TVアニメ『メダリスト』の原作者・つるまいかだと、オープニング主題歌を務める米津玄師のスペシャル対談が実現した。この対談から見えてきたのは、「BOW AND ARROW」を書き下ろした米津の原作者ですら驚くような高い解像度だ。そして、『メダリスト』を愛読している米津の口からは、「オタクの夢」という作品を愛するファンならではの言葉も飛び出した。
米津が見事に表現した“フレーズ”に感動するつるま
「BOW AND ARROW」というタイトルは、アニメで使われる尺をつくり終わった後に考えたと語る米津。そして、“押し出す者”と“押し出される者”の関係の象徴として「手を放す」というフレーズが浮かんでいたそう。そこからカタパルトやハンマー投げを連想し、結果的に弓と矢を意味する「BOW AND ARROW」に決めたそうだ。
「BOW AND ARROW」を聴いたときについて、つるまは「感動が大きすぎて噛み締めるのに時間がかかりました(笑)」とコメント。加えて、米津が生み出した「手を放す」というフレーズが一番刺さったと答えている。
つるまが本作において描きたかった“送り出す”側と“送り出される”側の敬愛を、「手を放す」というフレーズは強く、そして温かく表現した。つるまも気づかなかった表現に気づくという、米津が高い言語化能力を持っているからこその現象が起こっている。「手を放す」というフレーズはSNSでも高く評価されており、いのりと司の師弟関係に絡めて歌詞を考察するファンが続出した。
また、「BOW AND ARROW」のジャケットイラストは、米津が特別に描き下ろしたもの。つるまは、完成したジャケットを見てびっくりしたそう。歌詞を読んで、司だけか司といのりの2人が描かれると予想していたつるま。しかし、米津は単体のいのりを描いた。米津が描いたいのりのかわいらしさに、つるまは感動が押し寄せたそうだ。
大好きな作品の主題歌に……“オタクの夢”を叶えた米津
アニメのオープニング映像を最初に観たときについて、米津は「自分が好きな漫画に曲を書くことができて、さらに曲に合わせたアニメーションが乗っかってくるっていうのは、本当にただのオタクの夢だなと思いました(笑)」と語っている。彼の言う通り、主題歌を提供して好きな作品に携わることができるのは、人生で起こるとは思わないまさに夢のような出来事だ。
米津が『メダリスト』のオープニング主題歌を担当することになったのは、彼が逆オファーして決まったという経緯がある。米津が持つ作品への愛と熱意、加えて自ら話を持ちかける行動力が、すばらしい楽曲の完成につながったのだ。
昔ボーカロイド楽曲に夢中で、米津のことはボカロP名義であるハチのころからファンだったつるま。ハチの楽曲を好きでいることで、思春期の不安定なアイデンティティを形作るひとつの要素になってくれたと語っている。ニコニコ動画にて米津がハチとして活動を開始したのは、2009年のこと。「まさかそんな初期から」と米津は驚きとうれしさをあらわにした。
つるまは米津の新曲が出るたびに聴いており、アニメのオープニング主題歌を歌うのが米津だと決まったときは「すごいよ、音楽界の金メダリストだよ!」と担当編集と大はしゃぎしたそうだ。
つるまと米津がお互いをリスペクトし合い、お互いのファンであることが伝わってくるスペシャル対談。『メダリスト』と「BOW AND ARROW」が大きな話題を呼んでいるのは、“相思相愛”ともいえる2人の幸福な関係もひとつの理由なのではないだろうか。
メダリスト
ABEMAにて毎週木曜26時より無料放送
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/25-279
【(C)つるまいかだ・講談社/メダリスト製作委員会】
ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari