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壮絶な演技合戦…二宮和也に負けずとも劣らない存在感を見せたキャストは? 『ブラックペアン シーズン2』第7話考察レビュー

  • 2024.8.27
日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』第7話より©TBS

二宮和也主演の日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)が放送中だ。前作から6年後を舞台に、東城大学医学部付属病院に現れた、“悪魔”のような世界的天才外科医・天城雪彦の活躍を描く。今回は、第7話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』第7話より©TBS

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』第7話より©TBS

【写真】二宮和也に匹敵する存在感…城田優ら魅力的なサブキャストたちの劇中カット。日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』劇中カット一覧

第7話は、いつにもまして利権やお金にまつわる血生臭い駆け引きが行われた回となった。前回、日本一の自動車会社・ウエスギモータース会長の上杉歳一(堺正章)の緊急手術を途中で中断した佐伯(内野聖陽)。目に異変が生じたような描写もあったことから、佐伯の体調が懸念される。

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手術を受けられなかったことで危険な状態が続く上杉の病室に、上杉の息子でウエスギモータース社長を務める歳弘(城田優)がやって来る。そして、上杉が提示しているものを上回る報酬を支払う代わりに、手術を失敗してくれるよう天城(二宮和也)に打診した。実は裏では佐伯と医学会会長の座を争っている維新大の菅井(段田安則)が糸を引いていた。ウエスギモータースの医療部門を新会社として切り離し、菅井が社長に就任する計画が秘密裡に進んでいたのだった。

一方、東城大の副院長の江尻(大黒摩季)は、上杉の協力のもと菅井らが開発を進めていた医療用AI・エルカノを使った遠隔診療の研究に携わっていた。治験コーディネーターの美咲(田中みな実)も、自身の過去の経験から遠隔診療に大きな期待を寄せていた。新会社の設立、医療用AIの開発、そして上杉の手術……様々な要素が絡まり合いながら、ついに医学会会長選の当日を迎える。

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』第7話より©TBS

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』第7話より©TBS

菅井の提案により、上杉の手術は選挙会場に中継されることとなった。天城を金で買収した菅井たちは、手術の失敗と、美咲の入れ知恵でセキュリティを強化したエルカノを持ち込んだことで余裕の表情で会長選を迎える。

人の命がお金や権利の道具にされてはたまらない。天城が買収されたフリをしているにしても、菅井たちの仕組んだことをどこまで把握しているのかもわからなければ、反撃のしようがあるのかもよくわからない。ましてや東城大側についていたかに思われた美咲まで、維新大のテーブルに座っている。佐伯は味方がいない戦場に、たった1人で武器も持たずに乗り込んでいるような状況だ。一体どうなってしまうのか、と、手に汗握りながら事態を見守っていた視聴者は多いことだろう。

手術中、天城のミスにより上杉の心臓から出血。万事休すかに思われたが、天城も佐伯も美咲も、そして江尻も、菅井や歳弘より上手だった。ミスにより2か所同時のダイレクトアナストモーシスが必要となった上杉。そこで、エルカノのシステムを用い、佐伯が会長選の会場から遠隔で手術を行うことになった。幸い、エルカノには天城の右手の動きは学習済みだ。

さらに、歳弘は大きな赤字を抱えており、新会社も中国に利権を渡して菅井を出し抜こうとしていることまで調べ上げていた。形勢逆転。権力とお金に目がくらんだ菅井と歳弘を、人を助けたいという気持ちの強い天城たちが鮮やかに交わしていった。

特に、離島に住んでいたことで満足な治療を受けられず弟を亡くした経験のある美咲の執念は凄まじかった。なすべきことのためなら土下座も厭わず、敵陣に潜伏する。エルカノへの期待を語ったときの純粋な涙の美しさとは対照的な策士ぶりに頭が下がる思いがした。

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』第7話より©TBS

日曜劇場『ブラックぺアン シーズン2』第7話より©TBS

この人を怒らせたらやばい、という雰囲気を、田中みな実が醸成していた。また、さすがのお芝居だったのは城田優も同じく。父の命をも軽んじ、自分のことしか考えない冷酷さ。だが結局、上には上がいて敗北する。自分の力量を過信した青二才という圧倒的な嫌われ役を引き受け、見事に体現して見せた。久々のドラマ出演で、いかんなく存在感を発揮した。

そして、江尻役を務めた大黒摩季についても触れないわけにはいかないだろう。ほんの少しの出演かと思いきや、見せ場もある重要な役を担っていた。さすがの貫禄とともに、演技力も十分。ゆえに一時は立ち位置が東城大なのか維新大なのかとハラハラさせられる場面もあった。

江尻としては、佐伯のために動くことが自身の病院長就任への最短ルートと考えていたのだろう。そして実際に、遠隔治療によって恩も売った。しかし、肝心の佐伯は医学会会長に選出されてなお、東城大の病院長に再度立候補することを宣言した。佐伯と江尻の戦いの行方に加え、次回はまた渡海(二宮和也の二役)が登場するようだ。スピード感を増す展開から、目が離せない。

(文・あまのさき)

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