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砂糖の種類と選び方を徹底解説! 健康効果の高い砂糖はどれ?

  • 2024.8.30

もう砂糖選びに迷わない。

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RUSS ROHDE

砂糖選びに迷ったことはない? 健康にはどんな砂糖がいいんだろう?と気になりつつも、結局はいつもの砂糖を買ってしまう、なんて人も多いはず。
でも種類が多い砂糖を使いこなせるようになると、料理の味もグッと上がるだけでなく、健康効果も変わってくる。

そこで今回は、YouTube登録者数20万人以上の適食アドバイザー、あこ先生に“砂糖の種類と特徴”や“健康を考えた砂糖の選び方”などについてたっぷりと教えてもらった。このガイドがあれば、もう砂糖に迷う必要なし!

砂糖の種類と特徴

「砂糖にはサトウキビが原料のものと、てんさいが原料のものがあります。また製造方法にも違いがあり、精製糖(上白糖、グラニュー糖、三温糖など)と含蜜糖(キビ糖、黒糖、てんさい糖など)の2種類に分けられます」

 

白砂糖(上白糖)

Costi Moculescu / 500px

「一番ポピュラーなお砂糖である白砂糖は、サトウキビやてんさいを絞った搾り汁から不純物やミネラルなどを精製して取り除き、ショ糖だけにしたものです。そのため精製度合いがとても高く、血糖値を急激に上げて、下げる“乱高下(血糖スパイク)”を起こしやすくします。するとホルモンバランスが乱れ、感情のコントロールが難しくなります。疲労が溜まりやすくなることも。

また、私たちは砂糖を食べると、代謝の際に沢山のビタミン・ミネラルを必要とします。けれど白砂糖自体にはミネラルが含まれていないので、体内のミネラルを使わないといけません。そのため白砂糖を沢山食べると、ビタミン・ミネラルが不足し、栄養不足になってしまうことがあります。そういった理由から、白砂糖の摂りすぎには注意しようと言われています」

 

グラニュー糖

Manivannan Thirugnanasambandam

「サトウキビやてんさいからもっとも不純物を無くし、ビタミン・ミネラルなどもすべて取り除いた状態がグラニュー糖です。料理では、味の邪魔を一切しない純粋でキレのある甘みが付き、食材の色を損ないません。またかき氷のシロップも、きび糖やてんさい糖などの茶色っぽい砂糖を使ってしまうと色が綺麗に出ないため、グラニュー糖や氷砂糖が使われます。氷砂糖もグラニュー糖を精製して固めているようなものになります」

 

粉糖(アイシングシュガー)

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Ana Rocio Garcia Franco

「グラニュー糖をより細かい粒子にし、粉末状にしたものがアイシングシュガーになります。そのため、血糖値は上がりやすいです。アイシングシュガーは液体を入れた時に滑らかなクリーム状になりやすいため、搾りやすく、絵をかいたりと実用的な用途が多い砂糖です」

 

三温糖(さんおんとう)

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「今売っている三温糖のほとんどは、上白糖にカラメル色素で色を付けたものが多いため、上白糖とほぼ変わりはありません。ただカラメルの風味があるため、それを“コク”という形で使うことができます」

上白糖、グラニュー糖、三温糖メリット・食材の色をしっかり保たれて、変色を防げる・生地などに使うとふわふわで軽い食感になり、よりおいしくなる⇁不純物に入るミネラルには金属も含まれるため、それらが取り除かれた砂糖はよりふわふわで美味しさが増すデメリット・血糖値が上がりやすい・摂りすぎると、ビタミン・ミネラルなどが不足し、栄養不足になる可能性もある

 

上白糖、グラニュー糖、三温糖
メリット

・食材の色をしっかり保たれて、変色を防げる
・生地などに使うとふわふわで軽い食感になり、よりおいしくなる
⇁不純物に入るミネラルには金属も含まれるため、それらが取り除かれた砂糖はよりふわふわで美味しさが増す
デメリット

・血糖値が上がりやすい
・摂りすぎると、ビタミン・ミネラルなどが不足し、栄養不足になる可能性もある

 

黒糖

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「黒糖というのは、サトウキビの搾り汁から不純物を取り除いてそのまま煮詰めたものなので、サトウキビのミネラルを丸ごと含んでいます。特有の風味が強く、料理としては風味を邪魔しがち。ただミネラルとビタミンをもっとも含んでいるので、夏バテした時や疲労感を感じる時などに、小さなかけらをなめるだけでもエネルギー補給になります」

 

キビ糖

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Everyday better to do everything you love

「キビ糖は、サトウキビの搾り汁から不純物を取り除いて、そこからある程度精製したものです。白砂糖に比べて精製度合いが少ない状態になりますので、ミネラルを程よく含んでいます。そのため、栄養面からいうと白砂糖を取るより断然健康的。また黒糖と比べると料理の邪魔をせず、ミネラルも含んでいるのがキビ糖のメリットです。ミネラルをたっぷり使いたい方は黒糖を、酢の物やドレッシングなどの料理に使うならキビ糖がおすすめです」

 

てんさい糖

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Nataly Hanin

「別名“サトウダイコン”と呼ばれているのが“甜菜(てんさい)”という植物から作られているてんさい糖。日本では主に北海道で作られており、別名から大根の仲間と思われがちですが、まったく別の種類の植物です。

特徴としては、オリゴ糖を含むこと。オリゴ糖は腸の善玉菌のエサになってくれるので、おなかの調子を整えてくれるメリットがあります。また、血糖値の上昇が緩やかな糖になりますので、“乱高下”を起こしにくくなります。(GI値が白砂糖は110に対して、てんさい糖は65とかなり低いです。)ただ、オリゴ糖100%ではないので厳密に言えば血糖値は上がりますが、生きるうえで血糖値が上がることも大切です。デメリットとして粒子が荒い商品が多く、その場合は溶けづらいため、クッキーなどを作るとザラザラとした食感になります。
ちなみに、色が茶色いものはきび糖同様ビタミンミネラルを含みますが、てんさい糖原料のグラニュー糖や上白糖も存在します。その場合はビタミンミネラルはほぼ含まれていません」

 

粗糖

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「キビ糖と同様、カリウムやカルシウムが豊富なため、キビ糖の仲間として扱われることが多いです。ただ、若干粗糖の方がミネラルが多いかもしれません」

 

特殊な砂糖

和三盆

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Yoyochow23

「和菓子で使われることが多いお砂糖です。これは手間のかかる高級なお砂糖で、主に香川県や徳島などで伝統的に作られているものです。黒砂糖やキビ糖と同じような含蜜糖で、ミネラルなどを含んでいるお砂糖に分類されます。様々な工程を踏んで出来上がる、昔ながらの技法を使っているお砂糖のため、値段が高いのが特徴です」

 

洗双糖

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lisaaMC

「種子島産のサトウキビから作られた、キビ糖に似たものを“洗双糖”と呼ぶのではないかと言われています。産地の違いという意味でも、洗双糖はキビ糖の種類に分類されるのではないかと思います。ただ精製度合いによって、白砂糖の仲間として分類されたり、キビ糖・黒糖などに分類されたりします」

 

ココナッツシュガー

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Monica Bertolazzi

血糖値が一番上がりづらいのが特徴で、康効果が一番高いお砂糖なのではと思います。サトウキビ原料、てんさい糖原料の物よりも血糖値が上がりにくいため、体重を気にされている方、血糖値を乱高下させたくない方はココナッツシュガーがおすすめです。ただ独特の風味があるため、なかなか使いづらくて普及しないという理由と、値段が高いのがデメリットにもなります」

 

用途に合わせた砂糖の選び方

料理に合う砂糖

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マリネ:「マリネはお酢がある分、個性が強いものも比較的マイルドに仕上げてくれる料理なので、クセのあるココナッツシュガーやはちみつはマリネ向きかと思います。ココナッツシュガーを少し加えて、プラスでハーブなどを加えたらおしゃれな一品に仕上がります」

煮もの:キビ糖やてんさい糖などを使った方が煮物のコクが引き立ちやすくなると思います。複数の糖質の種類を持っている方がコクが出やすいので、そういったことも考えるとミネラルなどを含んでいるものが複雑な味になり美味しく感じやすいのです。また、普通に上白糖などを使う場合でも、黒糖をほんの少し入れると、料理の深みがグンとアップするため、隠し味として使うのにおすすめです」

和食:「和食の場合だと、みりんだけでいいのでは? とよく言われますが、例えば照り焼きにする時など、お砂糖を少し入れた方が綺麗な照りが出ます。そのため、料亭や和食屋さんではみりんだけでなく、お砂糖を一緒に使うことが多いです。その際使われる砂糖は、料理の邪魔をしない上白糖が多いかなと思います」

 

お菓子作りに合う砂糖

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お菓子やパン:「スポンジケーキやパンにはやはりグラニュー糖が好まれます。ふっくらと膨らましてくれるので、軽い食感のものができやすく、より美味しく感じます。ずっしりと重たいお菓子を作るなら黒砂糖になります」

 

飲みものに合う砂糖

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コーヒーやココア:「なるべく血糖値を上げないという部分で言うと、ココナッツシュガーがおすすめです。ココアなどの風味付け程度に入れてみても美味しいです。それ以外に、アガベシロップも〇。ただアガぺシロップのデメリットは、摂りすぎると脂肪肝の予備軍にもなってしまうので注意が必要です」

 

砂糖のおすすめ代替品

はちみつ

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hiroyuki nakai

「はちみつは果糖とブドウ糖の両方を含むため、ブドウ糖だけでできているものよりもグリコーゲンとしてためられやすくなるというメリットがあります。グリコーゲンとは貯蔵糖で、私たちが食事などから摂った糖を使い切った後に使用されるエネルギー源のこと。貯蔵糖がないと食後2~3時間でエネルギー切れを起こし、イライラしたり冷や汗をかいたりしやすくなります。そのため、はちみつでしっかり貯蔵糖をため込んでおければ、運動の効率が上がったり、集中力を維持出来たりというメリットにつながるのです。

また、はちみつは大きく分けると加熱と非加熱のものがあります。通常は含まれる水分を加熱して飛ばしてから不純物を取り除く工程に入るのですが、加熱を行うデメリットとして、一部の栄養素が失われてしまうということと、酵素が失活してしまうという点があります。非加熱のはちみつは、水分を飛ばしていない状態でろ過を何度か繰り返すことで不純物を取り除く方法で、栄養や酵素がそのまま残りやすいと言われています。ただ、手間もかかり出来上がる量も少ないので価格が高いというのがデメリットです。

非加熱のはちみつにどのくらいの栄養素が残っているのかは厚生労働省のデータベースに存在しないので実際のところは不明ですが、一般的に加熱と非加熱で栄養素が変化するのは確かなので、違いがあると考えられています」

 

使用の際に農薬が気になる方は産地をチェック。ドイツやハンガリーは基準が厳しいので、農薬が少ないと思います。また、国産のはちみつも農薬は少ない傾向にあるようです。

 

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完熟生ロンガンはちみつ 500g

Ananda Remedies 完熟生ロンガンはちみつ 500g

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一切熱は加えていない100%のロンガンはちみつ。ロンガン(龍眼)とはライチに似た果実で、和漢では健康維持に役立つと考えられ、滋養源として利用されている栄養価の高いもの。

 

アガベシロップ

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ミネラル、ビタミンB群をしっかり摂れるもので、果糖が主成分なので、血糖値が上がりづらいです。そのため糖尿病患者さんに使われたりします。けれど果糖は摂りすぎると脂肪肝になりやすかったり、腸内環境を荒らしやすいというデメリットがあります。使う際は使用量に注意してくださいね」

 

オリゴ糖

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おなかの調子を整えるという面ではとてもいいのがオリゴ糖。また、血糖値も上がらないので糖尿病患者さんに使うことも多いです。ただ甘みがとても少ないので、甘さを感じづらく使用量がどんどん増えてしまいます。そのため下痢などを引き起こすこともあるので、こちらも使用量には注意しましょう」

 

甘酒

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「米麹を発酵させた“甘酒”。お米が原料なので、普通のお砂糖よりは血糖値の上がり方が緩やかです。また、ビタミンB群がしっかり含まれているため、煮物などに使うのもおすすめ。味はもちろん、甘さが少し抑えられるので、みりんと同じような甘味があります」

 

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Peter Cade

健康を考えた砂糖の選び方

「栄養面を考えると、ビタミン、ミネラルを少しでも摂りたい方は黒糖がいいと思います。次に、糖ほどクセがなく、ビタミンやミネラルも取れるとなるとてんさい糖かキビ糖になるかなと思います。血糖値のことを考えるのであればココナッツシュガーやアガぺシロップがおすすめ。自分の用途に合わせて使い分けてみて下さい」

 

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砂糖の摂取量の目安

「WHOで出ているのが、1日に摂取するカロリーの5%未満に抑えましょうというもの。大体日本人だと2000キロカロリーぐらいは摂るといいと言われているので、そこから考えると1日の摂取量は25g(ティースプーン6杯分)くらいが適量と言われています。例えば、プリン1個で16gくらいに対して、コンビニに売っているチルドカップタイプのカフェラテが1本で大体20gの砂糖が入っているため、なんとプリンよりも砂糖量が多いのです。驚きですよね。なので、“飲みものから不要にお砂糖を摂らない方がいいよ”というのが私からのアドバイスです」

 

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保存方法

「どのお砂糖も、直接風が当たるところは避け、冷蔵庫には入れずに常温保存をしましょう。また湿度が極端に高すぎるのもカビの心配になるので、湿度は60%未満がいいと言われています」

 

我慢なしでお菓子をやめる唯一の方法

甘いものがやめられないという方や、甘いカフェラテがどうしても手放せないという方は必見! 適食アドバイザーのあこ先生が、“甘いものをやめる方法”を徹底解説。

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KADOKAWA これを食べれば勝手にキレイになる 「甘いもの欲」が消えて身体の中から輝く食事術

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今回、“おやつなどにどのくらいのお砂糖が入っているのか”詳しく知りたくなった人はあこ先生著書のこちらの本をチェック。
間違ったダイエットを実践してきた人、あらゆる健康法を試したけどしっくりこなかった人、子育てや仕事で毎日忙しい人が一生覚えておきたい、とっておきの食事法をご紹介!

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適食アドバイザーあこ

教えてくれたのは……適食アドバイザーあこ(中野絢子)先生

管理栄養士。総合病院に管理栄養士として勤務し栄養指導や緩和ケアに携わった後、料理家のもとで料理番組作成、企業講演、メニュー開発、料理教室などに携わる。産後の不調がきっかけで分子栄養学を学び、体の仕組みに則った栄養学をYouTube「あこの栄養学」で発信。チャンネル登録者数は20万人を突破(2024年7月現在)。著書に「これを食べれば勝手にキレイになる 「甘いもの欲」が消えて体の中から輝く食事術(KADOKAWA)」がある。


Nanitaコミュニティリーダー

ウィメンズヘルスのコミュニティーリーダー。元ボクシングインストラクターの経験を持ち、ダンス・トレーニング・ランニングと様々なワークアウトに取り組み発信している。底抜けの元気さとポジティブエネルギーが強み。日々心と体をHAPPYにするため、まだ見ぬ境地へフルスピードで突進中。 

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