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生田絵梨花さん「私は一人じゃない」と思えた日。主演ドラマ『素晴らしき哉、先生!』で高校教師役

  • 2024.8.17

俳優の生田絵梨花さんが高校教師に扮するドラマ『素晴らしき哉、先生!』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が8月18日からスタートします。生田さんにとって、地上波連続ドラマ初主演となる本作。理不尽な教育現場を舞台に、破天荒ながらも生徒のために奮闘する教師2年目の役柄に、どのような思いで挑んでいるのか聞きました。

現場の空気感に支えられて

――初主演と聞いた時の率直な感想を教えてください。

生田絵梨花さん(以下、生田): うれしさはもちろん、それを上回るくらいの緊張感や、「私に務まるかな」「“先生”という役ができるかな」といった不安がありました。撮影が進んだ今は、そういったプレッシャーも込みで、新米教師の主人公に自分を重ねつつ、毎日体も心も汗をかきながら楽しんでいます。

――今回の撮影現場で、特に意識していることはありますか?

生田: 私はもともと、誰に対しても自分から積極的にコミュニケーションを取ることがあまり得意ではないという自覚があるんです。でも、この作品では、自分で壁を作ることをせず、心を開こうと意識しています。

そうかと言って、主演として行動できているかは、自分では分かりませんが……。現場の空気感が私にとっては本当に心地よくて、みなさんに支えられながら頑張ることができています。あまり自分をつくろうことなく、背負いすぎずに、本音を伝えながらコミュニケーションができているなという感覚はあります。

朝日新聞telling,(テリング)

「私だって人間だもん!」

――演じる高校教師・笹岡りおは、自分の感情にとても素直で、ストレスフルな教員生活についてSNSの裏アカウントで愚痴も吐く。そんな人間らしさが魅力だと思います。役を演じる上で共感できる部分はありますか?

生田: 共感というか、りおのセリフにある「教師だって人間なんだよ!」は、私もこの仕事をするうえでたまに置き換えられるシチュエーションがあるかもなと思いました。例えば、カメラの前やステージに立つ時、自分の中では気持ちを鼓舞することで精いっぱいなのに、周りからは完璧に見られがちなのか、「全然緊張していないね」などと言われて。「いやいや、そんなことない。緊張しているよ。私だって人間だもん!」と心の中で思うこともあるのかもなと。

――共演者の方々との演技で、印象に残っていることは?

生田: りおは、ポジティブな方向にもネガティブな方向にも感情の振り幅が大きい。悲しい、悔しいという負の感情をガッと出すシーンの時、なかなか自分の演技と役がうまくコネクトできず、6時間ぐらい同じシーンをトライさせてもらったことがありました。

その日は、孤独になりそうな瞬間がたくさんありましたが、シーンで一緒だった副担任役の葉山奨之さんと先輩教師役の桐山漣さんが、声をかけてくださることもあれば、私一人で気持ちを集中するタイミングも作ってくださって。お二人にも、スタッフのみなさんにも、ずっと待っていただきました。「私は一人じゃない」と思えましたし、人の温かさに触れることができた、大切な一日でした。

朝日新聞telling,(テリング)

枠にとらわれず、自分らしさを

――りおは、いわゆるZ世代(1990年代後半~2010年頃生まれ)です。27歳の生田さんは、自分たちがZ世代と呼ばれることについてどう思いますか?

生田: 実は私、自分がZ世代だとは知らなかったんです(笑)。自分よりもっと年齢が下の人たちのことだと思っていました。今回、「Z世代とは」と調べてみたら、自分がまさにその世代だと初めて気づきました。

ドラマの中では、昭和世代の先生が、「ゆとりのZ世代」とか「自分の若い頃は……」などと言うシーンもありますが、私の中では、「Z世代だからこうだよね」というイメージがあまり湧かないんです。

――“世代”としてひとくくりにするのではなく、ご自身の個性を大切にしたい。そんな思いもありますか?

生田: そうですね……、もしかしたら、一つの枠にとらわれることなく、「あなたはそう思うかもしれないけれど、私はこんな風に思うよ」というように自分らしさを出す、そのマインド自体がZ世代を表しているのかもしれないですね。

朝日新聞telling,(テリング)

――学校生活だけでなく、家族や恋人との関係性といった、一人の女性としての生き方も描かれています。りおの働き方は、いまの過酷な教育現場を反映していますが、仕事とプライべートの両立について、自身と重なるところはありますか?

生田: ドラマの描写にもある数々は、教職に就いている先生方の経験でもあると伺いました。例えば、街中で、たまたま生徒や保護者に自分の姿を見られた時、そこでも“先生”としてのイメージを持たれて、「先生なのに、こんなことしていいんですか?」と問われることがあるそうです。職場の外でも、自分の行動に注意を払うこと。それは、この仕事をしている私にもリンクする部分があるのかもなと思いました。

――本作を通して、生田さんがみなさんに注目してほしいところは?

生田: 私が演じるりおだけでなく、きっと誰しも、仕事場での自分の立場と、プライベートの素の自分との葛藤で心が揺れ動いたり、色々な人間関係の中で板挟みになったりしながら、一生懸命生きているのではないでしょうか。みなさんがこのドラマを見て、生き方に共感していただけたらうれしいですし、この作品が、少しでも見てくださる方たちのエールになれたらいいなと思っています。

■小島泰代のプロフィール
神奈川県出身。早稲田大学商学部卒業。新聞社のウェブを中心に編集、ライター、デザイン、ディレクションを経験。学生時代にマーケティングを学び、小学校の教員免許と保育士の資格を持つ。音楽ライブ、銭湯、サードプレイスに興味がある、悩み多き行動派。

■植田真紗美のプロフィール
出版社写真部、東京都広報課写真担当を経て独立。日本写真芸術専門学校講師。 第1回キヤノンフォトグラファーズセッション最優秀賞受賞 。第19回写真「1_WALL」ファイナリスト。 2013年より写真作品の発表場として写真誌『WOMB』を制作・発行。 2021年東京恵比寿にKoma galleryを共同設立。主な写真集に『海へ』(Trace)。

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