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「絶対に助からない…」"世界の終わり”を描く映画(4)。突如、悪夢に包まれたら…”破壊王”が描く黙示録

  • 2024.8.20
監督を務めたのは、ハリウッドの破壊王ことローランド・エメリッヒ【Getty Images】

新型コロナウイルスの流行によって人々の暮らしは一変した。今後、さらに恐ろしい災難がやってこないとは限らない。今回は世界滅亡の危機を描いた作品を5本セレクト。惑星衝突、パンデミック、異常気象…。映画を通じて”世界の終わり”を追体験することで、いつかくるかもしれないXデーに対して心の準備をしておくことは無駄ではないだろう。今回は第4回。(文・寺島武志)

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『デイ・アフター・トゥモロー』(2004)
原題:The Day After Tomorrow
製作国:アメリカ
監督:ローランド・エメリッヒ
脚本:ローランド・エメリッヒ、ジェフリー・ナックマノフ
キャスト:デニス・クエイド、ジェイク・ギレンホール、イアン・ホルム、エミー・ロッサム

【作品内容】

主人公は、温暖化による地球の未来を案じている気象学者の男。気候変動に強い危機感を持ち、政府にも警告を発するが、取り合ってもらえない。その直後、気候変動によって突然、地球に氷河期が訪れる。急激な気温の低下による凍結、そして竜巻や雹(ひょう)などの異常気象。

東京やロンドン、そしてロサンゼルス…。世界の大都市が急転直下の大災害に見舞われ始め、将来的に起こると思われていた氷河期が現代に到来するディザスター作品だ。

【注目ポイント】

南極において、大規模な氷河の崩壊は現実に起きていることであり、異常気象や海面上昇も、世界各地から報告されていることから、本作で描かれるような未来は現実に起き得る。にもかかわらず、現実を見ると、地球に住まう我々は、手をこまねいてばかりだ。大国の首脳は、地球温暖化になど無関心であり、その割を食うのは常に途上国である。

人間が、真に環境問題に向き合う上で、本作で描かれているような事態に遭遇しないかぎり、目を覚ますことはないのではないだろうか。

いくら、文明や化学が発展したところで、自然の力の前には無力である。もし仮に、地球が”意思”を持っているとしたら、人間に対して、罰を下すのは、時間の問題かもしれない。本作はエンタメ大作として楽しめる半面、そんな危機感をヴィヴィッドに伝えてくれる作品である。

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