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夏のドライブの救世主!?日産自動車がクールな塗料を開発

  • 2024.8.28
真夏日は車での移動も大変 takeuchi masato / PIXTA(ピクスタ)
真夏日は車での移動も大変 takeuchi masato / PIXTA(ピクスタ)

もうすぐ9月ですが、まだまだ暑い日が続きますね。日中は玄関の前で一度「えいっ」と気合いを入れないと、とても外に出られません。

そんななかでも、子どもの送り迎えや食品の買い出しに、欠かせないのが車移動。こんなに暑い日が続くと、車での移動でさえも億劫になりますよね。

年々暑さも増していく中で、私たちの救世主になりそうなものを開発しているのが日産自動車です。同社は放射冷却製品の開発を専門とするラディクール社と共同で「物体の温度上昇を抑制する塗料」の実証実験を行いました。

現在も日本航空ビルディング協力のもと、羽田空港にてANAエアポートサービスが使用している車両で実証実験を実施中です。

この塗料、なんと、夏場の直射日光により車の室内温度が過度に上昇することを防いでくれるというから驚きです。その効果により、エアコン使用時のエネルギー消費を削減できるため、実用化となれば私たちの暮らしに大きなメリットをもたらしてくれること間違いなし。

日産自動車の開発担当者・三浦さんは、こう話します。

三浦進さん

今回の開発をスタートしたのは、2021年の10月。日産車両に使用する塗料としての品質基準を考慮し、現在も自動車用の塗装開発中です。

「物体の温度上昇を抑制する塗料」の実証実験
「物体の温度上昇を抑制する塗料」の実証実験

実証実験の内容としては、以下を評価基準に進めていますが、結果として通常塗装車両と比較して、車両のルーフパネル部分(車両天井の表面部分)で12℃低くなる効果が得られました。

<実証実験の内容>

・温熱の評価

・自動車用としての耐久性の評価

・日産のクリアコートを上から塗装しても、温熱・塗膜が変化しないことの確認

日本航空ビルディング協力のもと、羽田空港にてANAエアポートサービスが使用している車両で実証実験を実施中
日本航空ビルディング協力のもと、羽田空港にてANAエアポートサービスが使用している車両で実証実験を実施中

実際に真夏の炎天下に置かれた、自己放射冷却塗装仕様の自動車と通常塗装の車両とを比較した場合では、ボンネット部分の表面温度で8℃の差がありました。

特に車体を手で触れてみると、その違いに驚かされます。ご想像通り、通常塗装の車両は長く触っていられないくらいの熱さ。それに比べ、自己放射冷却塗装仕様の車両は手のひら全体をつけることができるくらいの温度です。

今後、実用化を目指すにあたって課題になるのは塗膜の薄さ。まずは特装車での実用を検討しているそうで、市販される車にも展開できるよう鋭意開発中とのこと。

わたしたちが日常使いする車に採用される日が、今からすごく楽しみですね!

文=永田涼子

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