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想像以上に体力勝負!?私たち芸妓が、「花魁」に変身してみた…すすきの祭りの舞台裏レポート|さっぽろ芸妓日記vol.12

  • 2024.8.22

札幌で芸妓をしております、「こと代」と申します。

「芸妓」といえば、京都のイメージが強いと思います。しかし北海道にも開拓期から道内各地に花柳界がございました。現在は札幌のみになってしまいましたが、「さっぽろ名妓連」には12名の芸者衆が所属し、毎日お稽古、お座敷などで活動しております。

Sitakke

連載「さっぽろ芸妓日記」では、札幌の花柳界の歴史や文化などをご紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、どうぞ宜しくお願いいたします!

私たち芸妓が「花魁」デビュー!?すすきの祭りの舞台裏を本音レポート!

2024年8月1・2・3日の三日間、「第60回すすきの祭り」が開催されました。

初日の花魁道中に始まり、期間中はさっぽろ名妓連のステージがあったり、花魁役としてYOSAKOIの審査員をさせていただいたりと、三日間大変お世話になりました。

写真とともに振り返りながら、ここだけの裏話などをこっそりご紹介いたします!

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左 夢千代太夫役/こと代 右 佳津乃太夫役/小梅

普段は、一般公募で選出される花魁役。昔は、すすきののクラブなどで働いている女性から選ばれていたそうです。花魁役に選ばれると「自分のお店が持てる」「東京に進出してしまう」なんてジンクスもあるとかないとか…!それほど影響力のあるイベントだったのですね。

今回は、記念すべき60周年ということで、ご縁をいただきまして、すすきので活動している私たち「さっぽろ名妓連」の芸者衆が出演させていただくことに!

毎年沿道から見ていた花魁道中に、まさか自分が出る日がくるとは夢にも思いませんでした。
普段は、お座敷での活動を中心にしている、私たち。

なによりも「体力、大丈夫?最後まで歩ける??」という不安しかありませんでした。(汗)

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いよいよ本番の日…

衣装&かつら合わせや全4回の歩き方練習を経て、いよいよ本番の日。

豊川稲荷 札幌別院さんをお借りして、お昼過ぎからお支度を始めました。

普段から慣れ親しんでいるお化粧のほうがいいでしょう、ということで
芸者衆は、特別にアドバイスをいただきながら、自分達で白塗りをさせていただきました。

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札幌の芸者衆は、うなじはいつも全部塗っているので(これも街によって違いますね)、この塗り方に慣れておらず…このパートだけお手伝いいただきました。ありがたや...。

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芸者仲間のふみ代ちゃんとも記念撮影。
この時、置屋さんのお母さんも心配して様子を見にきてくださいました。

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みんなで記念撮影をして、いよいよ出発です。(ちなみに私たちの横にいらっしゃるのが女将役のはな恵姐さんとまさ美姐さん。小さな禿ちゃんたちも本当にかわいかった!)

## 出発!お声掛けがとっても嬉しかったです

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沿道からたくさんお声がけいただき、とても嬉しかったです!

「花魁は歯を見せて笑ってはいけない」という決まりがあったため反応できず...というより、バランスをとって歩くのに必死で全然余裕がなかった、のほうが正しいかもしれません(遠い目)

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そしてなんだか涼しい顔して歩いているように見えますが、この時すでに意識も記憶もありません。笑

例年より距離も短く、お天気にも恵まれ涼しい夜、という好条件だったのにも関わらず、お衣装がまーーーあ重いこと!

そして慣れない、花魁ならではの「外八文字」(高い下駄を履いて、足を大きく外に回しながら足を運ぶスタイル)の歩き方で、鼻緒がすれて痛いし、なんだか汗も止まらないし、ゴールがとっても遠く見えました...。
隣の肩貸しさんに全体重をかけさせてもらっていたので、彼がいなかったら、とうの昔にすっ転んでいましたね...確実に。

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途中で何度も挫けそうになりましたが、関わってくださっている方たちのお顔を思い浮かべながら、なんとかゴールまでたどり着くことができました。

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こちらの写真は、後方の佳津乃太夫御一行。お人形さんみたい!と評判の小梅ちゃんでした。小さい体で本当によく頑張ったなぁ...(←なぜか他人事/笑)

あとから聞くと、小梅ちゃんもあまり記憶がないと言っていて、同じだね~と2人で笑いました。

想像以上に体力勝負だったので、今までの花魁役さんは本当にすごいなぁと改めて実感。

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最後はステージでお披露目して、終了です。完全に満身創痍の私たち...。
終わったあともふらっふらで、これを書いているいま現在(8月10日)も筋肉痛がようやく和らいできたところなのですが、笑

今回は本当に貴重な経験をさせていただき光栄でした。
今までお力を貸してくださった関係者の皆さま、応援してくださった皆さまに
感謝の気持ちでいっぱいです。

たくさんの人達が関わって作り上げられる花魁道中、来年も是非お楽しみくださいませ!

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ということで、今年の夏はなんだか皆さまにお目にかかる機会が多くてとっても嬉しいのです。芸者の活動は、どうしても閉鎖的になりがちなので、ひょんなことをきっかけに私たちの存在を知っていただけたら嬉しいなぁと思います。

夏の活動はまだまだ続きますよ!

ここで、もうひとつ宣伝をさせてくださいませ!
次は、ココノススキノで踊らせていただきます!メンバーは毎回変わりますのでお楽しみに。是非お出かけくださいね!お待ちしております!

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***

連載「さっぽろ芸妓日記」
文:さっぽろ名妓連 こと代
編集:ナベ子(Sitakke編集部)

<「こと代」プロフィール>
札幌生まれ、札幌育ち。2018年にお披露目して以降、現在も最北の花柳界「さっぽろ名妓連」で芸妓として活動中。開拓期から続く北海道の花柳界文化をたくさんの方に知っていただくべく日々奮闘中。飼い猫達と遊ぶことが日々の癒し。

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