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『ビートルジュース ビートルジュース』山寺宏一ら声優陣が史上初の“全身吹替”に挑んだ吹替予告公開

  • 2024.8.28

ティム・バートンの監督最新作『ビートルジュース ビートルジュース』(9月27日公開)の日本語吹替版の上映が決定。声の出演を果たすキャスト陣の情報と“全身吹替版”予告が解禁された。

【写真を見る】山寺宏一が吹替えを務める主人公ビートルジュース

本作は、ティム・バートンワールドを世に知らしめた原点の一つとも言える『ビートルジュース』(88)の35年後を描くホラーコメディ。ディズニースタジオのアニメーターとしてキャリアをスタートさせたバートンは、30歳の若さで『ビートルジュース』を監督し、自身初の全米初登場No.1を獲得した。4週連続No.1、11週連続TOP10入りの大ヒットを記録し、第61回アカデミー賞メイクアップ賞を受賞。名実共にハリウッドのヒットメーカーの仲間入りを果たすと、ビートルジュース役のマイケル・キートンと再びタッグを組んだ『バットマン』(89)で一気にその名を世界に轟かせた。

キャストは、前作から引き続き主人公ビートルジュースを演じるキートンに加え、キャサリン・オハラがリディアの母親デリアを演じ、当時16歳だったウィノナ・ライダーが娘を持つ母親になったリディアを演じる。最新作のキャストで最も注目すべきは、リディアの一人娘アストリッドを演じるジェナ・オルテガ。本作では「ウェンズデー」に続き、再びバートン監督とタッグを組み、ハロウィンの夜に死後の世界に囚われてしまう物語のヒロインを演じる。そして、物語のカギを握るもう一人は、ビートルジュースの元妻ドロレスを演じるモニカ・ベルッチ。バートン作品初出演にして、バラバラにされた身体をホッチキスで全身をつなぎ合わせた、まさにティム・バートンワールドを体現したキャラクターを演じる。そのほか、リディアの婚約者ローリーをジャスティン・セロー、ドロレスと共にビートルジュースを追うウルフをウィレム・デフォーが演じる。

このたび解禁されたのは吹替版のキャスト陣。ビートルジュース役を山寺宏一、リディア役を坂本真綾、ドロレス役を沢城みゆき、そして幽霊や死後の世界を信じていないリディアの娘アストリッド役を伊瀬茉莉也、アストリッドに出会い、人生が一変。ハロウィンの夜に大騒動を起こしてしまう近所に住むミステリアスな青年ジェレミー役を小林千晃、オカルト番組「ゴーストハウス」のプロデューサー兼リディアのマネージャーを務めるローリーを森川智之、なぜかビートルジュースを追っているウルフ役を山路和弘、リディアの母で、奇抜なものが大好きなアーティストのデリア役を戸田恵子が務めることが明らかになった。さらに、この豪華声優陣は日本語吹替えを担当するにとどまらず、その姿形まで完全にキャラクターに変身する史上初の“全身吹替”に挑み、まさに全身全霊でティム・バートンワールドに飛び込んだ。

画像左上でマイク前にどっしり構えるのはキートン演じるビートルジュースと思いきや、真っ白な顔面に苔を生やし、緑の髪、シマシマスーツを着こなした山寺。山寺は、事前に石膏で顔の型取りに4時間、当日の特殊メイクには4時間半という大がかりな準備のもとで全身吹替に挑み、お調子者のビートルジュースを山寺らしい明るさをたずさえ、怪しくも愉快な表情を見せている。そんな山寺“ビートルジュース”宏一の右には、リディアの独特なヘアスタイルでマイクに向かう坂本“リディア”真綾。彼女のいつもの美しいヘアスタイルを作り上げるヘアメイクと特殊メイクチームが共同作業でウィッグを作り、前髪の束感、跳ね具合にミリ単位の調整を重ねた。その右にはそばかすメイクの伊瀬“アストリッド”茉莉也。同じひまわり柄の生地が市販でなかったため同模様をゼロから起こして作られたワンピースを着こなしている。

中段左に位置する戸田“デリア”恵子は、赤髪のウィッグをさらにヘアカラーとカットで加工するこだわりよう。デリアのキャラクターが垣間見える少し不遜で澄ました微妙な表情まで戸田は完全に再現。中段右にはクラシカルだがどこか胡散臭い出立ちの森川“ローリー”智之。森川のトレードマークでもある前髪とメガネを封印した貴重なオールバック姿にも注目だ。はめている指輪が独特な形のため3Dプリンターを駆使して作られたものになっている。

下段左には山路“ウルフ”和弘。側頭部が削げ落ちた脳みそ丸出しの特殊メイクのため、山路も事前に石膏で型取りを行い、特殊造形により作られた脳みそを4時間かけて頭につけて挑んだ。その右には小林“ジェレミー”千晃。ヘアスタイルの膨らみ具合、カールのボリュームなど並々ならぬこだわりのもとキャラクターを再現した。そして下段右にはバラバラになった体をホッチキスでつなぎ合わせている沢城“ドロレス”みゆき。“全身吹替”に際し、指の先からつま先までの細部にわたる全身採寸で沢城のためだけに作られた世界でただ一つの美しい黒いウェディングドレスを纏い、額、頬、鎖骨まで這わせられたホッチキスがキラリと光るドロレスに見事に変身した。

なお本編は公開前のため解禁されている予告編と場面写真だけを頼りに、生地から制作した衣装もあり、オリジナルと寸分違わぬ衣装、ヘアスタイルが作られた。またいくつかのアイテムはキートンやオハラが実際に撮影で使用したものと同じアイテムを海外から取り寄せるなど、制作陣の並々ならぬ労力と愛情と、声優陣のその想いに応えたいという気持ちが生んだ唯一無二の全身吹替となった。

あわせて解禁となった全身吹替版予告では、ビートルジュースをはじめ一癖も二癖もあるキャラクターたちが続々登場。山寺が声を枯らしながらアフレコに臨んだという、ビートルジュースの生き生きとした演技も垣間見ることができるほか、ビートルジュースに翻弄される坂本、森川、沢城、伊瀬、山路らの声も聴くことができる。

史上初の全身吹替として体当たりで役に挑んだ超一流声優陣の熱演を、ぜひ映画館で堪能してほしい。

<コメント>

●山寺宏一(ビートルジュース役)

「全身吹替と聞いたときに『どういうこと?大変だろうな』と思ったのですが、本当に大変でした!通常のアフレコの何十倍もの時間、人手、手間がかかっています。支度時間が4時間というスケジュールは初めてでしたし、事前の石膏の型取りはもっと時間がかかっています。元々、自分ではない誰かになりたいという思いもあり声優をやっている部分もあるので、いい思い出になりましたし、とても細かいところまでこだわって作っていただけて嬉しいです。ビートルジュース演じるマイケル・キートンさんが声を作り込んで演じられているので、私もかなり作り込み、声を枯らして頑張りました。洋画吹替のお仕事はアニメ声優とまた違う醍醐味があるので、ぜひ注目してください。ここまでやったので、お願いだからバズってくれ!」

●坂本真綾(リディア役)

「ハロウィンがいままで以上に身近な行事になってきたところだったので、こういった扮装をするのも『いまなら楽しめるかな』と思い、全身吹替をやらせていただきました。本当に一生に一度の経験です。一見怖そうに見えますが、優しい部分もある繊細なリディアを表現できたらと思っています。『ビートルジュース』は小学生の時に初めて観て、レンタルビデオで何回借りたかわからない大好きな作品です。ウィノナ・ライダーさんは本当に大好きな俳優さんなので、まさかこうして年月を経て、自分が関われるとは思わなくて本当にビックリしましたし、嬉しかったです」

●沢城みゆき(ドロレス役)

「最初は所謂コスプレするような感じなのかなと全身吹替版について捉えていたのですが、ハリウッドと同じクオリティでキャラクターを再現したい旨を聞き、喜んで参加させていただきました。メイク中は、ペタペタしたりソフトタッチもあればゴニョゴニョしたものが伸ばされている感じや美術室の匂いがしてきたりと、とても五感が忙しい4時間で、仕上がるのが楽しみでした。こんなに近寄って自分のことを見て欲しいと思うのは初めてです。一つ一つメイクで傷が増えていくと、どんどんドロレスに気持ちが寄って行くような気がしました」

●伊瀬茉莉也(アストリッド役)

「初めは、全身吹替とは何だろう?とまったくイメージが掴めていなかったです。衣装もヘアメイクもそのままアストリッドに変身して、そばかすもメイクで入れているのがポイントです。姿形からキャラクターに挑むのは声優人生初のことだったのでとても楽しかったです。ティム・バートン監督の世界観がここぞとばかりに詰め込まれたハロウィンの夜にふさわしいホラーコメディ映画なので、ワクワクしながらアフレコさせていただきました」

●小林千晃(ジェレミー役)

「全身吹替の方々が錚々たる面々でしたので、そこに僕が参加させていただけるなんて本当に夢のようで光栄な気持ちでいっぱいです。ここまでキャラクターになりきるのはなかなか無いことなので、役が憑依したような、これまでにない感覚でお芝居できた素晴らしい経験でした。ジェレミーはこの作品のキーになるキャラクターだと思っていて、僕自身『どうなっちゃうの!?』とワクワクしながら演じました。ティム・バートン監督にしか出せないダークな雰囲気と、それ以上に賑やかで楽しい魅力が溢れた作品です」

●森川智之(ローリー役)

「ティム・バートン監督並みのぶっとんだ発想の全身吹替企画だと思っています。それに乗っかって楽しく撮影させていただきましたし、私のトレードマークでもある前髪とメガネを取っ払ってしまったという意味でも面白かったです。ティム・バートン監督作品だからこそ実施できた企画だと思いますし、彼にしか表現できない唯一無二の世界に参加できたことが光栄です。とても賑やかで楽しい映画になっていて、全身吹替版の声優陣もとても豪華な作品なので、ぜひ字幕版、吹替版の両方を楽しんでいただければと思います」

●山路和弘(ウルフ役)

「とんでもない現場に来させていただきました。全身吹替の特殊メイクにあたり、事前に型取りもして、当日は4時間かけて支度をするなど、アフレコをしている時間が一番短かった気がします。こんな経験はもちろん初めてでしたが、ここまでやるのか!?という驚きと楽しみがありました。頭からお尻までティム・バートンワールド全開な物語です。ウィレム・デフォーが演じるウルフを、私も楽しくアフレコをさせていただきました。ウルフのラストシーンにはぜひご注目ください」

●戸田恵子(デリア役)

「全身吹替と聞いて、それくらい気合いを入れたいということなんだと解釈して挑みました。舞台でもウィッグを被ることはよくあるので、私自身は違和感なく演じることができました。アニメでは役に寄せた衣装やヘアメイクをすることもあると思うのですが、洋画でここまでやるのは初めてのことです。ティム・バートンの世界観が全面に出ているので、とても楽しい作品になっています。私が演じたデリアは、感情がころころ変わる役柄で、叫んだと思ったらフッと戻ったりしたりと、非常にやりがいもあり、面白く演じさせていただきました」

文/スズキヒロシ

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