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筋トレ、ランニング、ウォーキングが続かない人に朗報…運動不足をラクに解消するゆる~い秘策

  • 2024.8.25

睡眠の質を上げてくれる「温活」とは何か。上級睡眠健康指導士の角谷リョウさんは「人は体温が下がるにつれ寝つきやすくなり、上がることで目覚めやすくなる。そのリズムに従う温活を取り入れ、体温が放出されるタイミングで寝るのが快眠の秘訣」という――。

※本稿は、角谷リョウ、サトウ未来『働く女子のための睡眠革命』(光文社)の一部を再編集したものです。

目覚めた後にベッドで伸びる若い女性
※写真はイメージです
睡眠圧を強めるとぐっすり眠れる

「歩いたほうが健康にいい」のはわかっていても、実行に移すのは難しいものです。

車移動が当たり前の地域では、うっかりすると「1日に歩く量が1000歩以下」なんてことも……。そう、強く意識しないと歩かないのですよね、私たちは。

人間は長く起きていたり活動したりすることで、睡眠物質がたまっていきます(睡眠圧)。この「睡眠圧」を強める=ぐっすり眠れる、ということ。ですから、日中にしっかりと活動しておくことが大事です。

といって、ここでいきなり筋トレやジョギングをおすすめされたって、絶対やる気にならないですよね(笑)。でも「歩くだけ」なら? どうせ毎日、家と職場を往復するとしたら、その際に歩くことで歩数を稼ぎましょう。

歩く“だけ”なんて言ってしまいましたが、日ごろロクに歩いていない人が習慣化したら、体に与えられるインパクトはそうとうなもの。それに、ふくらはぎは“第2の心臓”と呼ばれるほどのポンプ機能で体に血液を送り、めぐらせる働きをもっていますから、歩くだけで血流がよくなり、体温もアップ! といいことずくめです。

特に朝の光を浴びながら歩けば、セロトニンも分泌されます。通勤中、いつもより手前の駅やバス停で降りて歩きましょう。まずは「これまでよりもちょっと多く歩く」ことから始めて、快眠のためにはいずれ「1日7000歩」を目安にしたいですね。

セロトニンの分泌を促す「リズム運動」

とはいえ、セロトニンを出すために、筋トレやジョギングなどのハードな運動がマストなわけではありません。

もちろん、それらが好きなら積極的に行ってほしいですが、もっとラクな運動でもセロトニンは分泌されるとわかっているからです。

それすなわち「リズム運動」。

一定のリズムで動作をくり返す運動のことです。

「運動」と聞くと激しく動くイメージかもしれませんが、じつは「歩く」もそのひとつ。「散歩する」「階段を上る」「自転車をこぐ」など、身近な動作も立派なリズム運動です。

意外なところでは「よくかむ」や「貧乏ゆすり」まで!

いかがでしょう、このくらいのゆる~いレベルなら、「やってもいい」と思えるのではないでしょうか?

見よう見まねで踊ってみる

まずは日常動作でリズミカルに動くことから。そして、セロトニンが分泌されてやる気がわいてきたら、1回20~30分の軽い運動を取り入れてみましょう。

たとえば「スロージョギング」。

隣の人と会話できるくらいの速度で、ゆっくりと走る方法です。

走るのが苦手な人でもできる運動でありつつ、ウォーキングの1.6倍ものカロリーを消費できるだなんて、お得ですね。

おなじみ「ラジオ体操」も、有酸素運動とストレッチを兼ねた“究極の運動”といわれています。

朝の習慣にすれば代謝がよくなり、体温も上がりやすくなりますよ。

リズム運動に慣れてきたら、YouTubeなどで「ダンス」動画を検索し、見よう見まねで踊ってみるのもおすすめ。晴れた日に外で行えば、ますますセロトニンも出やすくなりますね!

【図表1】リズム運動
出典=『働く女子のための睡眠革命』(光文社)より
お風呂は絶好の体温上昇タイム

毎日の入浴タイムを温活に生かす、とっておきの方法をお伝えします。

まず“シャワーだけで済ませる派”の人は、湯船につかる習慣をつけるところから。

夕方から下がり始める体温は、湯船につかって体の芯まで温めることで再び上昇します。人は体温が下がるタイミングで寝つくと快眠できるため、その体温調整に湯船を利用するのです。

女性の場合は体温の下降が早いので、下がりきらないことも考慮して、入浴後60分以内に就寝できるといいですね。

「それがめんどうなんだってば!」という人は、まずは「入浴=しっかりと眠るための儀式」とマインドチェンジしてみて。それで睡眠が改善されれば「心身ともにリカバーできる大切な時間」に変わるはずです。

浴室を「最高の癒し空間」にするアイデア

ここに、楽しめそうなアイデアを加えてみましょう。

たとえばアロマや入浴剤を使えば、心身の温浴効果が高まります。イチオシは「炭酸ガス入り入浴剤」。炭酸水塩泉につかると善玉菌が増えるという研究結果があるので、腸活としてもおすすめです。1回あたりたったの数十円で、極上のスパ気分を味わえますね。

ときには浴室の照明を消して「闇風呂」にしてみても。脱衣所や外窓からのほのかな明かりに身をおくと「心から落ちつく」とセミナー生からも好評です。雰囲気のいいスパや銭湯には、洗い場は明るく、浴槽は暗めなところが多いと思いませんか? それを自宅で簡単に再現できるというわけです。

これらを実践すれば「浴室が家じゅうで最高の癒し空間」にまでレベルアップできるかも! ぜひ、入浴のポテンシャルを引き出してみてくださいね。

バスルーム
※写真はイメージです
女性向きの温活は“じわじわ温める系”が効果的

流行っていますよね、サウナ。女性の芸能人にも“サウナー”を公言する人は少なくありません。

あの“整う”感覚がクセになる人も多いようですが、じつは女性には「岩盤浴」や「よもぎ蒸し」のほうがおすすめ。

男性に比べて筋肉量の少ない女性は、高温の蒸し風呂で急速に温めても、なかなか体の芯までは温まりにくいのです。

そして水風呂で一気に冷やせば、やはり体温は下がります。くり返すうちに体は「冷やす」能力を伸ばしていき、むしろ冷え性になる可能性も……。せっかくの温活が“冷え習慣”になってしまうなんて、残念すぎますよね。

むしろ、ぬるめの温度でじわじわと深部体温を上げる方法が、女性向きの温活といえます。岩盤浴やよもぎ蒸しは、低温で時間をかけて体を温める「温熱療法」に近く、女性でも血流がよくなったり汗をかきやすくなったりと、効果を感じやすいことでしょう。仕事帰りのリラクゼーションとしてもぜひ、サウナより岩盤浴を選ぶようにしてみてくださいね。

睡眠改善の現場の実感としては、スローヨガや高温のホットヨガにハマっている女性にも、じつは冷え性が少なくありません。そもそもゆったりとした動作をくり返すヨガは、呼吸を落ちつかせ、体温を下げる方向へと働きかけます。また、ホットヨガはサウナと同じく、急激に温めてレッスン後には冷えるという落差が、自律神経を乱すこともあるのです。

もしもこれらを続けて冷えを感じているようなら、運動量の多いパワーヨガや、低温で行うホットヨガに変えることを検討してもいいかもしれません。

眠るときは「はだし」が正解

特に冬場「足先が冷えるから」と、靴下をはいて寝る女性は少なくありません。だまされたと思って、今日からははだしで寝てください。残酷な事実を言います。靴下をはいて寝るとかえって冷え性が加速しますし、眠りの質も落ちてしまいます!

白いベッドの上の足
※写真はイメージです

人は体温が下がるにつれ寝つきやすくなり、上がることで目覚めやすくなります。そのリズムに従うなら、入浴やストレッチで体温を上げ、その熱が放出されて下がっていくタイミングで寝るのが快眠の秘訣。

それを靴下をはいたままふとんにINしてしまうと、足裏や指先から放熱されず、体温をうまく調整できないのです。

「だって末端冷え性だから、足先が冷えると眠れない(泣)」という切実な悩みはよくわかります。ただ、寝る前に足が寒いと感じるということは、そもそも体温がしっかりと上がりきっていないか、上がったとしてもすぐに下がり、寝るころにはすでに冷えてしまっている可能性があります。

体温が下がってしまったあとでいくら眠ろうとしても“無理ゲー”状態。靴下で足先を温めたくらいではリカバーできないのです。

角谷リョウ、サトウ未来『働く女子のための睡眠革命』(光文社)
角谷リョウ、サトウ未来『働く女子のための睡眠革命』(光文社)

ですから「寝るときに寒い足を温める」のではなく「冷える前に寝てしまう」ことこそが最適解!

「それだと入浴後に即、寝ないといけなくなるんですけど!」という人は、浴室を出た段階で靴下やレッグウォーマーで保温し、体温の低下がゆるやかになるよう調整しましょう。

そして寝る直前に脱ぎ捨て、ふとんへGO! 入浴後の活動時間をかせぎ、就寝時刻ちょうどに体温低下のタイミングがくるよう間に合わせる作戦で、今夜からにっこり、ぐっすりですよ。

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