「ミートソースなんて貧乏人が食べるもの！」許せん…客をバカにする店員に制裁を！

私と夫の趣味は、おいしいごはんを食べること。週末は外食をするのが習慣になっています。そのため、私も夫もリサーチに余念がありません。外出するたびに、素敵な飲食店を探しています。その日も気になるお店を見つけて気分よく歩いていると、変な男性にぶつかってしまいました。大きな声で電話をしていて、周囲に目が向いていなかったようです。謝って立ち去ろうとしたのですが、何を思ったか、その男性は私をナンパ。無視しようとしたものの、あまりにもしつこかったので既婚者だと告げました。すると男性は急に態度を変え、「残念な顔をした女が調子に乗りやがって」 と暴言を吐いたのです。

まさかの再会にゲンナリ

最悪な気分だったので、その日は夫とお気に入りのレストランでランチをすることにしました。食べたかったのは夫婦ともに大好きなミートソーススパゲティ。オーダーしようと思い店員さんを呼ぶと、なんとさっきのナンパ男でした。

ナンパ男と目が合った瞬間、舌打ちをされた私。呼んだにもかかわらず、素通りしてどこかにいってしまいました。幸いその様子を見たベテラン店員さんが駆けつけてくれ、無事オーダーできました。

しかしオーダーしたミートソーススパゲティを運んできたのは、あのナンパ男！ ニヤニヤ笑いながらやってきて、テーブルに着く直前手が滑ったふりをして、料理をぶちまけたのでした。幸い私たちの服にはかかりませんでしたが、テーブルの上はミートソースだらけに……。

謝罪もなく、ナンパ男は「うちは高級店！ 安いメニューしか頼まない貧乏人は帰れよ」と言います。ナンパを断ったことでここまで酷いことをされるなんて、思ってもみませんでした。

たしかにミートソーススパゲティはそのお店で一番安いメニューですが、長年作り続けている自慢のメニューと聞いています。貧乏人のメニューと言われて、なんだか傷つきました。

隠されていた事実

騒動に気づいたベテラン店員さんが慌てて駆けつけて、必死に謝らせようとするものの、ナンパ男はえらそうなまま。こんな貧乏人の客が来たら店の格が下がると、ブツブツ言っています。

「俺がオーナーだったらこんな客いれないのにな〜」とナンパ男。それを聞いてベテラン店員さんは焦った様子。それもそのはず、この店のオーナーは夫なのです。

これまで無礼を働いていた客がオーナー夫婦だと知ったナンパ男は、これまでの威勢の良い様子とはうって変わり真っ青に……。

なぜこんな男と雇ったのかと夫に聞くと、どうやらナンパ男の母親が、以前この店のアルバイトリーダーだったよう。かなりのやり手でとても助けられたそうです。

彼女はもう引退したものの、息子を雇ってほしいと頼まれて雇ったのでした。

ダメ店員に制裁を！

しかしいくら恩人の息子であっても、これ以上雇うことはできません。土下座で謝り続けるナンパ男でしたが、辞めてもらうことにしました。この店でちゃんと働かないと母親に家を追い出される、借金が返せないと大騒ぎしますが、知ったことではありません。

夫から彼の母親に一報入れたようで、しばらくして母親が駆けつけてきました。まるで般若の形相！ 震えあがる息子を店の外に引っ張りだし、説教が始まりました。

あんなにいきがっていたナンパ男でしたが、母親には頭が上がらないよう。はらわたが煮え繰り返るくらい怒りを感じていた私でしたが、彼の母親に任せておけばしっかりお灸を据えてくれそうです。なんだかスッキリしました。

結果オーライ！

あれからあのナンパ男がどうしているのか、私にはわかりませんが、彼の母親は息子が迷惑をかけ、お客様の信用をなくした分を取り返すと言って、店に復帰してくれました。

彼女の仕事ぶりやサービスは素晴らしく、すでにナンパ男がなくした信用は取り戻しているでしょう。しかも彼女の勢いに引っ張られ、店のスタッフもどんどん磨かれて、店の評判もうなぎのぼりです。

このお店の料理やサービスが最高なのは、もしかしたら彼女が築き上げたものなのかもしれないとさえ思います。最悪な思いをしましたが、彼女が戻ってきれくれただけで結果オーライ！ これからもおいしいミートソースを食べられて幸せです。

オーダーした料理がお店の最安値のメニューだったからといって、貧乏人呼ばわりは失礼な話ですね。見た目や振る舞いなどで態度を変えるのは一流のサービスとは言えません。心からのサービスが長年愛される秘訣なのでしょう。

---

著者：ライター ベビーカレンダー編集部／ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部