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英才教育はムダ!? 教育熱心な親にありがちな「NG言動」5選

  • 2016.3.13
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【ママからのご相談】

4月から小学2年生になる女の子がいます。幼稚園のころから、塾や水泳、英会話などに通わせています。

でも、自宅では自分から全く学校や塾の宿題をやらないので、「早く宿題をやりなさい!」と叱ってばかりいます。

まだ低学年だから仕方がないとは思っていますが、中学受験を考えているのでこの先不安です。どうしたらよいのでしょうか?

●A. 熱心なママほど子どもの未来にレールを引きがち。何事も強制はNG。

こんにちは。中学受験の経験があるママライターのKOUです。

ご相談者さんは、お子さんが学校などの宿題を自分から進んでやらず、なかなか学習習慣がつかないことをお悩みなのですね。

学校から帰ってダラダラ過ごし、宿題をやらないお子さんを見ていると、イライラしてしまって「早く宿題やりなさい!」などと叱ってしまうのは、世の中のママたちがつい陥りがちな行為です。

知人の小学校教員によると、親から何度も「宿題やりなさい!」と言われると、お子さんは“やらされている感”が強くなって、ますます自分からやるという意欲が湧いてこなくなる という悪循環が起きやすいといいます。

●学ぶ環境を整え、あとは放任する

まずは、私自身の小学校時代を振り返ってみます。

中学受験をしたのは30年くらい前。母は働いていましたが、私に習い事をほぼ毎日させていたほどの教育ママでした。

ただ、「勉強しなさい」とは一切言いませんでした。

低学年のころは、私もそれほど宿題を真面目にこなしていた記憶がありません(苦笑)。

私立小に通っていたこともあり、4年生になると周囲は進学塾に通っている人がほとんどでした。

母によると、「お友達がみんな塾に行っているから」という理由で、私から母に頼んで受験対策の塾に通い始めたといいます。

受験勉強をしている途中、勉強自体をやめたくなったことが何度もありました。

でも、「塾に通いたいと言い出したのはあなたなのだから、やめるのも自由よ」と母から軽く言われると悔しくなって、受験勉強は続けました。

母は、習い事などたくさんの学ぶ環境を整えてくれましたが、決して強制はせず、どちらかというと放任されていたように感じます。

そのやり方が、私には合っていた ようです。

あくまでも私の経験談であり、全ての方に当てはまるというわけではありませんので、ひとつの例としてご参考にしてください。

そこで、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為について、御三家や灘中などの難関校に何人も合格させたカリスマ家庭教師で名門指導会代表の西村則康さんの著書『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』を基に探ってみました。

●(1)「教育熱心な母親ほど子どもの未来にレールを引きがち」

【例】

『4年生のAくんは、1年生から大手進学塾に通っている。塾通いは母親が決めた。なぜならば、難関の男子校に入らせ、最終的には東大や慶応大に合格し、父親と同じ医者を目指してほしいからだ。

母親は受験経験がなかったが、小学校入学と同時に志望校の合格実績が高い大手進学塾で学べば間違いないと思い選んだのだ。ただ、Aくんは最近、入塾してきた優秀な子たちに圧倒され、クラスが落ちるのではないかと不安な気持ちでいっぱいだ。本音は、塾ではなく野球をやりたい。今は頑張る気になれない』

偏った教育熱心なママさんは、先回りして子どもの未来にレールを引きがち。しかも、そのレールの幅が狭いことが特徴 です。

勉強も遊びも、親がいいと思ったことだけをやらせて、机に向かわせる。

さらに有名大学や一流企業に入ればもう人生は安泰だという、今の日本にはそぐわない考えを持っていると言います。

それが、『本来は可能性を秘めている子どもの未来を狭めている』と、西村さんは警鐘を鳴らしています。

●(2)「英才教育のほとんどは間違っている」

【例】

『Bさんは、娘さんがお腹にいたときからクラシック音楽をかけたり、絵本の読み聞かせをしたりして胎教に取り組んだ。出産後、子どもの脳に良いことは全て試し、2歳からは右脳を鍛える幼児教室に入室。

そのほか、スイミングや体操教室にも通った。そのおかげか、幼稚園や小学校の低学年までは他の子と比べて飲み込みが早く、運動神経も勝っていた。ところが、中学受験が本格化してきた5年生のとき、娘さんは思うように学力が伸びなくなり、親子共々、初めて人生の壁にぶつかった』

西村さんは、『英才教育のほとんどは役に立たない』と言います。

人間の脳は、特別なことは何もしなくても自然に成長していけるだけのプログラミングが施されており、間違った英才教育というのは、そのプログラミングを無視して無理やり脳を早く作りあげようとするものだと指摘しています。

だからこそ、人間が自然に育っていくプログラミングに応じて、その年齢なりのベスト を目指すことをお勧めします。

●(3)「習い事を強制しない」

【例】

『男の子は運動ができた方がいい、と思い込んでいるCさん。水泳にサッカー、空手を1年生の息子さんに習わせている。でも、お勉強も大切。文武両道を目指し、週2回は学習塾にも通わせている。

息子さんは嫌がらずにやっていたが、最近になって突然「塾に行きたくない」と言い出した。学校の宿題や毎日の習い事が負担になり、疲れが出てきたようだった。「継続は力なり」と考えるCさんは、「休んじゃダメ」と息子さんを叱咤激励。無理やり塾に行かせた』

偏った英才教育について疑問を投げ掛ける西村さんは、子どもが幼いころには、適切な量や質の刺激を与えることを心がけるよう強調しています。

意図的に与える英才教育などの“学習刺激”以上に、普通の生活の中で親が知らないうちに子どもが受けている“学習刺激”に注目すべきだと言います。

たとえば、友達との遊びや一人遊び、家でのお手伝いや会話を通じて、子どもは学習に結びつく刺激を受け続ける そうです。

小学生の場合は、習い事にしても、親の一方的な考えて決めるのではなく、続ける基準は子どもが喜んで楽しそうにやっているかどうかです。

どんな習い事でも、子どもが喜々としてやっていればそれは間違いなく効果があると言います。

●(4)「“たくさん解きなさい”は親の幻想」

【例】

『5年生のDくん。4月からもう6年生。中学受験の勉強にも力が入る。Dくんの目標は、苦手科目の算数を克服すること。母親からは「やった分だけ力がつく。問題をたくさん解きなさい」とハッパを掛けられる。

だから、塾のテキストで間違えた問題と類似した問題を、自宅で何度も解いてみる。でも、テストになるとまた同じような問題につまずいてしまい、なかなか得点に結びつかない』

今まで子どもにかけてきた時間やお金が、その子自身の能力や成績の伸びにつながらない場合は、そのやり方が間違っているようです。

親の中には、猛勉強さえさせれば成績が上がると考えている人がたくさんいます。

西村さんは、勉強量と成績の伸びは必ずしも比例しないと言い切ります。勉強の質も大切な要素 だそうです。

たとえば、子どもを塾に通わせている親の多くが陥りがちなのは、少しでもたくさんの問題を解かせようとすることです。

塾から帰ってきた子どもが、今日習った知識をきちんと身につけたどうかわからないうちに、それと似た類題を解かせる。

そのときの子どもたちの解き方を見ると、ほとんど問題文を読んでいない と言います。

「このあたりの数字と、あのあたりの数字を引いて、それをこっちの数で割れば……」という、あいまいな記憶に基づいた解き方をしているようです。

つまり、問題に対して“何が分かっているのか?(仮定)”と“何を聞いているのか?(結論)”を確認して、結論までの過程を考える作業がスッポリ抜けた解き方で終わってしまう危険があるのです。

●(5)「悪い点をとってきたときの口争いは、何のメリットもない」

【例】

『3年生のEくんは、国語で30点台を取ってしまった。これまでの最低点だ。テストは、必ずお母さんに見せないといけない。気が進まないが、テストをお母さんに見せた。「え? これ、どういうこと?」と、お母さんは何度もEくんに尋ねる。

「こんなひどい点数を取って! ちゃんと勉強しているの?」と怒鳴った。Eくんは、「今回は調子が悪かったから……」などと答えた。「調子が悪いって、どこが悪かったのよ!」とお母さん。しばらく説教が続き、Eくんはうなだれながら言い訳を探していた』

悪い点数を取ったとき、親が怒りに任せて「何なのこの点数は!」と子どもに責めるのはNG行為だと言います。

西村さんによると、とげとげしい言葉を浴びせることで、子どもは「やっぱりお母さんに怒られちゃった」「お母さんのこの怒りをどう静めようか」などと考え始めます。

低学年の場合は、「大変なことをしちゃった。お母さんがこんなに怒るんだから、とんでもなく悪いことをしてしまったんだ」と頭の中はパニックになります。

このような会話が繰り返されると、子どもはやがて起死回生のセリフを見つけ出します。

「うるさい、くそばばあ!」と、点数が悪くて叱られている状況から、ひどい言葉を投げ掛けることで論点をすり替えよう とするかもしれません。

口争いは子どもにはささくれだった気持ちだけが残り、母親には怒りと心配が渦巻きます。

言い争うことではなく、悪い点数を取ってしまった原因を探りその対策を考えることが大切だそうです。

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以上、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為5選でした。

子どもたちのほとんどが宿題をやりたくないと思うのは当然です。私もそうでした。

そこで親が、「宿題をやりなさい」と言ったとしても心に響かないかもしれません。

まずは子どもに、宿題をやらないことによって「どうなるか?」と考えさせることが重要だと思います。

実際に、宿題をやらず学校で先生から怒られたり、きちんとやってきた子が褒められたりすることで、自分から「やろうかな」と思えるまで様子をうかがっても良いかもしれませんね。

強制だけでは、子どもは動かないと感じます。ぜひ、ご参考にしてください。

【参考文献】

・『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』西村則康・著

●ライター/KOU(ママライター)

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