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【ヤキモチは身を滅ぼす?】王妃は国王の側室をなぜ「目のカタキ」にできないか

  • 2024.8.21

朝鮮王朝を統治していた27人の国王たちは、王妃の他に多くの側室を抱えていた。国王は後継者を絶やさないための手段として、側室との間に子供を設けることも多かった。

そして、正室に息子がいないときは側室から生まれた男子が国王として即位するようになったのである。

朝鮮王朝の王家にとって、特に重要な儀式が後継者になる世子(セジャ)の嫁(世子嬪〔セジャビン〕)を選ぶことだった。それを揀擇(カンテク)と言うが、まずは両班(ヤンバン/貴族階級)の家庭に婚姻禁止令が出る。結婚適齢期の女性が揀擇の対象になるためだった。

そのうえで、各両班の家庭から結婚適齢期の娘の身上書が出される。書類審査を通った娘は面接審査に臨み、三度の審査を通った1人だけが世子嬪に選ばれた。

このようにして世子嬪になって宮中で何も問題を起こさなければ、世子が国王になった時点で世子嬪は王妃になる。

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しかし、この“何も問題を起こさなければ”というのが意外と難しい。その理由は、夫である国王に寄り添いながら、男尊女卑の象徴である「七去之悪(チルコジアク)」をうまく避けなければならなかったからだ。

この「七去之悪」とは何か。これは、夫が妻を離縁して追い出すことができる7項目のことで、朝鮮王朝時代には法律にもなっていた。その7項目は以下の通りだ。

◆舅や姑に従わなかった
◆子供を産まなかった
◆淫行をした
◆嫉妬深かった
◆病気になった
◆言葉で失敗をした
◆盗みを働いた

この中で1つだけでも該当すると夫は妻を追い出すことができた。それは王妃にも適用されることだった。

過去に、宮中でも “嫉妬”を理由に王妃の座を追われた女性がいた。こんなことで追い出されるのなら、ささいなことでも何でも理由にされてしまう。

そのため、国王がどれだけ多くの側室を抱えていても、嫉妬すれば離縁されてしまうため、側室を「目のカタキ」にすることができなかったのである。

追い出されないためにもただ辛抱するしかない王妃たち。女性としては非常に辛いことではあるが、それは仕方のないことだった。

文=大地 康

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