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「一緒に仕事できるのが嬉しい。ME:Iには直接言わないですけど(笑)」YUMEKIがME:Iに出会って人生が変わったと語る、ダンサーとしての未来図とは〈インタビュー〉

  • 2024.8.27

ダンサー・振付師として活動するYUMEKIさん。これまでEXO、ITZYなど有名なK-POPアーティストの振り付けに参加してきた。さらに2023年に行われたオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』にダンストレーナーとして出演し、一躍有名に。ステージの際には「YUMEKI」のうちわを持ったファンも現れるなど、脚光を浴びた。

そんな彼がこの度ファーストフォトブック『ON STAGE』(双葉社)を出版。これまで見せたことのない素顔、ME:Iとのエピソードも明かされるインタビューなど、ここでしか見られないYUMEKIさんが詰まった一冊だ。本記事では出版記念イベントとして行われたインタビューの様子をお届けする。

――『ON STAGE』刊行のお話を聞いた時はどう感じましたか?

YUMEKIさん(以下、YUMEKI):夢のようでした。ダンサー・振付師がフォトブックを発売するということは今までなかったのですごく光栄に感じましたね。撮影も僕自身が好きな場所や故郷である横浜で撮っていただいて。衣装も僕のお気に入りの服やスタイルですし、まさに僕の好きが詰まったフォトブックになったと思います。

――タイトルの『ON STAGE』にはどんな思いが込められているのでしょうか?

YUMEKI:日本においてダンサーは一般的にアーティストの後ろに立ちがちというか、そういう認識があると思うんです。そこで「ダンサー・振付師がどこまでステージに上がって、どこまでスポットライトを浴びられるか」というのは自分自身挑戦したかったところで。ダンサーでもお客さんの前に立てるんだよ、というのを僕が表に出る活動をすることでたくさんの方にお伝えできたらという思いがあって、このタイトルにしました。

――今回撮影される側であったように、表に出る活動には緊張感がありますか?

YUMEKI:そうですね、普段踊る時も緊張しますが、それとはまた違った緊張感があります。今も緊張しています(笑)。でもそういう時間も楽しいですね。また違う自分が発見できたり、普段とは違う出会いもあったりして。この歳になって新しいものに出会うことってなかなかないので、毎日新鮮で楽しめています。

――いつもとは違うYUMEKIさんの表情が印象的でした。

YUMEKI:いつもの現場では見せていない表情に注目してほしいですね。僕「感情が読めない」とよく言われるんですよ。僕自身も感情を表現することってあまりないなと感じていて。表情を出すこともフォトブックで挑戦したいことのひとつだったので、自分が普段しない表情に挑戦しました。普段の僕を知っている人は驚くと思いますね。

――今回インタビュー部分では『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』、ME:Iさんたちのお話もされています。放送では描かれていなかった、練習生たちへの温かい視線が印象的でした。

YUMEKI:僕自身、一昨年サバイバル番組(『STREET MAN FIGHTER』)に出演させていただいたんです。この番組はプロダンサーの番組なのでアーティストデビューを目指す『PRODUCE~』とはまた違いますが、その時の記憶がフラッシュバックして。練習生が葛藤したり悩んだりしている姿が、自分が番組出演中に葛藤したり悩んだりしていた姿と一致したんですよね。

そこに共感しつつも、プロを目指す彼女たちだからこそ「プロの世界は難しいんだよ」というのも教えてあげたくて。だから厳しい面もたくさんあったと思います。でも今デビューした彼女たちを見ていると、間違っていなかったというか、やってよかったなと思います。自分がかけた言葉が少しでも彼女たちのプラスになっていたらいいなと思いますし、今人間としてもパフォーマーとしても成長した彼女たちを見ていると、自分の子を見ているような気持ちになりますね。

――ME:Iの1st、2ndシングルともに振り付けを担当されていて、今も関係は続いていると思います。デビューした彼女たちと、今はどんな関係を築いていますか?

YUMEKI:もう彼女たちはプロなので、アーティスト同士ですね。今でも教える立場ではありますが、同じ目線に立って、彼女たちの意見を尊重することを意識しています。僕自身彼女たちにプロとしてのリスペクトはすごく持っていますし、一緒に仕事できるのが嬉しい。これからもいい関係を築けたらいいなと思っています。本人たちに直接は言わないですけど(笑)。

――反対に、彼女たちから教えてもらったこともありますか?

YUMEKI:ありますね。彼女たちを見て「人間ってすごいな」と思ったことがあって。サバイバル番組って誰かと比較される環境で自分を発信して、パフォーマンスしていかなきゃいけない。そんな中で、人間って追い込まれたら追い込まれた分だけ眠っていた力というか、本来の力以上のものを発揮するんだなと感じて。そして年齢も性別も関係なくチャレンジって誰にでもできるんだなと彼女たちを見て感じました。なので彼女たちに出会ってから、自分の仕事も「もっといけるな」と思えるようになりました。僕はプロになって長いのですが、「初心の気持ちって大事だな」と改めて思わせてもらいましたね。

――ME:Iのみなさんにはもう写真集を渡しましたか?

YUMEKI:まだなんです。でも反応はなんとなく想像できるというか(笑)。あの番組で彼女たちの人生は大きく変わったと思いますが、僕自身も彼女たちと出会って人生が変わったと思っていて。いい影響を与え合える仲なのかなと思っているので、今度直接渡したいですね。

――YUMEKIさんの今後の展望を教えてください。

YUMEKI:ダンサー・振付師というジャンルにとらわれず、枠にはまらない活動に挑戦したいです。今回のフォトブックもそのひとつですが、これって僕自身のためでもあるけど、誰かの後押しにもなると思っていて。「この人こんなこともやっているんだ」と見せることで、「周りの反応なんか気にしないで、自分のやりたいことをやっていいんだ」と思ってもらえたらいいなと思っています。

だからこの本もダンサー・振付師になりたい若い子にも手に取ってほしいですし、僕自身もやれることじゃなくて、やりたいこと、気持ちが揺れることに挑戦していきたいと思っています。「今からじゃ遅い」とか、「誰もそんなことやっていない」と思われることを逆にやりたいですね。それが誰かの後押しになると思うので。

なお、YUMEKIさんにまつわるショートドキュメンタリームービーも近日公開予定。ダンスとの出会いから単身で飛び込んだアメリカ留学、ダンス・振り付けへの想いまで秘蔵映像とともに綴られる。そしてその中には『PRODUCE~』にも同じくダンストレーナーとして登場した仲宗根梨乃さんも出演。そんな仲宗根さんについてもお話を伺うと、

YUMEKI:梨乃さんとは僕が15歳、ダンサーになる前に振付師としてご指導いただいたのが出会いでした。それからずっと僕の成長を見守ってくれた師匠のような方です。いつも明るく相談に乗ってくれて、このフォトブックの発売について知らせた時、「おめでとう。忙しいのはわかってるから無理するなよ」とお母さんのような声をかけてくれました(笑)。そんな僕にとって特別な存在なので、今回ムービーで誰かにインタビューを、となった時は真っ先に梨乃さんが浮かんだんです。僕自身ががむしゃらで相対化できていなかった時代もずっと見てきてくれているので、いろんなお話をしてくださいました。

とのこと。少し緊張しながらも記者からの取材に真摯に答えてくれたYUMEKIさん。彼自身についてからダンサー業界への展望まで、多くのことを語ってくれた。

文=原智香、撮影=金澤正平

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