お肉やお酒が好き! と公言する人は多いですが、私にとって一番好きな食べ物は野菜。朝昼晩、野菜だけでも満足できるほど、最高のご馳走であり、心と体を満たす大切な存在です。
特にトマトのジューシーさ、きゅうりのシャキシャキ感、ナスの旨味――色とりどりの夏野菜は見た目も美しく、口にするたびにその豊かな風味と栄養が広がって、なんだかとっても元気になれるのです。
鎌倉野菜がもたらす、至福の宝探し
新鮮な野菜を買うならどこがおすすめですか?と聞かれたら、迷わず、鎌倉廉売と答えるでしょう。スーパーの野菜に比べると不揃いだけれど、鎌倉の農家さんたちが丹精込めて育てた鎌倉野菜は、どれも味が濃くて、力強い。
色鮮やかな野菜が並ぶ店先を眺めながら「どれにしようかな」と悩む時間は、まるで食の宝探しをしているかのような喜びをもたらしてくれます。
暑さを爽やかに乗り切る!野菜づくしのブランチ
ゆっくりと起きた休日。切っただけのトマトや、作り置きしておいた夏野菜を並べてブランチを。おしゃれな盛り付けや凝った料理も素敵ですが、私にとって最高のご馳走はこうして色とりどりの野菜が並ぶシンプルな食卓。
野菜がメインと聞くと、どこか物足りなさを感じるかもしれませんがシンプルさが最大の魅力。旬な素材を使い、最低限の調理でその味を引き立てる。これこそが、本当の美味しさを引き出すコツだと思っています。
火を使わずにサクッと作れるきゅうりの叩き和え
暑さで食欲が落ちるこの季節に、さっぱりとした味わいの一品があると嬉しいですよね。このレシピは火を使わずに手軽に作れるため、キッチンが暑くなる心配もありません。おつまみにもぜひ。
材料
きゅうり 1本
ごま油 大さじ1
にんにく 少々(すりおろす)
塩 少々
作り方
きゅうりをよく洗い、両端を切り落とします。次に、ビニール袋に入れて、棒や麺棒などで軽く叩きます。きゅうりの皮が破れ、少し潰れていればOKです。
叩いたきゅうりにごま油とにんにくを加えます。塩で味を調え、全体をよく混ぜ合わせれば完成です。お好みでカイワレを添えても。
万願寺唐辛子の揚げ浸し
軽く揚げてからめんつゆに漬け込むことで、唐辛子の風味が引き立ち、ボウルいっぱい食べたくなるほどの美味しさに。糸唐辛子を添えて、見た目にも美しく盛り付けるのがポイントです。
材料
万願寺唐辛子 10本
めんつゆ(濃縮タイプ) 1/2カップ
水 1/2カップ
しょうが 少々(すりおろし)
糸唐辛子 適量(飾り用)
サラダ油(揚げ用)
作り方
中火で熱したサラダ油に万願寺唐辛子を入れ、揚げます。色が鮮やかな緑から少ししんなりするまで揚げたら、油を切っておきます。
揚げた万願寺唐辛子をしょうがのすりおろしが入っためんつゆに入れ、そのまま30分ほど漬け込む。唐辛子がめんつゆを吸い込んで、味がしっかりと染み込みます。
漬け込んだ万願寺唐辛子を器に盛り、糸唐辛子をトッピングすれば出来上がり。
夏の定番!空心菜のオイスターソース炒め
爽やかな歯ごたえが魅力の空心菜は栄養価も高く、ビタミンC、カロテン、鉄分やカリウムなどのミネラルが豊富な夏野菜。特に鉄分が多く、疲労回復に効果があるともいわれており、夏バテ気味の体に嬉しい一品です。
材料
空心菜 1束(約200g)
すりおろしニンニク 小さじ1
オイスターソース 大さじ1
サラダ油 大さじ1
作り方
空心菜はよく洗い、水気を切ります。茎と葉に分け、食べやすい大きさにカットします。茎は少し長めに、葉は一口大に切ると良いでしょう。
フライパンにサラダ油を熱し、すりおろしニンニクを香りが立つまで炒めます。ニンニクの香りが立ったら、空心菜の茎を先に入れ、1分ほど炒めます。その後、葉を加えてさらに炒めます。
空心菜がしんなりしたら、オイスターソースを加え、全体に絡めるように炒めます。
夏のご馳走!とうもろこしご飯
甘みたっぷりのとうもろこしと香ばしいバター醤油が絶妙に絡み合うこのレシピは、シンプルながらもご馳走感満載。炊飯器にお任せで簡単に作れるので、忙しい日でも手軽に美味しいご飯が楽しめます。
材料
米 2合
とうもろこし 1本
バター 10g(お好みで)
醤油 小さじ1(お好みで)
作り方
米はよく洗い、30分ほど水に浸けてから水を切ります。炊飯器に入れておきます。
とうもろこしは皮を剥き、芯から粒を外さずにそのまま使います。トウモロコシの実を一口大に切るか、芯ごとそのまま使用します。芯の部分も風味が出るので、ぜひ入れてください。
米の上にとうもろこしの芯と粒をのせ、通常通りの水加減で炊飯器のスイッチを入れます。炊き上がったら、とうもろこしの芯を取り出します。
炊き上がったご飯にお好みでバターと醤油を垂らし、全体をよく混ぜます。バターが溶けて香ばしい香りが広がり、一層美味しくなります。
夏野菜と豚肉のポン酢和え
主人のお義母さんから教わったこのレシピは、夏になると必ず作る定番メニュー。ポン酢の爽やかな酸味が夏野菜と豚肉の旨味を引き立てて、いくらでも食べられるほど!
材料
ゴーヤ 1本
ナス 2本
豚肉(薄切り) 200g
ポン酢 大さじ1~2
サラダ油 大さじ1
塩 少々
こしょう 少々
作り方
ゴーヤは半分に切り、種とワタを取り除きます。薄切りにして塩を振り、10分ほど置いて水分を出してから水で洗い流し、軽く絞ります。ナスも薄切りにし、水にさらしてアクを抜きます。豚肉は一口大に切ります。
フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を加えて炒めます。豚肉が白くなり始めたら、ゴーヤとナスを加え、全体がしんなりするまで炒めます。
野菜と豚肉がしっかりと炒まったら、ポン酢を加えて全体に絡めます。お好みで、青じそやみょうがをトッピングすると、さらに爽やかな風味が加わります。
夏野菜の肉詰め
夏の野菜はそのままでも美味しいですが、少し手を加えることで、さらに魅力的な料理に変身します。 その代表例がナスやパプリカにたっぷりの豚ひき肉を詰めて、180度のオーブンでじっくりと焼き上げた夏野菜の肉詰め。熟したトマトを刻んで下に敷くことで、旨味がさらに引き立ちます。
材料
ナス 2本
パプリカ(赤または黄色) 2個
豚ひき肉 300g
玉ねぎ 1/2個(みじん切り)
卵 1個
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
オリーブオイル 大さじ1
熟したトマト 2個(刻む)
作り方
ナスは縦半分に切り、スプーンで中身をくり抜きます。パプリカも半分に切り、中の種を取り除きます。くり抜いたナスの中身はみじん切りにします。
ボウルに豚ひき肉、みじん切りの玉ねぎ、卵、塩、こしょうを入れてよく混ぜ、ナスとパプリカに、肉だねをしっかりと詰め込みます。
熟したトマトはざく切りにして、耐熱バッドの底に敷きます。オーブンを180度に予熱し、焼き時間は約25分。肉に火が通り、野菜がしんなりするまで焼きます。
心地よい風を感じながらのベランダディナー
夜風が涼しく感じられる時間帯にベランダへ出て、休日恒例のおうちごはん。時間を気にせずゆっくりできるからこそ、自然とおしゃべりも弾みます。この日は、大きめのプレートに夏野菜の肉詰めを盛り付けて、副菜には生野菜のサラダととうもろこしの冷製スープ。とことん夏野菜を味わうメニューにしました。不足しがちな野菜がたっぷり食べれる!と、友人や主人にも人気なんですよ。
野菜が最も美味しい夏は、毎日の食事を特別な時間に変えてくれる大切なシーズン。心と体を癒やす、美味しいひとときをぜひご自宅で。
写真・構成/川口ゆかり
※この記事は2024年8月24日時点の内容です。