「1番過酷な競技」「才能があってもダメ」フィギュアスケートをするうえで切っても切れない“辛い現実”とは？『メダリスト』

2025.2.20

つるまいかだによる漫画を原作とした現在放送中のTVアニメ『メダリスト』。第6話では、主人公・結束いのりのコーチ・明浦路司（あけうらじつかさ）の過去が描かれた。これまで司が歩んできた道のりは、フィギュアスケートというスポーツの厳しさを物語っている。だが、そんなくるしい状況のなかには、“奇跡的”ともいえる出会いの数々があった。

司がぶちあたったフィギュアスケートの「お金」と「年齢」問題

いのりにとって初めての大会である名港杯が終わった夜。「先生もスケート始めたの遅かったんですか？」といのりに尋ねられ、司は自分の過去について語り始める。

司が14歳のとき、テレビで夜鷹純（よだかじゅん）の滑りを見てあこがれを抱き、スケートを始めようとする。しかし、司はすでに中学生のうえに、スケートはたくさんのお金がかかるスポーツだ。兄弟の多い司は、とても親に頼める金額ではなかった。そのまま高校に入り、スケートをあきらめかけていた司。

そんなある日、司はバス停で出会った加護芽衣子を助ける。芽衣子を助けたのがきっかけで、司は彼女の旦那である加護耕一の会社でバイトするように。年齢とお金の問題でクラブには入れないものの、バイト代のおかげでなんとか団体のスケート教室に通えるようになった。

加護家の応援を受けつつ、恩返しのためにも努力を続ける司。だが、彼は高校卒業と同時にバイトを辞め、就職しようとする。司が20歳になったころ、アイスダンスの選手としてなら見るというコーチが現れた。

現在はルクス東山FSCのヘッドコーチを務める高峰瞳とパートナーを組み、練習を積み重ねる司。ただ、またしてもお金の問題によって続けるのが難しくなってしまう。シューズのブレードを新調し、一瞬でお金が飛んでいったことに司が落ち込む場面も。そんなある日、司は芽衣子と再会。芽衣子と娘の加護羊の面倒を見るかわりに、加護家の援助を受けることになる。その結果、アイスダンスで全日本選手権に出場できたのだった。

スケートやアイスダンスを続けるうえで何度も金銭的な問題にぶつかった司に対してSNSでは「お金がないと辛いし大変だよね」「フィギュアとお金、切っても切れない問題」「やっぱり年齢とお金の壁にぶち当たるんだな」「1番過酷な競技」「フィギュアはお金がかかる世界なのだ！才能があっても普通の人間ではダメなのだ」との声があがった。

奇跡的な出会いは司の人柄のおかげ？

司が自身の過去を語っているとき、いのりは何度も宝くじに当たった展開を想像していた。しかし、司は宝くじではなく、加護家との出会いのおかげでスケートやアイスダンスを続けることができた。

コーチとして働く今の司があるのは、加護家や瞳、いのりとの“出会い”のおかげといっても過言ではない。いつもお金にこまっていたが、そのたびに司を救ったのは人の力だった。

司の奇跡的ともいえる出会いの数々についてSNSでは「いのりと出会ったのはまさに宝くじ級の幸運かも」「頑張る姿が人に与える希望の物語に感涙」「宝くじよりすごい偶然」「宝くじが当たるより加護家と出会ったことが奇跡」との声があがった。

司は運がいい。その強運は、彼自身の人柄や努力が呼び寄せたものではないだろうか。芽衣子を助けたり、年齢の壁にぶちあたっても必死に練習を重ねたり……。熱血で努力家な司は、人を惹きつける魅力のあるキャラクターだ。アイスダンスの全日本選手権に出場した実力だけでなく、“人に好かれる才能”も持ちあわせているのかもしれない。

第6話に対してSNSでは「超面白かった」「心だけじゃなくて全身で感動しちゃうよ」「ボロ泣きしとる」「会社の昼休みにメダリスト見て号泣もう仕事できん」「ハマりすぎてOP見ただけで泣きそう」との声が。掘り下げられた司のエピソードによって、さらにキャラクターの愛着がふくらんだ回となった。

メダリスト
ABEMAにて毎週木曜26時より無料放送
放送後1週間、最新話を無料で視聴できる。
［番組URL］https://abema.tv/video/title/25-279
【(C)つるまいかだ・講談社／メダリスト製作委員会】

ライター：まわるまがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X（旧Twitter）：@kaku_magari