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ついに”楠見くんに”恋愛フラグが…松村北斗の見逃せない仕草とは? 『西園寺さんは家事をしない』第7話考察レビュー

  • 2024.8.23
『西園寺さんは家事をしない』第7話より ©TBS

松本若菜主演、松村北斗共演のドラマ『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)が放送中。本作は、家事をしない主人公・西園寺さんが年下の訳ありシングルファーザーと「偽家族」として暮らすハートフルラブコメディ。今回は、第7話のレビューをお届けする。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

『西園寺さんは家事をしない』第7 話より ©TBS
『西園寺さんは家事をしない』第7話より ©TBS

【写真】松村北斗の嫉妬が見え隠れ…もどかしい気持ちになる劇中カット。ドラマ『西園寺さんは家事をしない』劇中カット一覧

「ほんとは、少し好きだったよ。楠見くんのこと」

『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)第7話、西園寺さん(松本若菜)が楠見くん(松村北斗)に、かつて淡い恋心を抱いていたことを伝えた。正直なところ、「終わったことなんだから、隠しておいた方がよかったのでは?」と思ったが、これは西園寺さんなりのケジメだったのだろう。過去形にして伝えることで、ちゃんと終わりにしたいという意図もあったのかもしれない。

西園寺さんがそんなふうに思えるようになったのは、“仮彼氏”こと横井(津田健次郎)がいてくれるから。最初は、横井のことを胡散臭そうと思っていた部分もあったが、知れば知るほどいい男だと気付かされる。

“偽家族”なんて、ちょっぴり(というか、だいぶ?)変わった関係性を知らされても、理解するように努めてくれるし、積極的にルカ(倉田瑛茉)の面倒を見たりする。楠見くんへの想いを消すために“上書き彼氏”を作ろうとしていた西園寺さんからしたら、願ってもみない展開だろう。

それなのに、今になって楠見くんが西園寺さんへの恋心に気づいた(?)ようなフラグが立ってきた。

思い返せば、横井に対して敵視しているような表情を見せることが多かった楠見くん。よく分からない人から、“偽家族”を守るために警戒していた部分もあったのかもしれないが、なかには嫉妬心も存在していたような気がする。

それは、家族愛に近いような感情を抱き、頼りになる西園寺さんが取られてしまうことへの恐怖なのか。それとも、恋愛対象として見ているがゆえの嫉妬なのか。よく分からなかったが、西園寺さんに過去形で告白されたあと、胸をおさえていたということは…。

せっかく、西園寺さんが前を向いて、偽家族がより良い形になってきたところなのにー! と言いたい気持ちもあるが、2人が結ばれるラストを見たくなってきた自分もいる。

『西園寺さんは家事をしない』第7 話より ©TBS
『西園寺さんは家事をしない』第7話より ©TBS


葬儀で喪主のやることが多いのは、悲しむ時間を与えないためだと聞いたことがある。葬儀社との打ち合わせや、参列者への連絡など、次から次へと決めていかなければならないことがあると、時間に追われて悲しみに浸っている時間がなくなるから。

そして、お通夜や告別式を終えたあとに、ようやく悲しみと向き合う時間が訪れるものだが、働きながらひとりでルカを育ててきた楠見くんは、その後もずっと悲しみと向き合える時間がなかったのかもしれない。西園寺さんに出会い、心に余裕ができたから、瑠衣(松井愛莉)のことを思い出して悲しめるようになってきたのだろう。

次週放送の第8話からは、西園寺さんがニューヨーク出張で出会ったエリサ(太田莉菜)が、世界進出の秘密兵器としてレスQにやってくるようだ。このエリサ、実は楠見くんと瑠衣を結んだキューピットで、楠見くんは彼女のことを「僕の恩人」だと言い、慕っている。

しかし、エリサはどうやら楠見くんに気がありそうな素ぶりを見せており、新たな三角関係が誕生する予感…。楠見くんとエリサが仲睦まじくしている姿を見た西園寺さんは、どんな感情になるのだろうか。

『海のはじまり』(フジテレビ系)でも、「死んじゃってずるい」という台詞が登場していたが、たしかに死んだ人には敵わない。西園寺さんも、対抗馬が瑠衣なら仕方がないと諦めがついた部分もあったのではないだろうか。

しかし、楠見くんがもしエリサといい感じになっていたら? 楠見くんへの想いを消すために“上書き彼氏”を作ろうとした西園寺さんのように、楠見くんもエリサを“上書き彼女”にする可能性もあるかもしれない。

『西園寺さんは家事をしない』第7 話より ©TBS
『西園寺さんは家事をしない』第7話より ©TBS

第7話で、西園寺さんと楠見くんとルカ、そして横井の4人で楽しそうに食卓を囲んでいる姿を見て、できることならこの幸せがずっと続いていけばいいのにな…と思ってしまった。楠見くんとルカ以外は、血が繋がっているわけじゃない。それでもあの瞬間、たしかに4人は本物の家族に見えたのだ。

この関係性が、ずっと続くわけではないのは分かっている。西園寺さんと横井が結婚して、子どもが産まれたら、形は変わってしまうだろうし、ルカが成長していけば、偽家族を続けていく意味もなくなってしまう。

また、横井も西園寺さんと楠見くんの間に恋愛感情がないと分かっているから、安心して偽家族を後押しすることができているが、楠見くんも西園寺さんに想いを寄せているとすれば、話は変わってくるだろう。

家族じゃなくても、家族じゃないからこそ、支え合うことができる。そんなメッセージが伝わってくる『西園寺さんは家事をしない』。

普通のラブコメドラマなら、「どうせ、西園寺さんと楠見くんが結ばれるんでしょ」と思ってしまうが、本作はどう展開していくかどうか分からないからこそ、面白い。

西園寺さんと楠見くんは、結ばれるのか? それとも、西園寺さんは横井と…? あるいは、誰とも結ばれないエンドも考えられる。とにかく、エリサの登場により大荒れになりそうな次週の放送を楽しみに待ちたい。

(文・菜本かな)

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