1. トップ
  2. 恋愛
  3. 「30歳で結婚。35歳までに2人出産」完璧な人生プランが、ある日崩れたら? ドラマ『30歳目前、人生設計狂いました』主演の石川恋さんに聞く

「30歳で結婚。35歳までに2人出産」完璧な人生プランが、ある日崩れたら? ドラマ『30歳目前、人生設計狂いました』主演の石川恋さんに聞く

  • 2024.8.28

FOD×BUMPの共同制作ドラマ『30歳目前、人生設計狂いました』が公開中です。スピード感のある展開で、結婚直前の相手の浮気、同性からの嫉妬、毒親との関係など、衝撃的なシーンが次々と描かれる本作。“30歳目前”の焦りや迷いとどう対峙していくか、主人公の莉乃を演じた石川恋さんに聞きました。

女性の人生は「消費」されるもの?

本作は、フジテレビが運営する動画配信サービス・FODと、ショートドラマ配信アプリ・BUMPとの連動企画。それぞれで配信される動画のストーリーが、互いを補い合う展開になっています。

石川恋さん演じる矢崎莉乃は、広告プランナーとして働く29歳。同じ会社の若き社長である江原遼(永田崇人さん)と婚約中です。

ところが、30歳の誕生日を目前に、彼の浮気が発覚。30歳までには結婚、35歳までに子ども2人を出産、と計画を立てていた莉乃は、自分が描いていた人生設計と、彼を許せない気持ちとの間で迷い、心揺れます。

そんな莉乃の持論は「女の消費期限は30歳」なのですが……。

石川恋さん(以下、石川): 「女の消費期限は30歳」って……いやな言葉ですよね(笑)。人に対して「消費」という言葉を使うなんて。でもたしかに、年齢を重ねていくことで“商品価値がなくなっていく”ような見方は、社会にはいまだに根強くあります。私もSNSに「20代のときに比べたら劣化した」と書かれたことがありました。

今年31歳になりましたが、自分でも年齢を感じることは正直あります。メイクさんに頻繁に目もとを直してもらうと、「あれっ、ひょっとして目元にたるみやシワがあるのかな? 20代のときにはなかったのに」などと気になってしまうことも(笑)。でも、たとえシワがあったとしても、それは積み重ねてきた経験の証ですからね。

朝日新聞telling,(テリング)

一方で「30代になってから魅力的になったね」と言ってくれる人も、います。誰かが決めた年齢の線引きにとらわれて、自分が「消費」されてしまうのは、あまりにもったいない。今の自分をちゃんと見つめてくれる人の言葉に、耳を傾けていたいです。

同性同士の嫉妬と、どう向き合うか

ドラマの中で莉乃は、やがて年齢をめぐる固定観念に抗おうと葛藤します。そんな莉乃を嘲笑うように若さをひけらかし、莉乃から彼を奪おうとする浮気相手の佐藤彩(木村葉月さん)。

また、味方のように見えて莉乃に嫉妬する友人がいるなど、女性のダークな部分も印象深く描かれています。

石川: ドラマの彩のように、自分の近しい人や大切な人を奪おうとしてくる女性がいたら……いやですね。実際に遭遇したことはないけれど、けっして寛容ではいられないと思う。

ただ、人と自分を比較してしまう気持ちや嫉妬心は、わからなくはないです。私も俳優やモデルの仕事をさせていただくようになり、はじめの頃は人と自分を比べてしまっていた時期がありました。

知人の活躍を見て「あの人、このドラマに出ているんだ。素敵だな」と思っていたのに、いつの間にか「あの人は選ばれて、私は選ばれなかったんだな」と暗い気持ちに変わってしまったことも。

でも、あるとき、誰かと自分を比較し続けても疲れるだけだなと思ったんです。私は、相手の活躍を素直に祝福できるような自分でいたい。だから誰かと比べるのではなく、自分が頑張ることによりフォーカスするようになりました。そうしたほうが楽だし、ありたい自分でいられる。人は人、自分は自分、と今は考えています。

朝日新聞telling,(テリング)

人生設計どおりにはいかない。想像外のいいことも

数々のトラブルに、力強く立ち向かっていく莉乃。BUMPではショートドラマならではのスピーディーな展開、FODではじっくりとその背景が別角度から描かれます。やがて、たとえ自分の決めた「人生設計」が狂っても、また立ち上がれると思えるような作品になっています。

石川: 私は莉乃とは違って、もともと人生設計のようなものを、強く持っているタイプではないんです。大学生活の途中から今の仕事を始めたのですが、そのことも以前は想像だにしていませんでした。

自分の思った通りにはいかないし、同時に、想像もできないくらいのいいことも起きる。だから「決めても、その通りにいかないのが人生」くらいに思っていれば、きっと人生設計が崩れた瞬間も乗り越えられるんじゃないかな。

朝日新聞telling,(テリング)

●石川恋(いしかわ・れん)さんのプロフィール
1993年生まれ。栃木県出身。19歳のときにスカウトされデビュー。以降、俳優・モデルとして活躍。主な出演作に、映画『マスカレード・ナイト』『劇場版 アナウンサーたちの戦争』、ドラマ『猫カレ -少年を飼う-』『さっちゃん、僕は。』などがある。

■『30歳目前、人生設計狂いました』
監督:権野元
脚本:BUMP版/井本智恵 FOD版/林青維
主題歌:Furui Riho「青信号」(LOA MUSIC)
プロデューサー:木高颯子/島袋響(emole)/平体雄二(スタジオブルー)/山咲藍(スタジオブルー)
コンテンツプランナー:澤村里紗(emole)
エグゼクティブプロデューサー:下川猛/澤村直道(emole)
制作プロダクション:スタジオブルー
製作:emole
制作著作:フジテレビ

FOD配信ページ:
BUMPアプリダウンロードページ:

■塚田智恵美のプロフィール
ライター・編集者。1988年、神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後ベネッセコーポレーションに入社し、編集者として勤務。2016年フリーランスに。雑誌やWEB、書籍で取材・執筆を手がける他に、子ども向けの教育コンテンツ企画・編集も行う。文京区在住。お酒と料理が好き。

■慎 芝賢のプロフィール
2007年来日。芸術学部写真学科卒業後、出版社カメラマンとして勤務。2014年からフリーランス。

元記事で読む
の記事をもっとみる