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主人公の“生存説”が浮上?ワンシーンに隠された視聴者“驚愕”のサプライズ

  • 2025.3.13
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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

毒を飲み自死したはずのラファウが、第23話で“幻”として再び登場した。TVアニメ『チ。 ―地球の運動について―』の第1章にて、最初の主人公を務めたラファウ。彼が再登場する展開に、あっと驚いた人も多いだろう。そして、「もしかしてラファウは、第1章で実は生き延びていたのではないか」と考えた人もいるかもしれない。ラファウは、本当に幻だったのだろうか。

ラファウが“生きている”と受け取れる描写

ラファウといえば、第1章の主人公である聡明な少年だ。彼の頭のよさは、12歳にして飛び級で大学に行くことが決まるほど。だが、異端者であるフベルトと彼が研究する地動説に出会ったことで、ラファウの人生は一変する。彼は地動説に感動を覚え、魅了された。フベルトの研究に加わるが、ポトツキの裏切りによってノヴァクに捕まってしまう。そして、信念を貫いたまま自ら毒を飲み、死んだ。

死にかけのノヴァクの目の前に現れたとき、ラファウは「多分死にかけでもうろうとしてて、勝手に見えてるだけの幻ですよ」と言った。そもそも、炎が燃え盛る教会に突然ラファウが現れるのは不自然だ。「私を慰めてくれてるのか?」とノヴァクが聞くと、「もちろん。僕はあなたが作り出してる幻ですし」とラファウが答える場面も。

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

ただ、ラファウとノヴァクが最後の対話をしているなかで、落ちてきた木片をラファウがよける描写がある。幻であれば、わざわざよける必要はないだろう。このカットをあえて描くところに、意味を感じてしまう。

また、つづく第24話にて、大人になったラファウが登場した。大人になったラファウは少年期のアルベルト・ブルゼフスキの家庭教師になっており、こちらは幻ではなくたしかに生きているとわかる。

ラファウの生存を一瞬期待してしまう要素がちりばめられているように見える。彼は、『チ。』のなかでも人気キャラクターだ。加えて、ラファウの残した名言はどれも私たちの心を打つものばかりだった。もし生きていたなら、これほどうれしいことはない。本作は意外な展開が多く、死んだはずのキャラクターが実は生きていた展開も十分あり得るように思う。

ラファウはノヴァクが見た幻である2つの理由

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(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会

ラファウが幻である理由は、2つある。1つ目は、姿と時系列がかみ合わないからだ。炎上する教会でノヴァクの前に現れたとき、ラファウは12歳の姿のままだった。第1章から第2章の間に10年、第2章から第3章の間に25年という長い年月が経っていることを考えると、ラファウが少年の姿のままなのはどう考えてもおかしい。

『チ。』はフィクションだが、まるで本当にあった出来事のように錯覚してしまうほどリアルな世界観が特徴の作品だ。生き延びたラファウが、なんらかの理由で少年の姿のまま数十年の時を超えて現れるという現実離れした展開は考えにくい。

2つ目は、ノヴァクのセリフと矛盾するから。幻として現れたラファウとの会話のなかで、ノヴァクは彼の最期についても触れていた。「あのとき、君の選択を見て気の毒に思った」「死を選ぶな」と自死を選んだラファウに“痛み”を感じたことを告白するノヴァク。このセリフから、ノヴァクはラファウの死をしっかり見届けたことが読み取れる。

「もしかしたらラファウは生きているのではないか」と思わず期待してしまうラファウの再登場。しかし、ラファウ自身が言うように、彼は死にかけのノヴァクが見た幻だったのだろう。当時のままの姿から「ありえない」とわかるものの、「『チ。』ならあってもおかしくない」と思わせる面白さが本作にはある。いずれにせよ、ラファウの姿がまた観られたのは、とても大きなサプライズだった。

チ。 ―地球の運動について―
ABEMAでは『チ。 ―地球の運動について―』毎週土曜日夜24時10分より無料独占・見放題最速配信
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/568-32
【(C)魚豊/小学館/チ。 -地球の運動について-製作委員会】


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari