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桜井日奈子”千秋”がまさかの推し変…ラスト10分で存在感を発揮したのは? ドラマ『マル秘の密子さん』第6話考察レビュー

  • 2024.8.29
『マル秘の密子さん』第6話 ©日本テレビ

福原遥主演のドラマ『マル秘の密子さん』(日本テレビ系)が放送中。本作は、突然、大企業の大株主となった平凡なシングルマザー・今井夏と、突然彼女の前に現れたどんな依頼も叶える謎のトータルコーディネイター・本宮密子の物語。今回は、第6話のレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

『マル秘の密子さん』第6話 ©日本テレビ
『マル秘の密子さん』第6話 ©日本テレビ

【写真】福原遥&桜井日奈子の”推し”コンビが爆誕…眼福の劇中カット。ドラマ『マル秘の密子さん』劇中カット一覧

密子(福原遥)の姉・鞠子(泉里香)が命を落とした火事のあった日、遥人(上杉柊平)にはアリバイがあったと千秋(桜井日奈子)が証言した。危険を顧みず密子のことを助けた遥人の気を引きたい狙いがあったのだろうと推測される。社長の椅子を巡る戦いに、今回はお金の問題が絡んでくる。

ついに鞠子の隠しファイルを開けることに成功した密子たち(パスワードが密子の誕生日なんて泣かせるが、もっと早めに試していてもよさそうなのに、と思わずにはいられなかった)。それは九条開発の不審な金の流れに関するメモのように見受けられる。火事関連で遥人を追い込めなかった密子は、この裏金問題が最後のチャンスだと考えた。

調べていくうちに明らかになった2つの事実。

まずは智(清水尋也)と彩(吉柳咲良)の尾行によって発覚した、玲香(志田彩良)による会社の資金の私的利用。自身が主宰するイベントやSNSのフォロワー数増加のためにお金を使ってしまっていたらしい。

だが、酔い潰れた玲香の様子から察するに、そんなことをしてしまう1番の原因は愛情不足。代々女系家族だった九条家にとって、遥人はようやく生まれた待望の男の子。母親の美樹(渡辺真起子)からの愛情や期待を一身に背負う一方で、玲香はずっと物足りなさを感じていた。母親に認められたい、褒められたい。その一心だったのだろう。

その後、玲香の不正が社内に知れ渡ることとなり、美樹は「今回は遥人の応援に回りなさい」と玲香に誕生日プレゼントのネックレスを渡す。もっとも、「これからはそばにいるから」という言葉こそ、玲香にとって最大のプレゼントであったはずだ。

『マル秘の密子さん』第6話 ©日本テレビ
『マル秘の密子さん』第6話 ©日本テレビ

もうひとつは、政治家への不正献金。遥人のアリバイを証言したことで美樹からの信頼を得た千秋が、運び屋をさせられていた。これをあっさり見破った密子は警察に通報すると脅すも、なかなか実行に移さない。密子は、九条家にいいように使われている千秋に、姉の姿を重ねてしまっていたのだ。

密子の想いを受け取った千秋は、三度運び屋をさせられそうになったときに反旗を翻す。会話の内容を密子や夏(松雪泰子)、会長の五十鈴(小柳ルミ子)と共有していたのだ。ところが、美樹から手渡された紙袋に入っていたのは本物のお菓子。札束はどこにもなかった。

そのままの流れで実施された社長選。裏金問題を追及できず、夏の当選は絶望的かに思われた。

ところが、夏の名前が呼ばれた後に、ゆっくりと玲香が挙手。実は、玲香の不正を全社にメールで流した張本人が美樹であることが、事前に密子から玲香に伝えられていたのだった。遥人を当選させるためならば自分の娘すら利用する…いかに美樹が男の子を生み育てたことに誇りを持っているかが伺える。「地獄に落ちろ」と玲香。恨みのこもった玲香の目が忘れられない。

玲香に続いて複数の役員たちが夏に寝返る格好になり、またしても社長選の行方は保留となった。

『マル秘の密子さん』第6話 ©日本テレビ
『マル秘の密子さん』第6話 ©日本テレビ

玲香の不正や千秋の運び屋の証拠を掴んでいた密子たちだったが、それらを直接的に糾弾する方法は選ばなかった。それが自分たちのいいほうに作用する結果となったのが面白い。情けは人の為ならず、とは少し違うかもしれないが、何事も戦略次第といったところか。

ついに千秋も社内に居場所を失ってしまったが、気付けばすっかり密子推しになっていた。実にあっさり鞍替えしたのがもはや気持ちがいい。遥人と恋愛関係になれるならうれしい気持ちがなかったわけではないだろうが、千秋にとって遥人は純粋な“推し”だったのだろう。

したたかさというか、調子のよさというか、いずれにしてもこの人はしぶとく生き残りそうだ。そして、今後新たに遥人の情報を探ることは難しいかもしれないが、直近まで社内の中枢にいた人物の協力を得られることは、密子たちにとっても大きなプラスだろう。

それにしても、今回も献金については何も知らされていなかった遥人。お飾り感が増してきて、だんだん不憫に思えてきた。社長になったとて、果たして彼に裁量権は与えられるのだろうか。どんどん大きくなる美樹と坂東(黒羽麻璃央)の存在感が恐ろしい。

ラストでは前社長・謙一(光石研)の死について、警察が夏に話を聞きに来た。たしかに死の直前まで一緒にいたのは夏だったので事情を聞かれるのはやむを得ないとは思うが、なぜ今さら? これも美樹たちの差し金だろうか。次回の放送が待ち遠しい。

(文・あまのさき)

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