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蚊の季節はこれから!? 天然成分を使った手作り蚊取り線香と防災月間

  • 2024.8.20

夏のガーデンのお悩みの一つが、あたりを飛び交う蚊。少し暑さが落ち着いてくるこれからのシーズンが蚊に用心したい季節です。日本の蚊対策の定番と言えば蚊取り線香ですが、じつはこの蚊取り線香、意外と簡単に作ることができます。天然の殺虫成分である除虫菊を使った蚊取り線香を手作りするのは、ハーバルセラピストの資格を持ち、ペットのための自然療法も学ぶ海野美規さん。お好みの精油も加えて、人や犬にやさしい天然の虫よけ対策にオリジナルな蚊取り線香を作ってみましょう。

蚊の季節はこれから

蚊
encierro/Shutterstock.com

今年の夏は「危険な暑さ」というフレーズを随分と耳にしました。そろそろ涼しさを感じたいですね。

ここ数年、8月に蚊に刺されることが少ないという話をよく聞きます。実際、私も犬の散歩で公園に行っても、蚊があまり飛んでいないと感じます。

蚊は気温が25~30℃の時に活動が活発になり、35℃を超えると葉の裏など日陰に身を潜めるようになるそうです。したがって、涼しくなるこれからの季節こそ蚊が活動しやすくなり、増えてくるとみられます。蚊の季語も季節が変わってしまうかもしれません。犬の散歩や庭仕事の際は、これからも油断せず虫除けをしなくてはいけないですね。

蚊取り線香と除虫菊

蚊取り線香
StreetVJ/Shutterstock.com

蚊の対策として、蚊取り線香は古くから親しまれてきました。蚊取り線香は、除虫菊の有効成分ピレトリンを線香に練り込んで作られています。

除虫菊
除虫菊の花。Oleg Kovtun Hydrobio/Shutterstock.com

除虫菊の原産国は地中海・中央アジアで、セルビア共和国で発見された植物です。この花は古くから殺虫効果があることが知られていました。

蚊取り線香などの殺虫剤のメーカーで知られているKINCHO(大日本除虫菊株式会社)の創業者山上氏が、明治19年(1886)にアメリカのH.E.アモア氏から除虫菊の種子を贈られ、おなじみの渦巻型の蚊取り線香を作り出しました。上山氏は和歌山県や広島県・香川県を中心とした瀬戸内地方、北海道など、日本の各地で除虫菊の栽培を奨励し、しまなみ海道の因島は、5月になると除虫菊で島が真っ白に埋め尽くされていたそうです。しかしながら、化学薬品の普及により産業としての栽培は終了し、現在は観賞用として栽培され、広く島民に愛されています。こうした経緯から、除虫菊は旧因島市の花に制定され、現在も島のシンボルとなっています。

手作り蚊取り線香

手作り蚊取り線香

蚊が心配なこれからの季節に向けて、除虫菊パウダーを使った蚊取り線香を手作りしてみませんか? 意外にも、とても簡単に作ることができます。ラベンダーやミントなどお好みの精油を加えてもいいですね。

<材料>

蚊取り線香の作り方

・除虫菊パウダー

ここで使用した「かえる印の天然除虫菊パウダー」は100%天然除虫菊の乾燥粉末で、人やペット(哺乳類)への安全性が高い害虫防除剤。また、プランターの下や、畑にまいて使うこともでき、散布後は自然に分解されるため環境負荷がほとんどないとされる、人にも地球にも優しい天然殺虫剤です。ただし、魚類や両生類、カブトムシなどの昆虫には毒性があるので、これらの生き物の近くでは散布しないようにしましょう。

・タブ粉

蚊取り線香の作り方

﨓(タブ)は、クスノキ科の常緑高木で、別名「イヌグス」。この木の樹皮を粉にし、お香やお線香の基材・つなぎとして利用します。

・水

・精油(レモングラス 、ラベンダー、ゼラニウム、ミント、シトロネラなど)

・乳鉢・乳鉢

・コーン型(クリアファイルで作ります)

蚊取り線香の作り方

不要になったクリアファイルを半円形に切り抜き、円の中心を頂点に円錐形に丸めてコーン型を作ります。

手作り蚊取り線香の作り方(コーン型線香約3個分)

1.除虫菊パウダー(小さじ1)、タブ粉(小さじ1)を乳鉢に入れます。

手作り蚊取り線香の作り方

2.乳棒でよく混ぜます。

手作り蚊取り線香

3.水を小さじ1くらいから入れて混ぜます。様子を見ながら、形を整えやすい軟らかさになるまで少しずつ水を加えていきます。

蚊取り線香の作り方

4.よく混ぜて練ります。

蚊取り線香の作り方

5.途中で精油を2〜3滴加え、さらに練り混ぜます。

手作り蚊取り線香

6.3等分にして、コーン型に入れて形を整えます。

手作り蚊取り線香

7.2〜3日ほど陰干しします。乾燥したら出来上がりです。

蚊取り線香の作り方

*しっかり乾燥しないと火が消えてしまうので、ひっくり返して底も乾燥させましょう。

ペットとの災害対策

9月は防災月間です。蚊の対策と合わせて、防災についても確認しておきたいと思います。

このところの気候では、9月の台風シーズンにとどまらず、高温、ゲリラ豪雨、落雷、突風など、常に災害に繋がりそうな気象状況になりやすいようです。

加えて、私の住む静岡は、南海トラフ地震想定震源域になっています。巨大地震注意情報が出されてから、スーパーマーケットでは、お米や水が売り切れ(他の要因もあるようです)だったり、1家族1ケースのみの販売になっていて、一層不安が募りました。「本当に巨大地震が来るかも」と思い、物置の奥に仕舞い込んでいた避難グッズを確認しました。ペットのいる家庭では、ペット用の避難グッズも必須です。

飼い主とペットが共に災害を乗り越えるために、日頃からの備えがとても大事ですね。

人とペットの災害対策ガイドライン

先日かかりつけの動物病院に行った時、「人とペットの災害対策ガイドライン(環境省発行)」の冊子が置いてありました。ペットとの同行避難について、避難生活について、ペットのしつけと健康管理など、いま一度確認して準備をしておきたいですね。

冊子の内容はこちらでも読むことができます。

Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。

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