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「私たちの権利は絶対に認められるべき」──34歳を迎えるリナ・サワヤマがクィアコミュニティに届けたメッセージ

  • 2024.8.14
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新潟県出身でイギリスを拠点に活動するリナ・サワヤマは、8月16日に誕生日を迎え、34歳となる。歌手として、2022年にはセカンドアルバム『Hold The Girl』が全英アルバム・チャートで初登場3位を獲得。エルトン・ジョンとコラボレートした『Chosen Family』がクィア・アンセムとして長く愛されている。さらには『VOGUE UK』2023年7月号の表紙を飾るなど、モデルそして俳優としてもマルチな注目を浴びている。

またこれまで、人権政治にまつわるメッセージもさまざまな方法で発信してきており、そのなかには、LGBTQ+や女性を含めたマイノリティの権利、イギリスにおける人種差別アジアンヘイト、Black Lives Matter運動やパレスチナでの虐殺など。日本で行われたライブでは日本社会の問題を提起するなど、アクティビストとしても人々にパワフルな影響を与えている。

自身のセクシャリティやメンタルヘルス、それによる経験を題材にした曲たちが共感を呼び、世界中を熱狂させるクィア・アイコン、リナ・サワヤマ。そんな彼女が過去に届けた、クィアコミュニティをエンパワーメントするメッセージたちを紹介する。

どんな子どももまるごと愛されるべき

32歳を迎えたタイミングの『VOGUE JAPANインタビューで、「子育てにおいて、もっとも大切だと思うことは?」という質問に対し、こう答えている。

“何があっても、どんな子であっても、その子を愛すること。LGBTQやメンタルヘルスの悩みを抱えている子に対して、プレッシャーを与えてしまう親もいると思うけれど、突き詰めるとそれは子どものためではなく、恥ずかしいだとか、自分のためにそういう態度をとっちゃうのかなって……だから子をまるごと愛すること”

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マイクロアグレッションは大きな影響力を持つ

2022年に『THEM』で公開された『Hold The Girl』のリリースに際したインタビューで、“大きな出来事ではなくても、日常的なマイクロアグレッションが生む些細な感情が、人を疲弊させ、多くの問題を内面化させてしまいます”と述べ、楽曲を通してそういった思いをしている人たちに寄り添い自由にしたいと話した。

2023 Austin City Limits Music Festival - Weekend One

あなた自身の幸せや価値を改めて知ること

THEM』による同インタビューで、“例えば両親や学校、あるいはこの社会の固定概念など。あなたの人生を他人の幸せのために費やしてしまうと、自分が本当は何をしたいのかがわからなくなってしまいます。あなたにとっての幸せや価値のあることを知るために、自分と他者の境界線を見つける重要性が『Hold The Girl』で伝えたかったことです”と語った。

Chosen Familyがいたからカミングアウトできた

2023年『VOGUE UK』の表紙を飾った際、自身のカミングアウトをこう振り返った。

“自分で選んだ家族「Chosen Family」(=選ばれた家族。特にLGBTQIA+コミュニティにて、血縁や法的な関係を理由にせず、自ら選んで“家族”として支え合う存在)がいて、そのままの自分自身を表現していいと思えたから、今なら安心してカミングアウトできると身体と心で感じました”

同性婚がないことを日本は恥ずべき

サマーソニック2022の舞台に登場したサワヤマは、“私がここ(日本)で同性婚をしようとしたら、できないのです。なぜかというと、日本では(同性婚が)禁止されています”と日本社会の問題を提起。

“私は日本人であることを誇りに思っていますが、これ(日本が同性婚を認めていない現状)はすごく恥ずかしいとことです。私と私の友だち、Chosen Familyを受け入れ、私たちも平等な権利を持つべきだと思う人たちは、みなさん私たちと私たちの(権利の)ために闘ってください。LGBTの人は人間です。LGBTの人は日本人です。愛は愛。家族は家族です”と呼びかけた。

Glastonbury Festival 2023 - Day 5

私たちの権利は絶対に尊重され認められるべき

HUFFPOST』のインタビューでLGBTQ+コミュニティに向け、“私たちの権利は絶対に認められるべきで、自分が愛したいと思う人を愛すべきだし、愛されるべきで、自分らしく尊重されるべき権利がある。悪いことをしているわけでは決してないのだから。私もあなたたちとともに立ち続ける、だから一緒に闘い続けてほしいと心から思っています”と述べ、クィアたちと連帯した。

Rina Sawayama Speaks At The Cambridge Union

ヘイトが存在する社会でも愛を見つけられる

2023年、『This Hell』が東京レインボープライドのテーマソングに選ばれたことを受け、サワヤマはこうコメントしている。

“みんな平等に愛を受けるべきなのに、セクシュアリティが理由でヘイトを向けられる人もいる。そんなヘイトが存在する場所でも愛を見つけて、ダンスできるような曲を作りたいと思って、この曲を書きました。自分をサポートしてくれる友達や家族と一緒にいることで、この地獄もベターな場所になってほしいという思いを込めた曲です”

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Text: Nanami Kobayashi

GLASTONBURY, ENGLAND - JUNE 24_ Rina Sawayama performs at Day 4 of Glastonbury Festival 2023 on June 24, 2023 in Glastonbury, England. (Photo by Shirlaine Forrest/Redferns)
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