つるまいかだによる漫画を原作とした現在放送中のTVアニメ『メダリスト』。第10話では、舞台は1年後に移り変わり、そこには小学6年生になった結束いのりの姿があった。猛スピードで成長の階段を駆けのぼるいのりは、フィギュアスケートを始める前とは別人のようだ。「私、なんにもない!」と涙を流していた彼女は、もういない。
司はコーチとして信用できない?理凰の“一言”でケンカ勃発
小学6年生になったいのりは、2度目の名港杯で58.19という高得点をたたき出し優勝。バッジテストは5級に上がった。名港杯では、ダブルフリップ、ダブルトゥループ、ダブルループの3連続ジャンプを成功させており、1年前とは見違えるほど成長している様子がうかがえる。
冒頭で前回から1年が経過する展開に、驚いた人も多いだろう。いのりの目標は、全日本ノービスBの金メダリストであるライバル・狼嵜光(かみさきひかる)に勝ち、オリンピックの金メダリストになること。つまり、『メダリスト』は人生をかけて夢に向かっていくいのりの挑戦の物語だ。よって、今後も数年単位で時間が経過する展開がありそうだ。
6級合格に向け、練習に励むいのりと明浦路司(あけうらじつかさ)。そこに、元オリンピック銀メダリスト・鴗鳥慎一郎(そにどりしんいちろう)と息子・鴗鳥理凰(そにどりりおう)がやってくる。慎一郎は、理凰をルクス東山FSCでしばらく見てもらいたいと頼み、司がコーチを担当することに。しかし、理凰は「ヘッドコーチが見てくれないんならやだ」と一蹴した。
理凰といえば、初登場のときにいのりに対して「しゃべんなブスエビフライ!」と言い放っていた。ひねくれた性格で、なんでもはっきり言う少年だ。理凰と再び顔をあわせたとき、汗をダラダラと流すいのり。一方、理凰は「誰?あんた」といのりのことを覚えてもいない。
相性が合わないように見えるいのりと理凰は、ケンカになってしまう。理凰が司の経歴に対して疑問を持ち、「あんた、上目指す気あるなら今からコーチ変えたら?」と言うと、いのりは顔を真っ赤にして反論。「理凰君よりも私が先に3回転、2回転のコンビネーションジャンプを降りる」「そして、司先生がすごいって証明するから!」本気で言ういのりに、理凰は思わずたじろぐ。
いのりが激しく怒ったのは、司を尊敬し、なによりも信頼しているからこそだ。自分のためにこれほど怒ってくれるいのりは、司にとってまちがいなく大切な教え子だ。本作で垣間見える2人のかたい師弟関係がまぶしく、尊い。
「何もない子から運動ができる子に」スケートを通して“急成長”したいのり
ケンカした夜、いのりは司に“できるようになったこと”をいくつも話した。去年から身長が4cmも伸びたこと、体力テストの結果がよく、学年で5番以内になり褒められたこと……。「何もない子から運動ができる子になったんです!」と熱弁し、なんと土の上でダブルアクセルを跳んで見せた。
「何もない子から運動ができる子になった」といういのりのセリフに対してSNSでは「パワーワード」「目頭が熱くなった」「成長がすごい!」「金メダルにも届くよ、きっと」「刺さる」との声があがった。
いのりは、胸を張って得意だと言えることがない少女だった。学校の成績もよくなく、同級生からは邪魔者扱いされていたほど。「私、なんにもない!」とボロボロ涙を流していた第1話。そんないのりが、「ダメじゃない部分がある自分になりたい」と願って始めたのが、フィギュアスケートだった。
そして今、いのりは驚くべきスピードでバッジテストの5級に合格し、運動ができる子へと大きく変化した。第1話からの成長具合に、胸が熱くなる。
第10話についてSNSでは「熱すぎます!!!」「有り得ないくらい成長してた」「急展開すぎて、数話飛ばしちゃったかどうか確認してしまった」「急激な成長に愕然」との声が。描かれなかった1年の間にも、いのりが練習を積み重ね、成長してきたことをひしひしと感じる回となった。
メダリスト
ABEMAにて毎週木曜26時より無料放送
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
[番組URL]https://abema.tv/video/title/25-279
【(C)つるまいかだ・講談社/メダリスト製作委員会】
ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari