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ついにラスボス登場? 闇堕ちした木村文乃よりも恐ろしいキャラはまさかの…? ドラマ『スカイキャッスル』第4話考察レビュー

  • 2024.8.17
『スカイキャッスル』第4話 ©テレビ朝日

松下奈緒主演のドラマ『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)が放送中。人気韓国ドラマを原作とした本作は、高級住宅街「スカイキャッスル」を舞台に、秘密を抱えたセレブ妻たちによる壮絶マウントバトルが描かれる。今回は、第4話のレビューをお届け。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:菜本かな】
メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

『スカイキャッスル』第4話 ©テレビ朝日
『スカイキャッスル』第4話 ©テレビ朝日

【写真】木村文乃の闇落ちに震える…不穏さ漂う劇中カット。ドラマ『スカイキャッスル』劇中カット一覧

「世界は平等にできてはいない。生まれた瞬間から、恵まれた者とそうではない者がいる。そして、そこに諍いが生まれる」

『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)第4話の冒頭で、泉(木村文乃)はそう語っていた。ここで彼女が指している“恵まれた者”とは、瑠璃(新井美羽)のことで、“そうではない者”は未久(田牧そら)のことなのだろう。

しかし、はたから見て“恵まれた者”だった遥人(大西利空)が心に闇を抱えていたように、親子の問題は一筋縄ではいかない。たとえ、親が惜しみなくお金を注ぎ込んでくれるからといって、本人が幸せなのかどうかは分からないのだ。

とくに、二階堂家の一人息子・翔(柴崎楓雅)なんかは、父の亘(鈴木浩介)の圧力に屈して勉強をさせられているように見える。浅見家の瑠璃だって、今は楽しく勉強ができているようだが、もしもスランプが訪れたら? 落ちこぼれの妹・真珠(白山乃愛)のような扱いをされるようになったら、母親の紗英(松下奈緒)に憎しみに近い感情を抱きだすかもしれない。

母親の治療費を稼ぐために、危ないバイトをして生計を立てている未久からしたら、「お金の心配をしなくていいなんて幸せじゃない」という感じかもしれないが、みんなそれぞれ恵まれている環境の裏には、満たされない想いがあったりする。たしかに、お金の問題だけを取り上げるのなら、未久はスカイキャッスルで暮らす子どもたちに比べて“恵まれていない”と言えるだろう。

しかし、未久は母親のことを愛し、母親からもたっぷり愛されていた。勉強ができてもできなくても、希美(映美くらら)は変わらずに未久のことを愛し続けていただろう。そう考えると、“成績が良ければ愛される”、“成績が下がれば見捨てられる”という曲がった価値観を持ちながら生きているスカイキャッスルの子どもたちよりも、恵まれているような気がしてくる。

『スカイキャッスル』第4話 ©テレビ朝日
『スカイキャッスル』第4話 ©テレビ朝日

また、未久は今後の『スカイキャッスル』において、裏のキーマン的存在になってきそうだ。希美の死後、紆余曲折あり、浅見家に居候することになった未久。彼女は、自分の父親が英世(田辺誠一)であることを、希美が遺した写真を見て知ってしまった。紗英は、希美の存在は知っているが、未久が英世の子どもであることは気づいていないのだろう。

次週予告で流れた「お母さん、とうとうこの家に入り込んだよ」という未久のナレーションにも、ゾワっとさせられる。スカイキャッスルの住人たちを牛耳っている紗英のポジションを揺るがすのは泉だと思っていたが、そこに未久が介入してくる可能性も…?

しかし、どう考えても浅見家になんて預けたら、未久が幸せになれるはずがない。それなのに、なぜ泉はわざわざ頭を下げてまで、紗英に未久のことを頼み込んだのだろうか。“それしか方法がなかった”と言われてしまえばそこまでだが、ちょっぴり想像力が欠如している気がする。

『スカイキャッスル』第4話 ©テレビ朝日
『スカイキャッスル』第4話 ©テレビ朝日

それにしても、泉の夫・公平(大谷亮平)がいい人すぎやしないだろうか。泉の意志を尊重してはいるけれど、言いなりではない。泉が、冴島家を題材にした小説を書くことについて、「帝都大学病院のブランドイメージが損なわれる可能性がある」「家の資産価値が下がったら責任を取れるのか」「南沢さんは、それを許したんですか?」と責められても、「妻の創作活動に、夫の許しが必要だとでも?」と冷静に斬っていく。

正直、「話題性のために人の不幸を小説にして、社会派ぶる偽善者にわたしたちが振り回されるのは理不尽でしょ?」と言う紗英の気持ちも分からなくはない。泉は冴島家の人たちに許可取りをしていなさそうだし、まだ悲しみが癒えていないなか、勝手に小説として昇華されるなんて、気分のいいものではないだろう。

「あの悲劇と、わたしたちの日常は続いている」と泉は言っていたが、だからといって小説にする必要はあるのだろうか。『スカイキャッスル』を全力で楽しむためには、南沢家を応援した方がいいのは分かっているが、泉の思惑がいまいち読めないため、「…小説にしなくてもいいのでは?」と思ってしまう。

ちなみに、泉は過去に受験期の少女の葛藤と、養護施設を舞台にした教育格差の現実を、小説に書いたことがあるらしい。2つとも、実話をフィクションに昇華させたものなのだろう。「これ以上、小説の邪魔をすると、わたしだって何をするか分からないわよ?」と言いながら、紗英を睨みつけた泉。初登場シーンはあんなにも爽やかだったのに、どんどん“闇堕ち”していっている気が…。

泉が、どれだけ否定されても小説にこだわっている理由が明らかになれば、『スカイキャッスル』はさらに面白くなっていく予感がする。また、“ラスボス”として控えている九条(小雪)が動き出すのも楽しみだ。

(文・菜本かな)

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