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「お受験に1年で700万円注ぎ込んだ」「お前のせいで落ちた…」妄想癖とSNSに取りつかれたママ友の末路

  • 2024.8.23

ママ友の中には、マウンティングを取りたくて仕方がない人もいるという。夫の仕事や子どもの成績などを、まるで自分の手柄のように見せびらかして周りを見下すことで気持ち良くなりたいのだ。『マウンティングママ友が、全てを失った話』(まどな:原作、ameno*:漫画/KADOKAWA)は、そんな何より自分が1番だと思い込んでいる女性が転落していく姿を描いた作品だ。

主人公のまどなは、夫と子どもと3人で暮らす主婦。子どもが同じ保育園に通っていることで、マウンティングママ友・円城寺サキと関わることに。キャラが濃いサキとSNSでつながる。サキはお金持ちの夫と結婚し、かわいい子どもにも恵まれたことが何よりの自慢だった。しかし、誰彼かまわずマウンティングしてしまううえに妄想癖も強く、見栄っ張りな性格が仇となり全てを失うことになる。

数あるサキの強烈なエピソードは、まったく読者を飽きさせない。日ごろの行いで敵を作っているサキは、悪意を持って貶められることになるのだ。休職中で働いていないのに保育園に子どもを預けていることをペラペラと喋り、役所に密告されてしまったサキ。そもそも休職中にも関わらず保育園に通わせることが悪いのだが、密告によりサキの息子は保育園を退園することになってしまう。

自分を役所に密告した人に対し、SNSで警告するサキの姿を見るとこんなママ友が近くにいなくて良かったなと思えるだろう。庶民と違って内閣総理大臣にもツテがあるという妄想をSNSに投稿する人間が自分の近くにいると想像するだけで、思わずゾッとしてしまう。こうしたヤバい言動を眺めるだけなら平和なのだろうが、現実にいるとたまったものではないだろう。

無駄に超ポジティブなサキは、保育園を辞めたことを前向きに捉え、次は幼稚園を受験させることを決意する。そして、SNSにセクシーな水着姿を投稿し、第2子の妊娠を報告することも忘れない。妊婦が身体を冷やすような服装で自撮りするのはどうなんだろうと思ってしまうが、サキにそんな考えは微塵もないのだろう。そこまでして自撮りを載せる精神に、一周回って感心してしまう。しかし、そんなSNSでの言動が仇となり、サキの子どもは第1希望の幼稚園の受験に落ちてしまうのだ。

幼稚園の受験に落ちてもへこたれないサキは、次は子どもに小学校を受験させて将来的に東大へ入学させることを目指しはじめる。そうした環境が変わっても、マウンティングで人間関係をボロボロにしながら、SNSへ投稿することを辞めることはなかった。きっと本人なりに子育てに向き合っているのだろうが、虐待の疑いで通報されてしまう。

そんなサキは、今度は夫が浮気していると決めつけて別居するといいはじめる。もちろんただの妄想なのでサキの夫は真っ白なのだが、その調査にお金を注ぎ込んだ挙句DV被害をでっち上げようとしはじめて——。

サキはここから破滅への道を、一直線で転がり落ちていく。どんなに恵まれている環境でも、それを鼻にかけて周りを見下す人間はきっと幸せになれないのだろう。マウンティングママ友の末路を最後まで見届けてもらいたい。

文=ネゴト/ 押入れの人

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