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スイス最大のカーニバル「ファスナハト」仮面行列が織りなす魅惑の世界

  • 2024.8.28

こんにちは、ヨーロッパ在住のREINAです。

私は、世界中のお祭りが大好き。それぞれの文化が持つ伝統や価値観、歴史が融合した不思議な世界観に心を惹かれます。

その中でも、スイスの「バーゼル」で開催されるお祭り「ファスナハト(Fasnacht)」には特に愛着があります。

この「ファスナハト」は、フランスとドイツの県境に位置するバーゼルで、毎年3日間だけ開催される仮面カーニバルです。

カラフルな仮面行列や街に溢れる音楽によって、大人も子供も大いに盛り上がるんですよ!

じつは、バーゼルは私が幼少期を過ごした街であり、思い出がいっぱいです。子供の頃はこのカーニバルがとても楽しみで、毎年ワクワクしながら楽しんでいました。

大人になってからも参加してみると、新たな発見や刺激がありました。

ファスナハトとは?

「ファスナハト」は、スイスのバーゼルで開催されるスイス最大のカーニバル。

思い思いの仮装を施した仮装行列・ピッコロ隊、ドラム隊などの楽団パレードが市内を練り歩き、カラフルなコンフェティ(紙吹雪)や色とりどりの仮装でバーゼルの街が鮮やかに彩られます。

2017年にはユネスコ無形遺産に登録されました。

ファスナハトの歴史

ファスナハトは14世紀以前まで遡る歴史を誇ります。諸説ありますが、キリストの復活を祝い、春の訪れを祝う意味合いが強いようです。

灰の水曜日の後の月曜日の午前4時から、木曜日の午前4時までの3日間、普段は静かな街が、このパレードの期間だけ狂乱の渦の中心となります。

そしてカーニバル終了後はまた何事もなかったかのように、静かな日常へ戻る、不思議なお祭りです。

幻想的な「モルゲンシュトライヒ」

まだ薄暗い月曜日の午前4時、教会の鐘の音が響き渡ります。

街のすべての明かりが消え、ねぶた祭りのような、大きな灯篭やランタンの光が暗闇の街に浮き上がると、ファスナハト開始の合図です。

バーゼルの小さな路地と広場に、何百ものピッコロやドラムの音が響き渡ります。

灯篭は有名アーティストの描いたものから、政治を皮肉った風刺画まで様々。

幻想的な光が何千人もの観客の顔を照らし、美しいピッコロの音色も相まって、なんだか不思議な世界に紛れ込んでしまったかのような気持ちになります。

さぁ、ファスナハトの始まりです!

ちなみに、3月の早朝のスイスは極寒。あたたかくして出かけましょうね。

仮装パレードに華やぐバーゼルの街

夜が明けて、ファスナハトの昼間のパレードでは太鼓隊、ピッコロ隊など、カラフルな衣装をまとった楽団が思い思いの仮装で大通りを行進します。

グループごとに同じ仮装テーマで、クラシック音楽から最近のポップスまで様々な音楽を演奏しながら練り歩きます。

モンスターや動物、歴史上の人物など、登場する数々の仮装楽団に観客も大賑わい。

天狗のような鼻の「ワギス」。ファスナハトの伝統的な仮面で、市内あちこちに現れます。

美しく華やかな衣装や仮面は、まるで別世界への入り口のような気分を味わせてくれます。

地元の人々や観光客も、思い思いの衣装に身を包み、大いに盛り上がるパレードです。

山車から色々なものが落ちてくる!?

仮面をつけた人々が乗っている山車を見かけたら、注意してくださいね。仮面をつけた人たちが山車から色んなものを投げてきます!

お菓子やお花、果物を渡してくれる……と見せかけ、「コンフェティ」と呼ばれる紙吹雪で攻撃してきたりと、やりたい放題(笑)

一度狙われるとコンフェティを服の中にどっさり入れられたり、執念深い仮面さんもいます……!

街中にはコンフェティの跡が

コンフェティだけでなく、お菓子やみかんなどの果物、ときには社会風刺のビラなども投げられるので、手を伸ばしてキャッチしてみましょう。

そしてファスナハト観戦の必需品は「ファスナハトバッジ」。

ファスナハト費用の一部のためにお祭りの前後からバーゼルのいたる所で売られており、バッジをつけていると「資金協力をした」と見なされ、良いものを投げてもらえる確率が上がります。

バッジは値段により金・銀・銅とあり、毎年デザインが変わるので、記念品にもおすすめですよ。

私は銀色バッジを購入! そのおかげか(?)ミモザを投げてもらいました。その後にしっかりコンフェティ攻撃も受けましたが……。

子供のグループも!

市内に点在する小道や路地でも、小さな規模のパレードが開催されています。

子供達のグループは、小人みたいでとても可愛らしい。

小さな子供がドラム、楽器、小さな手押し車を装備し、お菓子や紙吹雪を撒き散らす様子に、私も子供の頃に、プリンセスやピエロなどの格好をして楽しんだことを思い出しました。

奥へ奥へと進んでいくと、大通りの喧騒が嘘かのように静かな通りが。石畳を行進する小さな楽団の奏でる、美しいピッコロの音色が響きます。

スイスの春の訪れを祝おう

大人も子供も、一緒になって歌ったり、踊ったり。街全体が楽しむ様子で溢れており、昔の人は春を本当に待ち遠しく思っていたんだなと感じます。

子供の頃は、美しくも不気味な仮面行列とピッコロの音が不思議な世界に連れて行ってくれるように感じていました。

ファスナハトの仮面行列には、その年の「社会問題」「政治」などの意味が込められています。大人になってから、それぞれの仮装のテーマを考えながら、また違った思いで参加することができました。

All photos by REINA SHIMA

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