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【目白台】永青文庫 夏季展「Come on!九曜紋 ―見つけて楽しむ細川家の家紋―」

  • 2024.8.23

夏休みのミッション!細川家の家紋、九曜紋(くようもん)を探せ!

永青文庫で開催中の夏季展「Come on!九曜紋 ―見つけて楽しむ細川家の家紋―」[2024年7月27日(土)~9月23日(月・振休)]を見て来ました。

平安時代、貴族が車や調度品などに付けた文様が起源とされる家紋。 時代劇で見る武士の旗や陣幕に表した徽章も家紋になったと言われています。

細川家の家紋・九曜紋は、九曜星(くようせい)をかたどった文様で、1つの円の周りに8つの円を配した形で表されます。 本展は、九曜紋をテーマに、武器武具や、調度品、染織品など細川家に伝来した貴重な大名道具(だいみょうどうぐ)を観覧できる展覧会です。

2024年の夏は、作品のあちこちに表された九曜紋を探してみませんか。

織田信長(おだのぶなが)から拝領、細川家の家紋・九曜紋、ルーツは星の信仰

細川家の家紋・九曜紋は太陽と月、火・水・木・金・土の五惑星、日月食や彗星に関係するとされる羅睺星(らごせい)と計都星(けいとせい)を表すといわれています。

細川家の家記『綿考輯録(めんこうしゅうろく)』によると、2代・細川忠興(ほそかわただおき)のときに、織田信長から拝領し、それ以降、定紋(じょうもん)とされました。 後に多く用いられた9つの円が離れた九曜紋は「細川九曜(ほそかわくよう)」とも呼ばれました。

《軍配団扇(ぐんばいうちわ)》

5代・細川綱利(ほそかわつなとし)所用の《軍配団扇》。戦場で軍隊を指揮するために用いられる武具です。 片面に日輪、もう片面に円文のなかに金、赤、黒の星と十二支の文字を配して、戦いの日程の吉凶を占う図様を表しているとのことです。

 

出典:リビング東京Web

軍配団扇 細川綱利所用 江戸時代(18世紀) 1握 永青文庫蔵

武具や武器に表された九曜紋

公的な場で装う武具や武器に表された家紋は、自身の存在を示す標識として重要視されました。

《白糸裾紫威越中頭形兜(しろいとすそむらさきおどしえっちゅうずなりかぶと)》

7代・細川宗孝(ほそかわむねたか)所用の《白糸裾紫威越中頭形兜》。

細川家を代表する「三斎流具足(さんさいりゅうぐそく)」の兜です。

2代・忠興(三斎)が戦場での経験を生かして完成させたという実用性に優れた甲冑(かっちゅう)の形式を「三斎流」と称しています。 兜は、目元まで保護できるヘルメットのような頭形兜(ずなりかぶと)で、孔雀の羽のように広がる山鳥の尾羽の頭立(ずたて)が華やかです。

九曜紋は…頭立の中央と、兜の両側に透かし彫りを見つけました! さりげなくあしらわれているところがオシャレです。

 

出典:リビング東京Web

白糸裾紫威越中頭形兜 細川宗孝所用 江戸時代(18世紀) 1頭 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)

《衛府太刀拵 九曜紋金装(えふのたちこしらえ くようもんきんそう)》

衛府太刀(えふのたち)は、もとは平安時代に宮城の護衛を担当した役所の官人が用いたものだそうです。

《衛府太刀拵 九曜紋金装》は金具の細部にまで九曜紋が表され、柄(つか)には細川家の替紋(かえもん)である桜紋も付けられています。 華やかで品格を感じる拵(こしらえ)です。

 

出典:リビング東京Web

衛府太刀拵 九曜紋金装 江戸時代(18~19世紀) 1口 永青文庫蔵

《九曜紋紫羅紗鞍覆(くようもんむらさきさらしゃくらおおい)》、《弓懸(ゆがけ)》と《弓懸入れ(ゆがけいれ)》

金色の大きな九曜紋が印象的な《九曜紋紫羅紗鞍覆》。鞍の上から鐙(あぶみ)にかけて覆う馬具です。

毛織物・羅紗(らしゃ)で作られたもので、金箔の革を用いた縁取と九曜紋が華やかで目立ちます。 雨をしのぐほか、装飾としても使われたそうです。

三掛(みつかけ)(親指、人差し指、中指)の《弓懸(ゆがけ)》(右)は、今でも弓道で使用されている懸(かけ)を思わせる形をしています。 小さい九曜紋が散りばめられた弓懸は、射場で一目で細川家の家紋と注目を集めそうです。

大きく1つ九曜紋が入った《弓懸入れ(ゆがけいれ)》(左)も、今もそのまま使えそうです。

 

出典:リビング東京Web

九曜紋紫羅紗鞍覆 江戸時代(19世紀) 1枚 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)

 

出典:リビング東京Web

弓懸(右) 3双 、弓懸入れ(左) 1枚   永青文庫蔵

多様な装飾、くらしを彩る九曜紋

日々のくらしを彩る調度品の中にも九曜紋は表されています。 永青文庫に伝わる九曜紋付きの調度品には、蒔絵(まきえ)、螺鈿(らでん)、透かし彫りなどの多様な技法で装飾されたものが多くあるそうです。

 

出典:リビング東京Web

左から、九曜牡丹蒔絵大鼓胴 江戸時代(18世紀) 1口 永青文庫蔵、九曜紋蒔絵貝桶・合貝 江戸時代(19世紀) 1具 永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)

《色絵九曜紋散香炉(いろえくようもんちらしこうろ)》

細川斉護夫人・益所用のものとみられる《色絵九曜紋散香炉》。

色絵は、赤、緑、黄色、紫、青などの様々な上絵具で文様を描いて焼成したやきものをいいます。 胴の側面に描かれた色とりどりの九曜紋がカワイイ色絵の香炉です。

 

出典:リビング東京Web

色絵九曜紋散香炉 細川斉護夫人・益所用か 江戸時代(18世紀) 1合 永青文庫蔵

小さな九曜紋を見つけてみよう

2階展示室では、刀装具(刀の外装や、部品)をはじめとする小品や、掛軸・巻子の表装などに表された小さな九曜紋を見ることができました。 小柄(こづか)や目貫(めぬき)、刀の鐔(つば)にほどこされた九曜紋の緻密な細工は、優れた技巧で作られたものばかりです。

《細川綱利像(ほそかわつなとしぞう)》

左は、5代当主《細川綱利像》。8歳で家督を相続し、その後62年間熊本藩を治めました。

学問を好み、暦学者・渋川春海(しぶかわはるみ)から天文学を学んだそうです。 元禄15年、吉良邸討入り後、赤穂義士17名を白金の屋敷(東京・高輪)で預かり、切腹までの間手厚くもてなしたそうです。 衣冠束帯姿で、拵に九曜紋が表された太刀をつけています。

 

出典:リビング東京Web

左側、細川綱利像 江戸時代(18世紀) 1幅 永青文庫蔵

先着30名様に特製「九曜紋うちわ」プレゼント

「Come on!九曜紋 ―見つけて楽しむ細川家の家紋―」会期中(休館日を除く)にご来館の方先着30名様に永青文庫オリジナル「九曜紋うちわ」をプレゼント。

細川家と九曜紋の関わりが分かるミニ知識が載っています。

残暑厳しい夏のお役立ちアイテムになりそうです。

 

出典:リビング東京Web

永青文庫 特製「九曜紋うちわ」

夏休みは九曜紋を探しに永青文庫へCome on!

館内には他にも九曜紋が表示されているところがありました。是非探してみてください。

永青文庫、夏季展「Come on!九曜紋 ―見つけて楽しむ細川家の家紋―」は9月23日(月・振休)まで。

この夏、九曜紋を探しに永青文庫へCome on!

 

出典:リビング東京Web

永青文庫

文京区立肥後細川庭園

文京区立肥後細川庭園は大名庭園でよく見られる池の周りに散策路をめぐらした池泉回遊式庭園です。 永青文庫の敷地内から庭園に下る道があります。

庭園内の松聲閣(しょうせいかく)は休憩と見学ができます。

※肥後細川庭の建物や日本庭園は無料で入れます。

〇夏季展「Come on!九曜紋 ―見つけて楽しむ細川家の家紋―」
会期:2024年7月27日(土)~9月23日(月・振休)

〇公益財団法人 永青文庫
URL:https://www.eiseibunko.com/
住所:〒112-0015 東京都文京区目白台 1-1-1
TEL:03-3941-0850
開館時間:10:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日、展示替期間、年末年始
※祝日の場合は開館、翌平日が休館です。9/16・9/23は開館し、9/17は休館します。
入館料 一般:1000円、シニア(70歳以上):800円、大学・高校生:500円
※中学生以下、障害者手帳をご提示の方及びその介助者(1名)は無料
※状況により、臨時に休館や開館時間の短縮を行う場合があります。最新の情報はX(旧Twitter)その他にてお知らせします。
※ご来館にあたって事前予約は必要ありませんが、混雑時はお待ちいただく場合があります。
※当館の感染症予防対策については、ホームページをご覧ください。

交通:JR目白駅(「目白駅前」バス停)・副都心線雑司が谷駅出口3(「鬼子母神前」バス停)より、都営バス「白61 新宿駅西口」行きにて「目白台三丁目」下車徒歩5分。
都電荒川線早稲田駅より徒歩10分。有楽町線江戸川橋駅(出口1a)より徒歩15分。東西線早稲田駅(出口3a)より徒歩15分。
※一般車両用駐車場はございません。周辺の有料駐車場をご利用ください。

〇文京区立肥後細川庭園
住所:〒112-0015 東京都文京区目白台1-1-22
TEL:03-3941-2010
開園時間
日本庭園:午前9時から午後5時まで (但し、入園は午後4時30分まで)
松聲閣(しょうせいかく):午前9時から午後5時まで

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