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食事のマナーに「気にする方がおかしい」自分の意見を貫いていたが → 上司の一言で「反省」

  • 2024.8.23

基本的な食事のマナーは身に着けておくべきとよく言われていますよね。ですが、マナーばかり気にしていると、窮屈に感じて食事が楽しめなくなってしまうという人もいます。今回はマナーとは一体何のためにあるのかを知るきっかけになった出来事を経験した、筆者の知人Hさんから聞いたお話です。

画像: 食事のマナーに「気にする方がおかしい」自分の意見を貫いていたが → 上司の一言で「反省」

食事のマナーが大嫌い

当時Hさんは20代で、就職したばかりでした。

社会人になってから家族以外の人と食事をする機会の増えたHさんは、数人の人からお箸の持ち方や姿勢、お皿やお椀の扱い方など、食事のマナーについて指摘されていました。

もともと食事のマナーという言葉に疑問を覚えていたHさんは、指摘されるたびにこう答えていたのです。
「マナーが悪くても恥ずかしくないし、食事は好きなように食べた方がおいしいでしょ」

周りの人から何度指摘されてもHさんは自分の主張を曲げず、一般的にはマナーが悪いとされている食べ方を改めることはありませんでした。

むしろみんながマナーを気にして食事をする方がおかしい、とすら思っていたのです。

上司に誘われて

そんなある日、Hさんは上司にランチに誘われました。
「わあ、部長とランチに行けるなんて光栄です!」
その上司はHさんが勤めていた会社では初めて女性管理職に就いた女性。バリバリ仕事ができるうえに人柄も良いことから、皆に慕われている人でした。

例にもれずHさんもその上司を尊敬していて、ランチに誘われた時は気分が舞い上がるほど。

「ここ、予約したのよ」
「わあ、すごいお店……」
上司がHさんを連れて来てくれたのは、会社からすこし離れた場所にある、格式が高い和食の名店でした。

マナーは何のため?

「さあ、いただきましょう」
「い、いただきます!」
ランチコースとはいえ、普段は口にすることもできないような豪華で美しい料理が目の前に並び、Hさんはウキウキと箸をつけました。

「……ねえ、Hさん」
コースメニューの中盤で、上司は困った顔をして箸を置きました。
「その食べ方は恥ずかしいわ、他のお客様の前で。お箸の持ち方も器の持ち方も、マナー違反よ」
「す、すみません」
上司は真っ赤になったHさんに、優しく言いました。
「食事のマナーは、一緒にいる人に恥をかかせないためのものでもあるのよ。私に恥ずかしい思いをさせてしまったと思うなら、これから気をつけてね」
「はい」
それから上司は正しいお箸の持ち方や食べ方のマナーを、ゆっくりと時間をかけてHさんに教えてくれました。

実はその上司は、他の人から新人の中に食事マナーに無頓着な女性がいると聞いて心配になり、Hさんをランチに誘ってくれたそうです。

それからHさんはマナーに気を付けるようになり、今ではとても美しい所作で食事ができるようになりました。

マナーは誰に披露するものでもありません。ですが、一緒にいる人に恥をかかせないためにも、基本的なマナーくらいは身に着けておいた方がいいですね。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。

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