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「PTA活動はやりたくない」という人へ

  • 2024.8.20
出典:あんふぁんWeb

あんふぁんWebをご覧のみなさん、こんにちは!子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長の杉山です。8歳差の娘たちは一緒に小学校に通うタイミングがなかったので、合計で12年小学校に関わりましたが、そのうち10年くらいPTA役員をしていました。

PTA、好きです

PTAをしていたうち5年が会長。おかげで10月には住んでいる自治体から「功労者」として表彰されることになりました。この4月からは次女が通い始めた中学校ですぐさま副会長となりました。もう少しPTA生活は続きそうです。そんな経歴を話すと、「好きですね~」と、やや揶揄したような言い方をしてくる人がいますが、すかさず「はい、好きなんです」と答えて、弱冠引かせています(笑)。

でも、これが正直な気持ち。本当に好きなんだと思います。

やりたくないという気持ちもすごくわかります

PTA活動については、アレルギー的に拒絶している人が多いことも重々承知しています。

PTAの役員や委員を決めるときに誰も手を挙げなくてチキンレースのような状況になったという話もよく聞きますし、ネットには嫌な思いをした人たちの言葉であふれています。しかも、子どものころから見てきたドラマや映画でPTAは常に敵。そりゃイメージが悪すぎます。

実際にデメリットに感じそうなこともあります。

まず、具体的に時間を取られる。何もなければ家でゆっくりできる時間に学校に行ってイベントを手伝ったり、作業をしたりすることもあります。いろいろな企画を考えたり、文書を作って送ったり、連絡をしたり、仕事でもなく、家族のことでもない作業はそれなりに多いと思います。

忙しい人にとってはそりゃやりたくないですよね。活動をする中で、学年が違う保護者や先生ともコミュニケーションをとることが増えます。意図せず関わる人が増えるということを面倒に感じる人にとっては近づきたくない世界なんだと思います。しかも、やらないで済む人と、やらなきゃいけない人がいる不公平感もあります。

誰にでも得手不得手、好き嫌いはありますから、理想を言えば、好きな人がやることで成立すればいいことなんですが、どうしても人数的にやりたくない人もやらないといけないからこそ軋轢が生まれるんだと思います。

最近は、希望者だけでPTA的な活動をする学校もありますが、そうじゃないところが圧倒的に多いのも事実。なんとも悩ましいところです。

ただ、やっている方からすると、食わず嫌いをせずに関わってみると楽しめる要素もあると思うので、まあちょっと聞いてみてもらえませんか?

繋がりが増えることが具体的なメリットだと思う

面倒に感じる人もいる前提ですが、やっぱり人のつながりが増えることは世界が広がると感じています。それも意図せずに繋がったからこそ、予想外の広がりになるんです。

まず、娘とは違う学年のパパママは、持っている情報が違います。それは噂レベルのものも含めて玉石混交ではありますが。例えば、近所の飲食店や病院などの情報もそうですし、周りの小学校や中学校のこともそう。学校の先生の評判も様々です。

先生たちともつながるので、授業参観ではわからない姿を見ることもできますし、何か困ったことがあったときも気軽に話せます。それは校長先生もしかり。

さらにわが子じゃない子どもたちともつながります。PTAをしていなかったらせいぜい娘の友達までしか範囲が広がらないところですが、娘も話したことがない子とも話せる関係になったりします。周りの子たちのことを知ることは、いろいろな個性を知ることにも繋がります。あれ?うちの娘、意外としっかりしているかも?なんてことに気が付くこともありました。

ちなみに、この子どもや保護者との繋がりは卒業後も続くことがあります。我が家の場合、もう長女が成人している年齢なので、最近は地元の飲食店に行くと、小学生のころから知っている子たちと遭遇することもあり、一杯おごってあげることも。これは地元のおじさんとして、なんだか楽しい時間です。

もちろん、これらすべての繋がりは面倒だと感じる人にとってはむしろ嫌なものだと思いますが、割と人が好きなタイプの僕みたいな人は最高に楽しいです。

「スーパーで割引品を買っているところを見られるのが嫌」なんて声を聞いたこともありますが、もはやそんなところに見栄を張る気はないので、僕はへっちゃらです。

口だけ出す大人になってほしくない

さっき、やりたくない人はやらないでもいい思う、とは言いましたが、そういう人たちにお願いしたいのは、何もやらずにクレームを言ったり、想像だけで悪い噂を流すことはやめてもらいたいです。

やらないなら言わない。

それでいいと思いませんか? でも、実際はそういう大人がたくさんいます。「なんでこんなにつまらないイベントしかできないの?」とか、こっそり言っているのを知ってしまうこともあります。何せこちとら繋がりが広いですから(笑)。

僕自身、こういう大人になりたくなかったし、何よりわが娘たちにこういう大人になってほしいと思わなかった。だったら自分は楽しいことをするために積極的にかかわる姿でいたいと思ったんです。

娘たちがそれをわかってくれているかはわかりませんが、少なくとも関わっていないことに余計な口出しをしている姿はまだ見たことがありません。ありがたい限りです。

頑張った対価がお金じゃなくてもいい

もうひとつ。

「PTAは所詮ボランティア」と言う人もいます。確かにお金をもらってやっているわけではありません。稼ぐのにいっぱいいっぱいの中で、稼ぐことに繋がらないことに時間を使うのは非効率だと考える気持ちもわかります。

でも、僕は何か頑張ったことの対価がお金じゃなくてもいいと思っています。楽しい時間、喜んでくれる子どもたちの顔、達成感とか、そういうもので十分です。これも娘たちに感じてほしかったこと。いろいろな人のために頑張っていたらお金に困ったときに助けてくれる人も出てくる(…かもしれない)。

もちろん生きていくうえでお金も大事ですけど、そうじゃない大事なものもあると、僕は思うので、もうしばらくはPTA活動をできるだけやっていこうかと思います。

もし、共感してくれる人がいたら、ただうれしいなと思います。

ちなみに、一度PTA役員などをやると「あの人は頼めばやってくれる」という情報が地域で回り、やたらといろいろなところから声がかかりまくるのだけは、実際ちょっと困ることもあります。ま、とはいえこちらも嫌いじゃないので声をかけていただけたらやります。おかげで4月から地域委員の副会長(おそらく最年少)を拝命しました。

どうやらPTAが終わっても、まだまだやることは増えそうです。

この記事を書いたのは

出典:あんふぁんWeb

杉山錠士

1976年、千葉県生まれ。兼業主夫放送作家(株式会社シェおすぎ所属)。子育てポータルサイト「パパしるべ」編集長。ファザーリング・ジャパン会員。アドラー心理学勇気づけ勉強会ELMリーダー。品川区内小学校の現役PTA会長。20歳と12歳という年の離れた2人の娘を子育てする兼業主夫放送作家として、「ちょうどいいラジオ」(FMヨコハマ)「宮﨑薫のHump Night With Me」(TOKYO FM)などFMラジオを中心に情報番組、子育て番組などの構成を担当。「日経DUAL」をはじめWEBメディアでは各種コラムや記事を執筆。地域ではPTA会長やパパ会運営を歴任。FJ内プロジェクト「秘密結社 主夫の友」では広報を担当。「日大商学部」「筑波大学」や大田区両親学級、品川区男女共同参画課などで講演を実施。

■著書

*新ニッポンの父ちゃん~兼業主夫ですが、なにか?~(主婦の友インフォス情報社)

*急に「変われ」と言われても(共著:熊野英一 小学館クリエイティブ)

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