開催国や都市は変われど、記録破りのジ・エラズ・ツアー(THE ERAS TOUR)で終始変わらないのが、テイラー・スウィフトの衣装の華やかさだ。「ビジュエルド(宝石を散りばめた)」という曲名にちなんでなのか、彼女はこれまで煌めくクリスタルやビーズをふんだんに使ったルックを好んで着用し、ステージで眩い輝きを放ってきている。
その魅惑的な衣装の多くは、繊細なビーズ細工で知られるレバノン生まれのデザイナー、ズハイル・ムラド(ZUHAIR MURAD)によるものだ。そして8月16日にウェンブリー・スタジアムで行われたロンドン公演で、スウィフトはムラドが新たに手がけた衣装をお披露目した。
すでに本ツアーのために3着ものルックを制作しているムラドが今回打ち出したのは、シルバーの星と半月モチーフが散りばめられたネイビーのボディスーツ。裾にブルーとシルバーのビーズフリンジがあしらわれたデザインは1万500個ものクリスタルビーズを使用していて、180個もの大小さまざまな星が煌めく。製作時間は実に120時間以上。アトリエの職人たちが3週間かかりきりで作り上げたという。
「今回、テイラーは星と月をフィーチャーしたデザインをイメージしていました」とムラドは最新のピースについて言う。「テイラーのインスピレーション源とロマンティシズム好きな私のスタイルが完璧に融合した象徴的な1枚で、これまでで最高の出来かと。私は昔からずっと力強いシルエットをデザインしてきたので、それが自然とステージ映えするのだと思います」。ヴェルサーチェ(VERSACE)やエリー サーブ(ELIE SAAB)などによるカスタムルックと並んで、彼の衣装もツアーにとって外せないピースになっているのだ。
Text: Christian Allaire Adaptation: Anzu Kawano
From VOGUE.COM