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『チャングム』のイ・ヨンエが扮した偉人はどんなに強烈だったか?

  • 2024.8.22

テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『宮廷女官チャングムの誓い』で主演を務めているイ・ヨンエは、物語の後半で医女として活躍しているチャングムとして見事な演技を披露している。

彼女は、本作で内禁衛の武官ミン・ジョンホに扮したチ・ジニ、物語の後半では女官長になっているチェ尚宮を演じるキョン・ミリ。後半では最高尚宮になっているクミョンに扮するホン・リナなど、多くの俳優たちと息ピッタリの演技を見せている。

そんなイ・ヨンエは、2017年に韓国のSBSで放送された時代劇『師任堂、色の日記』で、韓国の最高額紙幣5 万ウォンの肖像画にもなっている申師任堂(シンサイムダン)に扮していた。

彼女は、朝鮮王朝時代に「良妻賢母の鑑」と称された才女だが、果たしてどんな女性だったのか。

申師任堂は1504年に生まれた。幼い頃から絵の才能が抜群だった。

『師任堂、色の日記』
(写真=SBS『師任堂、色の日記』韓国公式サイト)
才女として有名な女性

7 歳のときに、有名な画家の山水画を模写したが、それを見た人が「本物よりうまいんじゃないか」と称賛した。そこまで褒められても、幼い申師任堂は「写すだけでは満足できません」と言ったという。すでに独自の画風を探求していたのだ。

彼女が動物を描くと、まるで紙の上で生きているかのようだった。あるとき、虫を描いた申師任堂がその絵を庭で乾かしていると、ニワトリが寄ってきて絵の中の虫を本当に食べようとした。

絵画から刺繍に至るまで特別な才能を持っていた申師任堂だが、男尊女卑の風潮が根強かった朝鮮王朝時代に、女性が芸術性を伸ばす生活を続けることは難しく、彼女も親が決めた結婚に従わざるをえなかった。

夫は生活力のない男で、日々の暮らしは苦しかった。そんな中でも、申師任堂は子供たちをりっぱに育て上げた。“ダメ亭主”の典型だった夫もようやく一念発起して、「科挙に受かるまで戻ってこない」と決意して故郷を後にした。

しかし、夫は挫折してすぐに帰ってきてしまった。

このとき、申師任堂が取った行動が語り草になっている。彼女は裁縫箱からハサミを取り出して、それを喉に当てた。

「あなたが約束を守れないなら、私は死にます」

夫は驚愕し、必死に妻を止めた。そして、自らの至らなさを詫びて、今度こそ念願の科挙に受かるまで自宅に戻ってこなかった。

そんな申師任堂を見事に演じたイ・ヨンエは、これまで女優として多くのドラマで経験を積んだ自身の演技で見る人を楽しませている。時代劇だけでなく現代劇も魅力を発揮しているので、ぜひ彼女の活躍を堪能してほしい。

文=大地 康

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