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オリンピックと高校野球。自分を信じる心と、それを支えるために必要なこと

  • 2024.8.26

アスリートが教えてくれる大切な言葉とは?

第33回オリンピック競技会が先日幕を閉じました。様々な熱戦で世界中の人々を熱狂させ、多くの感動を与えてくれたパリ五輪。観るつもりじゃなかったのに、目が離せず結局ついつい連日観ちゃったというひとが周りに結構いました。私たちはいつも美しい感動の虜になってしまうようです。

オリンピックを大きな目標として掲げ、日々それこそ血の滲むような努力を重ねてきた人たちが繰り広げる挑戦。心から打ち込み、全身全霊を競技に捧げてきたその姿は美しく、発せられる苦しさ、悔しさ、嬉しさ、彼らの一挙手一投足、感情の機微は私たちに多くの感動を与えてくれます。

なんでもすぐに辞めちゃったり、諦めちゃったりが簡単になりつつある今の世の中で、確実にそれとは逆ベクトルの「やりきる姿」や「諦めない姿」はやっぱりとても清々しく、そのご褒美に神様から頂けるのが「金メダル」というのはなるほど納得という感じがします。多くの選手が神様からの贈り物を受け取る神聖なる場面を何にもしていない私が垣間見せて頂けてラッキー! そんな心持ちで観ておりました(笑)。

そして試合が終わった後、彼らから発せられる言葉はまさに金言。頂点を目指している選手(勝者とか敗者とか関係なく、ちゃんと打ち込んでいるひと)の言葉というのは実に心に響きます。そして多くの選手が同じ言葉を発していました。今回はそんな一つの言葉に注目してみました。

スケートボードの男子ストリートで見事金メダルに輝いた堀米雄斗選手は、そもそも今オリンピック自体の出場も危ぶまれていたほど追い込まれていた状況からのスタート。オリンピック本番も最終滑走までは6位と大きく出遅れていました。が、最終トリックで劇的大滑走! 大逆転劇を巻き起こしました。優勝後のインタビューでは「1%の可能性を信じて、最後に実った」と語っていました。

普通の人は成功率(や勝率)が30%くらいでも(不成功率70%という意味)もうダメかもと諦めたり弱気になったりしちゃいますよね。でも思うに堀米選手は1%の成功は信じていても、99%の失敗という考えはそのとき持っていなかったのではないかと思うのです。堀米選手の周りの人の談ですが、彼はオリンピックで決めた大技をそれこそ死ぬほど何度も繰り返し繰り返し練習していたそう。クールに見えているけどきっと相当の闘志の持ち主。努力をしていたからこそ“”決められる“ という1%の可能性“のみ”に集中をし、あの舞台で大技を見事決めることが出来たのはないかと思うのです。がむしゃらに練習してきたからこそ、あの場面で勝ちきる1%の可能性=自分を信じることが出来たってわけです。

セーリング混合470級で銀メダルを獲った岡田奎樹選手も口にしていたのは信じる心。「自分の目を信じて、自分の風を使い、自信と勇気を持って自分のコースを選択しました」。

岡田選手のすごいところは“周囲に流されない“こと。優勝経験豊富な他国が別の進路を選んでも惑わされず、自分の経験で培った感覚を信じて航路を決めたことでメダルを手にしました。風や波の流れに乗る競技ではありますが、決して風や波や周りの動向に流されることなく、すべてを自らで選んで進むことが大事。これって人生にも言えそうだなぁ、目の前のルートになんんとなくのっているだけでは行きたい未来に辿り着けない、ルートを選んで進んで行けば望む未来に到達できる…そういうことね、とインタビューを聞きながら思った次第。

そしてバレーボールの石川祐希選手も「自信」について言葉を残しています。最終戦は大接戦でありながら(印象では五分五分より勝算あった感じ)セットカウント2−3で惜敗したジャパンチーム。石川選手は「あと1点の状況でも、心の底から楽しめるような準備をする。そういうメンタルを身に付けることが大事」、そして最後の最後の場面でもう無理なのかなという思いもちらりとよぎったそうで、パフォーマンスを下げるそういった思考に打ち勝つためには「自分を信じることが何より大切」と語っていました。

人生は、やるかやらないかで決まる

もう一つ、このエピソードはオリンピックではなく高校野球なんですが、高校野球常連の強豪校相手に次々と善戦しベスト8まで勝ち進んだ島根県の大社高校のお話。

ベスト8を決める3回戦の相手は泣く子も黙る早稲田実業高校。9回の裏で追いつき同点に、そしてタイブレーク11回の裏ノーアウト1、3塁のチャンス。ここで監督が「誰かバント、打ってくるやつおらんか」とベンチの選手に向かって声をかけたところ、ただ1人の選手が挙手したのです。それが2年生の安松大希選手、なんと県大会を入れてもこの夏の公式戦初出場! 「きっちり三塁線に決めてきます!」とバッターボックスに向かい、これがまたお手本のような三塁線を切るか切らないかの見事なバントを決めノーアウト満塁に! そしてネクストバッターのヒットによりさよなら勝ちを収めたのです。

このプレッシャーのかかる大事な場面で、公式戦に出たことのない安松選手の挙手、素晴らしすぎると感動しました。出たことないから自信ないなんて尻込みをしていたら一生甲子園の土を踏めなくなる可能性だってあったわけです(来年もあるけど県大会から勝ち上がらないと甲子園には行けないですからね)。でも立候補した、出た、打った。彼の人生において輝くほど貴重な体験を自らの意思で掴み獲った。「三塁線にバントを決める」と言い切れたのは、きっと普段の練習の積み重ねからの「自信」が言わせた言葉。「自信」と「勇気」で彼の人生はここから大きく良き方向へと進んで行くのではないでしょうか。いざというとき、勝ち切りたいとき、乗り越えたいとき、そのとき間違いなく力をくれるのは“ 自分を信じる心と実践”。そして、人生なんでもやるかやらないかで決まります。

目標に向かって邁進しているひとの行動と言葉は重みがあるし心に響くもの。その姿を見せてくれる人々は本当に素晴らしいし感謝したい存在。彼らは、結果を決めるのはすべて自分! 自分の頑張りや努力が自分のポテンシャルを増幅し、道を切り開く!いうことを教えてくれます。

努力は裏切らないというけれど本当にそう、やればやっただけ望む結果に近づける。わかっちゃいるけど腰が重いという日常から離脱することは今日の今からでも出来ます! 打ち込むことがあるって幸せなこと。それがナイという方は、その何かを探し始めては?

自らのポテンシャルを広げて新たなる道を広げていくと、きっともっと面白い人生が動き出します!

TEXT=青木貴子

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