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無下にできなくて… 新人の教育担当になった20代女性が「思わずヒヤッとした瞬間」【前編】

  • 2024.8.21

職場に新しい社員が入ってくると、サポートなどをすることもあるでしょう。職場内の雰囲気も、少し変わるかもしれません。美波さん(仮名・28歳)の職場にも、あるとき新入社員が加わりましたが、実はこれがとんでもない人物だったそう。当時の状況を詳しく伺いました。

入社してきた新人女性社員

「私の職場に、中途採用で一人の女性が入ってきました。明奈さん(仮名)という人で、私よりも二つ年上。黒髪で清楚な印象を受ける女性で、仕事に慣れるまでのあいだ私が教育係としてサポートにあたることになりました。
明奈さんは言葉使いが丁寧で、人柄も穏やか。仕事覚えも早く、このぶんだとすぐに馴染むだろうなと思っていました。そして、週末に二人で職場近くの居酒屋に飲みに行ったんです」

垣間見えた本性

「明奈さんは日本酒が好きらしく、おいしそうに飲んでいました。徐々に饒舌になっていくなか、“私って職場で嫌われてますよね?”と言ったのです。“みんな冷たい”と言い、まったくそんな印象はありませんでしたが、こういうネガティブな一面もあるんだなと思って聞いていました。
そして、かなりお喋りなタイプだということに気付きました。とにかく自分のことをよく喋って、感じたことを主観でずっと話していましたね。ようやく私に、“どう思いますか?”と意見を求めてきたので、思っていることを伝えると、“私もそう思います!”と自分のフィールドに話を戻し、再びマイペースに喋り始めました。お酒が入っているというのもあるのでしょうが、彼女はきっと自分が主役になりたいタイプなのだろうなと思いましたね」

再び飲みに出かけると…

「翌週、職場で先輩の女性社員と明奈さんが真剣な表情で話し合っている姿がありました。明奈さんの表情は険しく、“はい”と返事をしてはいるものの、不満を露わにしていました。
話を終えたところで私が、“大丈夫ですか?”と声をかけると、明奈さんは目に涙を浮かべていました。これはちゃんと話を聞いてあげなければいけないと、再び夜に飲みに行ったんです。そこで、先輩とのやり取りの内容について聞きました。仕事で効率的だと思ってしたことが、先輩に否定されてしまったようでした」

深く関わってはいけない人物かも…

「明奈さんの話を聞いて、どちらも間違っていないと思いましたが、なだめる意味でも彼女の意見のほうに同調しました。明奈さんは、“ですよねぇ”と深く頷いていました。
すると翌日、またしても先輩と明奈さんが向かい合って話をしていました。あいだに入ろうと思って私が近づいたところ、なんと“美波さんも私に賛同してくれました”という声が聞こえてきたんです。
名前を出された私は焦りました。その場の雰囲気で言ったことなのに、先輩に歯向かうような発言として使われてしまったのです。そこで、この人とはあまり深く関わらないほうがいいかもしれないと思いました。いつかとばっちりを食いそうな、危険な気配を察知しましたね」

“新人社員の教育担当になった女性の告白”をご紹介しました。
深く相手を知っていくほど、意外な一面が見えることもあるでしょう。ただの同僚であれば適度な距離を保てばいいですが、教育担当の新人ともなれば、個人的な理由で距離を取ることも難しそうです。
©Trickster*/Adobe Stock ©taka/Adobe Stock

文・塚田牧夫

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