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世界の冒険家を魅了する観光地「スイス・ツェルマット」で”エコフレンドリー”な休暇旅を

  • 2024.8.27

こんにちは、トラベルフォトライターのKANAです。

今回ご紹介するのは、スイスを代表する観光都市のひとつ、ツェルマット。スキーやハイキングで世界的に有名なこの町は、名峰マッターホルンの絶景を堪能したい方には欠かせない旅先です。

アルプス観光の王道と言われる町の魅力や楽しみ方や、じつは日本との馴染みも深い親日な一面をぜひチェックしてみてください。

スイス・ツェルマットってどんなところ?

スイス南部に位置するアルプス観光の王道の旅先、ツェルマット。4,000m級の山々に囲まれ、スキーとハイキングで世界的に有名なこの町は、世界中のアウトドア愛好家を魅了してやまない、スイスを代表する観光地のひとつです。

環境に配慮されたエコシティ

町に到着してまず初めに感じるのが、驚くほどの町ののどかさ。ツェルマットでは、従来のガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載した自家用車の乗り入れが禁止されています。訪れるには列車を利用するか、小型の電気自動車を借る必要があるのです。

そのため、道路が車で渋滞することはなく、見慣れた車の排気ガスや騒音公害、不必要なクラクションの音もありません。

町を走れるのは電気タクシー、馬車、電気バスのみ。いずれも大きな音が出ず、騒音公害と二酸化炭素排出量が大幅に削減されています。澄んだ空気と、静けさを保った、日常の喧騒から離れたい人にはぴったりな旅先です。

日本とも馴染み深い!国際交流が行われる姉妹都市

町を歩いていると、とても親日な印象も受けるのも特徴のひとつです。日本食レストランや日本語の看板、日本観光客も多いため、どこからともなく日本が聞こえてくることもしばしば。

じつはツェルマットは、新潟県妙高市の姉妹都市(1997年5月24日〜)。ツェルマットには締結記念の石碑があったり、京都ツェルマット会という団体との友好記念の石碑があったりと、町の至る場所で日本人の足跡を感じることができます。

ほかにも、富士河口湖町とは平成27年11月15日に友好都市となり、昨年・令和5年5月20日に姉妹都市となりました。

「日本人橋」と呼ばれる橋も存在します。ここから眺めるマッターホルンの朝焼けが絶景で、多くの日本人が集まって写真撮影をしていたことが由来になっているんですよ。

そんな日本人橋は、現在も多くの観光客が集まる撮影スポット。朝日に照らされたマッターホルンがキャンドルのように見える、美しい朝焼けは必見です。

おしゃれなバーで充実したナイトライフも♪

ツェルマットのメインストリートである「バーンホーフ通り(Bahnhofstrasse)」。ブティックやお土産屋さん、ホテルが立ち並びます。

町には100件以上のレストランや生演奏を楽しめるおしゃれなバーもあり、スイス屈指の"ナイトライフ"が楽しめることでも有名です。ハイキングやスキーなどのアクティビティはもちろん、ナイトタイムも存分にお楽しみくださいね。

Gornergrat登山鉄道でアルプスを堪能!

"アウトドア愛好家なら訪れない手はない"と、世界中から多くの冒険家が訪れるツェルマット。

なかでも、マッターホルンの絶景を堪能できるアルプス観光の王道とも言えるのが、「ゴルナーグラート鉄道」です。

1898年に開通した登山鉄道で、ツェルマットからアルプスの絶景が広がるゴルナーグラート展望台までを約40分。

道中にはトンネルがなく、車中からも壮大なマッターホルンを眺めることができます。優雅に景色を堪能しながら展望台までの旅路を楽しめます。

事前準備でお得にチケットをゲット

ゴルナーグラート鉄道の停車駅は、ツェルマット(Zermatt)駅から順番に、フィンデルバッハ(Findelbach)駅→リッフェルアルプ(Riffelalp)駅→リッフェルベルク(Riffelberg)駅→ローテンボーデン(Rotenboden)駅→ゴルナーグラート(Gornergrat)駅と、全部で6駅。

筆者はハイキングも目的としていたため、前日にチケットオフィスでツェルマット駅から終点のゴルナーグラート駅まで片道分のチケットを購入し、始発の電車に乗り込んで展望台まで向かいました。

ゴルナーグラード鉄道のチケットは往復で2万弱と少しお高めな価格設定ですが、『旅の準備は万端に!スイス旅行に行く前に知っておきたい「10のこと」』でご紹介したトラベルパスを持っていると半額で購入ができるので、自分の旅プランに合わせて事前にトラベルパスの購入も検討しておくのがおすすめです。

標高3,100m・ゴルナーグラート展望台へ

車窓からの景観を楽しんでいるとあっという間に頂上の展望台に到着です。訪れたのは6月中旬でしたが、3,100mの標高はまだとても寒く、防寒対策が必須。写真の通り、頂上付近にはまだ雪も多く残っていました。

ゴルナーグラートでは、野生動物の姿も楽しむことができます。展望台付近では、アイベックスと呼ばれるヤギの一種にも多く遭遇しました。とても立派なツノが特徴的で、「アルプスの王」とも称されているそうです。

自分のペースに合わせたハイキング

当初のプランでは、頂上の展望台からゴンドラ乗り場のある「リッフェルベルク駅」までハイキングで下山し、そこから「フーリー(Furi)」という麓の村までゴンドラでの下山を予定していたのですが、初心者に雪道は危ないと判断。一駅先の「ローテンボーデン駅」まで鉄道に乗車をしました。

雪解けをしているローテンボーデン駅からリッフェルベルク駅までハイキングを楽しみます。マッターホルンを含む4000m級の山々が連なる景色は壮観。当日の状況や、自分の体力と相談しながら、臨機応変にハイキングコースを選びましょう。

こちらのハイキングコースは時間にすると30分ほどの道のり。お天気の良い日は写真のように、リッフェル湖の湖面にマッターホルンが映るミラーレイクを楽しむことができます。

途中休憩もしながらのんびりと景色を堪能してゆっくり足を進めることができるので、初心者でも安心です。

空気もとても澄んでいて、どこを切り取っても感動する美しさ。筆者は写真撮影や休憩時間も含め、1時間ほどでリッフェルベルク駅に到着しました。

リッフェルベルク駅から、麓の町、「フーリー駅」まではゴンドラが運行しています。ゴンドラに乗車すれば片道約10分ですが、ハイキングで下山をする場合は、平均でも5時間ほどかかります。

この日は天気も良く、せっかくなのでゴンドラではなくハイキングに挑戦することに。フーリーの駅まで初心者のペースで約6時間ほどかかりました。

写真のように道もかなり険しく、舗装されていない獣道や砂利道が続くので、時間と体力がある方向けのハイキングコースです。

しかし、道中には道案内や目印も多く、初心者でも遭難の心配はありません。マイナスイオンをたっぷりと感じながらアルプスの山々に囲まれて1日を過ごすことができます。

途中、フルク川にかかる細い桟橋にも遭遇しました。安全と分かっていてもかなりスリルのある桟橋で、アドベンチャー気分を楽しめます。

ハイキングに慣れていない方には少々過酷な道中になりますが、"これぞスイス!"と言う壮大な景色を楽しむことができるので、ぜひチャレンジしてみてください。

自然に囲まれたレストランBlattenで過ごす贅沢なひととき

フーリー駅の標高は1,867m。ハイキングコースの出発点としても知られており、近くには多くの山岳レストランがあるのが特徴です。

フーリー駅からツェルマットの中心地までは、歩いて約1時間30分ほど。道も舗装されており、初心者さんでも安心して楽しく歩けるコースになっています。カラフルな植物が咲き誇り、まるで絵画のような景観が広がります。

筆者は6時間かけてリッフェルベルク駅からフーリまでハイキングで下山をしたので、まずはフーリー駅の近くで一休みをしようと、さらにツェルマットに向かって20分ほど歩いて、「バルッテン(Blatten)」という村に向かいました。

そこで出会った筆者のいち押しのレストラン、「Bergrestaurant Blatten」。

まるで古民家のような可愛らしいウッド調の外装と、広いテラス席、絶景のロケーションにあるスイス料理が楽しめるレストランです。

美しい自然に囲まれながら味わうスイスの伝統料理チーズフォンデュは絶品。忘れられない旅の贅沢なひとときを提供してくれます。

家族経営のアットホームなレストランのため、とても気さくな店員さんが多いのも印象的。

1850年頃、家族をもてなすために開店した小さな茶屋が始まりで、前オーナーはマッターホルンの頂上で奥さんと出会い結婚、その娘と夫が現在オーナーなんだとか。とても素敵な歴史のあるお店ですよね。

スイス名物のチーズフォンデュはもちろん、ホームメイドのフルーツタルトもお店のいち押しです。そのシーズンの旬のフルーツを使っており、甘すぎずついつい食べすぎてしまう美味しさ。

営業は18時までなので、ブランチやランチ、ティータイムにのんびりとくつろぎに訪れるのにぴったりですよ。

自分の好きを詰め込んだ旅を 歩いて、遊んで、探検して、発見して、楽しむことができるツェルマット。

今回筆者は、ゴルナーグラート展望台から、フーリー→ブラッテン→ツェルマットという下山コースを楽しみましたが、展望台まで行く時間のない方でも、ツェルマットからブラッテン→フーリーまでの約1.5時間のショートウォークを楽しんだり、自分の旅のニーズに合わせて、色々な過ごし方をすることができます。

ぜひ皆さんも、ツェルマットで自分の好きを詰め込んだ、エコフレンドリーな休暇を過ごしてみてはいかがでしょうか。

All photos by Kana Kawahata

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