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ガンダムシリーズ屈指の迫力と“まさかの絶望感” 初心者でも観やすい、衝撃の異色作

  • 2025.3.11

4月8日からTVシリーズの放送がスタートする『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の劇場先行版を観て、『機動戦士ガンダム』に興味を持った人も多いはず。しかし、『ガンダム』シリーズは膨大な種類と話数があるため、初心者にとって少しとっつきにくいと感じやすい作品でもある。そんな人でも楽しめるのが、Netflixにて世界独占配信されているオリジナルアニメ『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』だ。

初心者でも観やすい『復讐のレクイエム』の魅力

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Netflixシリーズ『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』独占配信(C)創通・サンライズ

『復讐のレクイエム』は、『ガンダム』シリーズの第1作である『機動戦士ガンダム』の舞台にフォーカスを当てている。「初代ガンダム」や「ファーストガンダム」とも呼ばれる第1作は、「宇宙世紀」という世界観のなかのひとつだ。もうひとつ「オルタナティブシリーズ」という「宇宙世紀」以外の世界観設定の作品群があり、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』や『機動戦士ガンダムSEED』などが当てはまる。

前後のつながりを気にせず観られるため、「オルタナティブシリーズ」のほうが初心者にとって圧倒的に観やすい。ただ、本作は『機動戦士ガンダム』第1作を舞台にしつつも、登場する機体の種類やデザインなどの一部が本筋と矛盾しているため、パラレルワールド設定だと受け取れるだろう。そして、他の「宇宙世紀シリーズ」ほど前後のつながりや深い知識を必要とせずに楽しめる魅力がある。

美麗かつ見応えたっぷりの“戦闘シーン”

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Netflixシリーズ『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』独占配信(C)創通・サンライズ

本作の大部分を占める、アクションシーン。美麗な映像で繰り広げられる戦闘は迫力があり、建物や燃え盛る炎は本物のよう。また、リアリティにこだわったゲームのような映像の質感も目を引く。本作はゲーム開発などで知られる「Unreal Engine 5」を使って制作されている。これが、リアルなゲーム世界のようなビジュアルを実現させている理由だろう。

キャラクターの表情や動きは、少しぎこちなさを感じる。だが、リアルな映像の影響でアニメではなく実写作品と比べてしまい、動きがかたく感じる側面もあるように思う。しかし、ガンダムやザクといったモビルスーツの戦闘は見ごたえたっぷり。『復讐のレクイエム』はスマホやタブレットでも気軽に視聴できるが、できれば大画面で観たい作品だ。

ジオン軍視点だと絶望?ガンダムの強さが“恐怖”に

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Netflixシリーズ『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』独占配信(C)創通・サンライズ

本作のもうひとつの見どころは、ガンダムが“恐怖の対象”として描かれている点だ。『復讐のレクイエム』では、ジオン軍に所属するレッド・ウルフ隊の隊長であり主人公でもあるイリヤ・ソラリが立ち向かう敵としてガンダムが描かれている。

味方としてのガンダムは心強いが、敵にするとなると話は大きく変わってくる。ザクを一撃で倒すビーム兵器や、燃料タンクを爆発させても傷がつかない頑丈な装甲。ザクと比べて動きも速く、味方はガンダムによって次々に倒されていく。ガンダムの凄まじい強さが、そのまま恐怖と絶望に変わる。

作中で、「白い悪魔」と呼ばれているガンダム。その異名はぴったりで、ジオン軍から見たガンダムの恐怖をよく表している。暗闇の戦闘シーンが多く、ガンダムの赤く光る眼光が不気味だ。「ガンダムに乗って戦う」という視点が「ガンダムと戦う」に変わったことによって、また違った面白さが生まれている。

本作は、『機動戦士ガンダム』を観ていたほうがより深く理解できるが、初心者でも問題なく楽しめる作品になっている。アニメというより、戦争映画を観ている感覚に近い。必要な前知識として、『機動戦士ガンダム』において地球連邦軍は味方側、ジオン軍は敵側であることはおさえておきたい。また、「スペースノイド」や「ニュータイプ」といった用語の意味も、事前に知っておいたほうが話を理解しやすいだろう。

『復讐のレクイエム』は、1話30分を切る長さで全6話ということもあり、さっくりと観られる。初心者からするとすこしとっつきにくいイメージがある『ガンダム』シリーズだが、手始めに本作から観てみるのも面白いかもしれない。

『機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム』
[配信]Netflixにて独占配信中
(C)創通・サンライズ


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari