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奴隷から総理大臣に! どんなピンチも とにかく明るい高橋是清とは?【夫婦・子育ていまむかし Vol.25】

  • 2024.8.16

ウーマンエキサイトをご覧の皆さん、こんにちは。tomekkoです。

突然ですが、ここ数年なんとなく停滞気味だった自分自身の活動を振り返って、今年はいろいろと新しいことに挑戦しているんです。でもそれってすごく不安で、今より悪くなるのではないか? 失敗したらどうしよう…と生粋のネガティ部メンタルが噴き出して仕方ないのです。

そんなさなかに高橋是清の生涯を知りました。

そうね、社会の教科書に載っていたのは知ってる。名前は誰でも聞いたことはあるでしょう。総理大臣もやってた気がする。

あとは名前の正義っぽさに引っ張られたのかなーんとなく品行方正な人のように思っていました。明治維新前後の人だし武士の厳しさは持ちつつ総理大臣までやるのだから賢くて政治力があったんだろうな…なんてふわっとしたイメージ。

人生の高低差が凄すぎる…!

ところがどっこい、調べてみると高橋是清って商魂逞しく成り上がったわけでもなく、気高い思想を掲げて民衆を率いたわけでもないんだけど、人生ひたすら天国と地獄行ったり来たりしてるような生涯でその波乱万丈ぶりに船酔いしそうなんです…!

幕府御用絵師の子、と言ったら何だか裕福で立派な感じがしますが、実はお手付きになった女中の子。生まれた是清は仙台藩の足軽の養子になって育ちました。

11歳の時には横浜にできたばかりの、宣教師のヘボン夫妻による塾に通い始めます。

ヘボン氏が医学、そして妻クララは英語を教えるヘボン塾で是清少年は初めて西洋の文化と英語に触れたんですね。

しばらく研鑽を積むと、留学のチャンスが訪れます。

14歳にしてアメリカ留学に向かう是清ですがここから地獄がはじまるのです…。

留学したら奴隷として売られた…!

なんと仲介した貿易商に渡航費や滞在費を着服され、さらにホームステイ先では英語がわからないのを良いことに騙されて奴隷契約にサインさせられてしまうのです!!

凡人ならここで自分の境遇を悲観したり呪ったりするところですが…。

ここで是清の天性の才能と生きる力が発揮されます。

というのも…是清は自分が奴隷になったことに『気づいてなかった』

「留学って厳しい勉強だなぁ」

と納得して働いていたそう。

14歳という若さでまだまだ世の中を知らなかったというのこともありますが、窮地を窮地と思わない鈍感力というかポジティブというか…。

いろんな家庭に転売され、辛い思いをしながらも、英会話を習得した是清は奴隷契約に気づき、江戸幕府からサンフランシスコの名誉領事を嘱託されていた人物を頼り、契約を取り消すことに成功!

ようやく日本に帰るのです…が!

時は1868年、明治元年。つまり…明治維新真っ只中でした!

留学前とは全く違う景色が目の前に広がっていたー。

故郷である仙台藩は幕軍、つまり征伐される側の賊軍になっていたわけで…帰るべき場所もなく途方に暮れた是清。

しかしここで救いの手が。同時期に帰国して外国人判事の職を得ていた森有礼から声をかけてもらい、森の書生として働いて、英語教師としての職を得ます。ところが、茶屋遊びなどで遊んでしまいその職を失います…。その後、文部省(現在の文部科学省)に入省するんですがーー。

てことで、足軽の養子から奴隷を経て文部省の官僚までいったんだから、これでめでたしめでたし…。

というわけにはいかず、ここからまた嘘でしょ!?という転落を経験します。

投資詐欺ですっからかんに…

今でいう投資詐欺でしょうか。南米ペルーの銀山の鉱山事業を持ちかけられ、出資して遥々現地まで出向いたところそこはもう掘り尽くされていたそうです…。

帰国した是清は35歳にして財産を全て失います。文部省の官僚から投資詐欺で無一文にって…こんなことあります?急展開すぎません?

でもね、またしても!是清を救い出す人がいたのです。

それは日銀総裁の川田小一郎。詐欺に引っかかり無一文のホームレスに日銀入行を勧める総裁とは、何とも夢のある話です。アメリカンドリーム的な映画のワンシーンにありそう。

是清、やっぱり“持ってる“なぁ。人間力がすごい!

そしてこの出会いが是清の才能を開花させたようです。

是清の財務能力は的確で効果的。

日銀総裁にも就任し、その手腕を買われ大蔵大臣も歴任した是清。日露戦争の資金を一人で稼いできた話は有名ですが、その手法は日本国債を海外で売ってくるというもの。

ロシアに日本が勝てるなど世界からは思われていない上、まだまだ開国して間もなく信用の無い日本国債をひとりで9億分も売るという途方もないミッションを成功させた是清の交渉力には驚愕させられますね。

また危機に対応する瞬発力と落ち着いた判断力もすごいんです。昭和2年の金融恐慌の際には片面だけ急拵えで印刷させた200円札を銀行窓口に積み上げて押しかけた民衆を鎮静化させました。この機転、数々の修羅場を潜り抜けて成功してきた人ならではだなぁ。

何度どん底を経験しても…とにかく明るくポジティブ

まんまるい見た目から『だるま宰相』という愛称で呼ばれた是清ですが、実際彼自身の人生は七転び八起き。

そもそも地頭が良くて高い能力を持っているのも間違いないのですが、転んでもサッと手を差し伸べてくれる人が常に周りにいるような感じがしませんか?

それって運なのかな? それとも人柄?

その答えが高橋是清本人の言葉にあります。

「境遇の順境は、心構え一つでどうにでも変化するものである。」

「授かった仕事が何であろうと、常にそれに満足して一生懸命にやるなら、衣食は足りるのだ」

逆境に嘆くことなく、いつも前向きに明るく頑張る人。

与えられた仕事はどんな内容でも一生懸命やる人。

生来の気質もあるでしょうが「自分に運は巡って来る」って信じていたんですって。何度も人生のどん底を経験して何度も何度も這い上がってきたからこその「深みのある言葉」に裏打ちされたポジティブさは眩しすぎる…。

ネガティ部員歴数十年の私、そう簡単には変身できないけれど、ひとつひとつの仕事を丁寧に頑張ること、そして新しいことに取り組む時ぐらい、不安を口にするより楽しみ!と口角を上げてみる努力をしてみたいと思います!

(tomekko)

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