産後ママの深ーい悩み「抜け毛」どうすれば…？ 原因と対処法、“元美容師”が解説します

2023年11月に第3子を出産したギャル曽根さんは2024年春、産後の抜け毛の悩みについて自身のブログを更新。大量に抜けた髪の写真を公開しました。産後の抜け毛は子育てママの悩みの種です。「薄くなった前髪」や「床に散らばる抜け毛」を見て、不安感を覚える人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、抜け毛の原因と対処法を元美容師の筆者が解説します。

前髪がスカスカに…切実な悩み

SNSでは「産後の抜け毛」についての投稿が多数あります。抜け毛に悩むママの声をX（旧ツイッター）から集めてみました。

「産後4か月、抜け毛がひど過ぎて1日何度掃除機を掛けているか分からない。前髪の辺りハゲてきた気がする」「産後ハゲによって大量のロングヘアの抜け毛が散乱しすぎて、ルンバくん開始1分で髪の毛が詰まって停止したw」「産後の抜け毛なめてた。パッサパサだし風呂の排水溝は掃除1日サボると詰まる」「昨年出産したけぢ私も抜け毛すごかった。風呂入っても髪すいても結んでも、何しても抜けて、どんどん前髪がシースルーになっていった。私は産後7か月くらいでやっと落ち着いて、短い毛がぴょんぴょんし出した。今は耐えるしかない」「産後の抜け毛で、気が付いたM字型に前髪が後退。父と同じだ！前髪だけでも切りにいかねば」

特に前髪の薄毛を気にする女性や、掃除機掛けや排水溝掃除の際に抜け毛の多さを実感する女性が多いよう。

筆者自身、産後の抜け毛を経験した一人。授乳中のわが子の顔に落ちる髪の毛を見て、何度ため息を付いたか分かりません。

産後の抜け毛、原因は主に二つ？

産後は女性ホルモンである「エストロゲン」の変化により毛周期（毛が生えてから成長し、抜け落ちるまでの毛の周期）が乱れます。

エストロゲンとは髪にツヤを与えたり、髪の成長を促進させる働きがあるホルモン。出産間近ではエストロゲンの分ぴつ量が増え、髪の成長期間は伸びます。しかし産後になるとエストロゲンの分ぴつ量は減少し、髪への栄養供給がストップ。髪の成長は止まり、脱毛の準備に入るのです。

本来、毛周期は1本1本違うのですが、毛周期が乱れることで毛の成長周期が重なってしまうため、抜け毛が多くなると言われています。

また、生活環境の変化が抜け毛の原因になることもあります。慣れない育児と家事でストレスがたまる、夜間授乳や夜泣きの対応で睡眠時間が短くなる、などです。過度なストレスや睡眠不足はホルモンバランスの乱れを引き起こし、髪の成長を助けるエストロゲンを減少させてしまう可能性があります。

他にも、育児中は料理に手が回わらず、おにぎりのみ、パンのみといった簡単な食事で済ませることもあるかもしれません。しかし摂取する栄養が足りなければ、髪や頭皮に十分な栄養が行き届きません。このように産後の生活環境が大きく変化することで、体内の調整機能が乱れ、抜け毛を引き起こす原因につながるのです。

抜け毛は産後2～5か月頃からはじまり、4～6か月頃がピークだと言われています。抜け毛が落ち着くのは毛周期が整う頃。個人差はありますが、産後6か月～1年くらいです。その頃になると毛の抜ける量は徐々に少なくなり、新しい毛が生えてくるとされています。

（蛯原もえ香）