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「島っていいとこ」これだから島旅はやめられない

  • 2024.8.28

「え、日本に島ってそんなにあるの?」

離島の話になるとよく言われるフレーズ。多くの人が住んでいる本州や北海道も島のひとつであり、離島となるとその数は有人離島だけでも400を超える。

絶景で有名な島、行くだけでも大変な島、人が数人しか住んでいない島など、島ひとつひとつに色々な顔がある。なかには将来無人島になる可能性のある島、船の航路が休止になり自由に行くことが困難な島もあるのだ。

そんな島々の存在を知ると「今、行かないと!」と自分の中の気持ちが高まり、いつも島のことばかり調べるようになってきた。

島根県 知夫里島に放牧される牛とカルデラ

気がつけば147の島を訪れ、日本の有人離島を3分の1ほど旅し、そしていつも「島っていいとこだな」と、初めて見る風景や人との出会いに感化される。

どうしてここまで島旅に惹かれるようになり、自分のライフスタイルのひとつになったのか。

近いのに全く違う島の景色

きっかけは20代前半の時に訪れた、初めて1人で2週間以上の期間で旅した伊豆諸島をすべて巡る旅。

学生の貧乏旅なので、慣れないながらも荷物のかさむ重いバックパック背負い島を歩く。

初めてテント泊をしてみたり、数日間パンとドライフルーツで凌いでみたりと、1人で島旅を楽しんでいた。

東京都 新島の羽伏浦海岸

次の島へ渡るたびに、「隣同士の島なのにこんなに景色が変わるの?」と感じた、当時の興奮は今でも忘れられない。

島から島へ移動するごとに、白い砂浜から火山の力強さを感じる黒と赤の溶岩の海岸になったり、海の色も水色から濃い青色に変わったりとその表情はそれぞれだった。

伊豆諸島をすべて巡る旅では8島に訪れたが、まだ400島以上もの有人離島がありこの興奮が味わえると考えると、「これは全部見ずして死にたくないぞ」と。これが今の自分の原点になっている。

東京都 利島の野生のイルカたち

不便さやアナログさを楽しむ

スマートフォンひとつで宿泊や移動の予約、買い物から道調べまでなんでも完結できる今の世の中。だが島旅ではまだアナログな旅も楽しめるのも魅力のひとつ。

宿の予約は電話のみで、島言葉の理解に苦戦しながら宿を押さえたり、船のサイトがなく当日早朝に港まで行って船が動くかどうか確認もする。

支払いは現金のみのお店も多く、どの島に行く時も郵便局の場所は頭に入れるようにしている。

便利な生活が当たり前だった手前、島旅や島での滞在には不便を感じることも少なくないかもしれないが、そこに人との出会いがあるのも島旅の魅力のひとつだ。

香川県 本島のマッチョ通り

島によっては宿の予約がないと日帰りで帰らされる島もあり、船も予約をしないと乗れないことだってある。島旅をしているときはもちろんだが、行く前の事前調べからワクワクが止まらない。

ちょっと島旅に行かない期間が続くと、行くかどうかもわからないのに勝手に手が島旅の旅程を作り、パソコンの前でニヤニヤしている自分がいたりする。

島に着いてからも場所によっては圏外になることもあるので、島の紙地図と事前にスクショした島の航空写真は持ち歩く。

「ここ、ちょっと行けそうだな」とか「地図に載っていないけど、絶景があるのでは?」と、自分の直感を頼りに足を進ませる。そして名もなき絶景に出会えた瞬間が「本当にここに来て良かったな」と心の底から実感できる。

答えを探しに行くのではなく、自分の中で答えを作る。「何が正解」というのはないけれど、おそらく「この島に来てよかった」と心から思えた瞬間に答えが詰まっているのだろう。

沖縄県 雨上がりの渡嘉敷島

これからも海を渡っていく

日本の島でもこれだけの景色がたくさんあるのだから、世界にはもっとたくさんのまだ見ぬ景色が待っているだろう。

海を渡るのは、島に行くときはもちろん、国を渡る時も同じだ。島旅は少しの間お休みをして、今年の11月から世界一周の旅へ。

おそらく世界一周の旅が終わったら、また島旅を再開させる自分の姿が想像できるが、今は海の向こうにどんなものが待っているんだろうと日々ワクワクしている。

いつ死ぬかわからないし、いつ歩けなくなるかも分からない。だからこそ今、旅をしたいし、これからも旅を続けていきたい。

All photos by Suzuki Ei

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