1. トップ
  2. ファッション
  3. かわいい服には旅をさせず、わたしはミッドナイト・ブルーのワンピースを着る

かわいい服には旅をさせず、わたしはミッドナイト・ブルーのワンピースを着る

  • 2024.8.27

先日、ミッドナイト・ブルーのロングワンピースを買った。古着にはせず、大奮発して新品のワンピースをデパートで買った。

◎ ◎

わたしはずっと、ミッドナイト・ブルーのワンピースが欲しかった。

たまに母と洋服を買いに行く。洋服を選ぶとき、母からいいアドバイスをもらい、お気に入りの服を買ってもらえることもあったが、逆にわたしの想いと全然違う服を買ってしまうこともあった。

◎ ◎

もう7年ほど前になるが、母とワンピースを買いに行った。
様々な種類のワンピースを試着した。そのなかに、ブルーのロングワンピースがあり、着てみたところ、店員さんに「お似合いですね」と言われた。わたしも自分でブルーのワンピースが似合っているように感じた。数日後、そのお店のブログにブルーのワンピースを着たわたしが載った。

でも結局そのブルーのワンピースは買わなかった。
そのとき買ったのは、ヨーロッパ古着のピンクの花柄のAライン膝丈ワンピースと、グレーの腰のあたりに黒いリボンがついているロングワンピースだった。

ピンクの花柄のAライン膝丈ワンピースなんて、かわいい系ファッションの王道ではないか……。ブルーのロングワンピースと全くタイプの異なるワンピースだと思う。店員さんは、ブルーのワンピースを着たわたしが似合うと思ってブログに載せてくれたのに、まったく逆のものを買ったのはあのとき、なぜだったのだろう?完全なる母の好みだし、母はわたしにはこういう服が似合うと感じたのだと思う。

◎ ◎

「人は見かけによらない」という言葉があるように、わたしは見た目は静かで??クールなのかもしれないが、中身はクールでも何でもない。身長は165cmで、日本人女性にしては背が高い方だ。また目は丸目ではなく、切れ長な方だ。休日の朝食は6枚切りの食パン2枚に、それぞれソーセージと目玉焼きを挟んで食べることができるという大食いだが(時間があればさらにロールパンなどもほおばる)、20代後半の現在のところ、太りやすい体質ではない。「やせの大食い」というやつだろう。あまり食べない人みたいに見られることもある。そして酒を飲むとテンション上がる。昔は年齢より大人に見られることもたまにあった。

母は、もともとクラシックなお嬢様系ファッションや映画や音楽などが好みだから(ロックはほとんど聴かない)、ブルーのワンピースの選択肢は初めから視野に無かったのかもしれない。また、わたしの性格もよく知っているから、わたしのことをクール系として見られないのだと思う。それに小さいころわたしはよくピンクの服を着ていたし。

◎ ◎

たしかに、その花柄のワンピースはとってもかわいい。デザインは好きだ。しかし着るのは恥ずかしい。そのため、外で着たことは1、2度しかなく(でも着たのだ!!)、あとはコロナの時期にZOOMのイベントで着た。顔からデコルテあたりまで証明写真のように映るなら、花柄ワンピースが「めっちゃかわいい」→「なんかかわいい」に薄まると思ったからだ。花柄ワンピースを着たZOOM読書会で、証明写真分だけNHKの全国放送に映ったことがある。明るい花柄は顔を明るく照らし、画面映えしていたように思う。我ながら衣装、ナイスチョイス?

ピンクの花柄のAライン膝丈ワンピースは現在、フリマなどには売らず、タンスの奥にしまってある。かわいいから、手放したくない……。またZOOMのイベントがあったら着てみようかなと思っていたりもする。

◎ ◎

かわいい服には旅をさせず、ときめきの象徴としてタンスの奥に眠らせ、わたしは、ミッドナイト・ブルーのワンピースを着る。

■伊豆半島からの踊る旅人のプロフィール
コンテンポラリー・ダンスの社会的・アート的地位を高めたく、いつかダンスについてのエッセイを書いてみたいと思っています。
文章力と観察眼を養いたい!
南の島の伝統舞踊も踊っています。
X相変わらず裏アカです……。
X:@green60810 https://twitter.com/green60810

元記事で読む
次の記事
の記事をもっとみる