのですか?

見てくださって、ありがとうございます。漫画を描き始めたきっかけは、推し活ですね。私、韓国カルチャーというか、K-POPとか韓国ドラマとかがすごく好きで、応援しているアイドルとか俳優さんがいろいろいて。その人たちのことを発信するためにブログを始めたんですよ。もともとは本当に単なる趣味で。そこにたまたまイラストを載せていたんですよね。推しを見てびっくりした表情とか、何気ないことなんですけど。その延長で、日常のこともイラストで描いてブログやインスタにアップし始めたのがきっかけです。

——『凡人すたいる。』は、いつから始めたのですか?

2015年ですね。日記みたいな感じで、推し活も含めて日常の中で見たこと、面白かったことなんかを漫画にしています。この頃から、雑誌の連載なんかもいただけるようになったので、パートの仕事は辞めました。最近ではなるべく毎日アップするようにはしているんですけど、何もしないと漫画のネタも見つからないので、ときどき、短期のアルバイトにいくこともあります。

“幸せのカタチ”にとらわれていた30代までのまめさん

Sitakke
(2023年3月2日の投稿より)

——『凡人すたいる。』を見ていると、まめさんの日常ってなんだかとても楽しそうですよね。でも、シングルマザーとして3人のお子さんを育てるなど、ご苦労も多々あったとは思います。人生のなかで大変だった時期ってあるのでしょうか?

う〜ん、あったと思いますね。大変だといえば、ずっと大変だったような気はします。子育てもそうですし、お金のこともそうですし。今は絵を描くことが仕事ですけど、その前はパートをいくつか掛け持ちして働いていたこともありました。

今は上の息子2人は成人していますけど、子育て中は余裕がなくて子どもと接する時間が少なかったですね。子どものことをちゃんと見てあげられない時があったり、食事がカレーばっかりだったり。おかげで、一時期うちの子どもたち、カレーが大嫌いになりましたから(笑)。

Sitakke

——大変な時期をどうやって乗り越えてきたんですか?

私の場合、27歳で結婚して、すぐに子どもができて30代は子育てに没頭していました。40代に入ったあたりで離婚したのですが、それからはどこか吹っ切れたような気がします。離婚の理由はひとつではありませんが、たぶん、私は誰と一緒になっても結婚には向かない性格なんだと思うんですよね。20代、30代の私は、結婚して子どもが生まれて、マイホームを持つのが正しい人生っていう風に考えていたところがありました。幸せのカタチにとらわれて無理をしていたのかも。 結婚が一番の幸せだから、このカタチを頑張らなくちゃって思い込んでいました。勇気がいる決断でしたけど、そういうこだわりを手放し「人生、一人でどうにでもできるんだ」って気づいて、意外にも目の前が明るくなったんです。

頭の中でツッコミを入れる習慣が日常を楽しくする

Sitakke
(2023年5月9日のインスタ投稿より)

——40代でより自分らしい生き方を見つけたまめさん。漫画のネタになるような、日常の中の面白いことを探すコツってなんですか?

面白いことって、毎日起きるわけじゃないですよね。毎日、爆笑するようなことが勝手に起こることってあんまりないので。本当にちょっとしたことなんですけど、目の前で起きていることに対して、言葉には出さず、頭の中でツッコミを入れてみるってのはあるかも。

お笑い芸人みたいに高度なツッコミは無理ですけど、「何だそれ!」くらいの軽いツッコミから妄想が膨らんで、ネタがひとつできるっていうこともあります。いつも変わった出来事に遭遇するわけじゃなくて、私も普通にバスに乗ったり買い物に行ったりしているのですが、その中でもなるべく周りをよく見て、面白いことがあったらスマホにメモしています。
ご飯を作ったら失敗したとか、娘との会話とかいろんな日常にちょっと面白いことが隠れていたりするんですよね。

Sitakke
(2024年6月9日インスタ投稿より)

——そうやって集めたネタはどのタイミングで漫画にしているんですか?

描くのはだいたい朝起きてすぐですね。朝ごはんの前にやっています。一番頭が冴えている時間なんですよ。夜は眠くなってしまうので朝が一番のチャンス。iPadを使って描いています。描きながら、YouTubeや韓国ドラマを見るともなしに流しています。推し活は時間を問わずですね(笑)。

常に動き続けることが、人生を楽しむ秘訣

Sitakke
(5月5日インスタ投稿より)

――まめさんの思う、「北海道のすきなところ」を教えてください!

やっぱり食べ物は美味しいですね!慣れ親しんだ安心感もありますし。
以前、道外に旅行に行ったときに、タクシーの運転手さんにおすすめの飲食店を聞くと、最初は色々話してくれたんですけど、「北海道から来た」と言うと急に「北海道の人を満足させられるようなおすすめは思いつかないよ!」と言われてしまって。全然土地勘がないので教えて欲しかったんですけど(笑)。道民あるあるかもしれませんよね。

Sitakke
( 2022年11月13日インスタ投稿より))

――今後、まだまだ活動の幅が広がりそうですが、やってみたいことはありますか?

いやぁ、もういろいろあるんですよね。何からやったらいいのか分からないってくらい(笑)。成功するか失敗するかとか関係なく、やりたいことは何でもやりたい。みなさんに喜んでもらえるようなグッズも作りたいですし、引き続き、LINEスタンプも作っていきたいですね。

あとは、一人で子育てしてきて、ずっとできなかった旅行にもいろいろ行ってみたい。特に韓国とか。

Sitakke

——読者のみなさんに向けて、毎日を楽しむコツを教えてください!

私にもだるくて横になりっぱなしの日とかもあります。ずっと楽しいわけじゃなく、やっぱりダメな日もありつつ、なるべく楽しいことの分量を多くしたいなと思っています。
仕事や育児に忙しくて自分の時間が持てないこともありますが、いつか自分の時間を充実させられるタイミングはやって来ます。その時、どんな風に過ごしたら自分が楽しめるか、やり残していることはないか、そんな風に1つずつやりたいことを考えて、挑戦してみたらいいのではないでしょうか。ちょっとずつ実行に移す計画を立てるだけでも楽しかったりしますよね。

私の場合、暇すぎると余計なことを考えてしまうので、常に何かし続けるのが向いているみたいです。

――やってみたいこと、意識してみると色々あるような気がします。確かに考えてみるだけでも少しワクワクしますね!まめさん、楽しいお話をありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました~!

〜〜〜取材を終えて〜〜〜
『凡人すたいる。』を読みながら、作者のまめさんってどんな人なんだろう?と想像が膨らんでいました。実際にお話をしてみると、いい意味で想像を裏切るとっても素敵な女性。強烈にポジティブという感じではなく、けれどもいい感じで力の抜けた、それでいて潔いお話しっぷりに魅了されました。そして、どんなときでも、日常にクスッと笑えることを見つける習慣を身につけるって大事!と実感。これからは、「ツッコミ」の精神で日々を過ごしてみたいと思います。

【凡人すたいる。】
・ブログ
https://bonjin-mame.blog.jp/

・instagram
@bonjinmame

***
文: 菅谷環
編集:YASU子(Sitakke編集部)
取材日:2024年7月

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