「袋麺は水だけで作れる」災害時ライフハックを試したら予想以上の結果に

料理研究家のリュウジさんが、災害時ライフハックとして「サッポロ一番は水だけで作れる」とX（Twitter）に投稿した内容が6.1万件以上のいいねを獲得し、拡散されている。

#災害時ライフハック サッポロ一番って実は水だけで作れる 乾麺を水450ccに浸して25分くらい置くと麺がもどる おまけに付属の粉末スープは水に溶けるようになってるのでスープも旨い 水さえあれば食料になるので災害時のライフハックとしてどこかで役に立てば ちなみにこれが出来るのは基本「油揚げ麺」で「ノンフライ麺」は不向きです。もちろんお湯の使える状況下ならその方が美味しいです

— リュウジ@料理のおにいさんバズレシピ (@ore825) 2024年8月9日

乾麺や即席麺は災害用の備蓄品目のひとつに入っているが、こうした食べ方についてはリュウジさんの投稿を通じて初めて知ったという人も少なくないようだ。

作り方はリュウジさんの投稿によると「乾麺を水450ccに浸して25分くらい置く」だけという。水で作るという方法に抵抗があるかもしれないが、災害時ならこんな調理方法にならざるを得ないこともあるだろう。では実際、どんな仕上がりになるのだろうか、袋麺を買ってきて試してみた。

定番「サッポロ一番」にその他の袋麺も揃えてみた

用意したのは「サッポロ一番」の3種（しょうゆ、塩、みそ）に加え、他社製品も混ぜてみようと思い立ち、日清食品の「チキンラーメン」と東洋水産（マルちゃん）の「ZUBAAAN！（ズバーン）にんにく旨豚醤油味」。

この中で「ZUBAAAN!」だけがノンフライ麺。リュウジさんの投稿によると、袋麺を水で作るなら「油揚げ麺」が適していて、ノンフライ麺は戻しに時間がかかるという点で「不向き」とされていたが、比較のために用意した。

ラーメンどんぶりにそれぞれの麺と冷えた水（軟水・ほぼ常温）450ccを入れ、まずは25分間待つことにした。本来、それぞれの袋麺を作る時に必要な水の量はおおむね500ccなので、スープは少し濃い目に仕上がることが予想される。

今回、気温が25℃前後と涼しめの室内で行った。水に浸す時間は季節や部屋の温度など様々な要因に左右されるだろう。水に浸す時間はあくまで目安と考えて欲しい。

そして25分後…

さて、各麺類の様子を見てみよう。

サッポロ一番、ZUBAAAN!の麺はまだ硬さが残っている。

いっぽう、チキンラーメンはこの時点でだいぶゆるくなっていた。麺にスープ成分が入っているので、汁の色もすっかり変わっている。ここでチキンラーメンを食べてみることにした。

なんと、想像していた以上に美味しい！普段からこの食べ方をしても良さそうだと思ったほどだ。

他の2つについては様子を見ながら浸す時間を10分ほど伸ばしてみた。10分後、サッポロ一番の麺の塩梅が良くなってきたのでスープを入れる。ここでは筆者が一番好きな「塩ラーメン」のスープにしてみた。

うん、スープは冷たくても、まごうことなき「サッポロ一番 塩ラーメン」の味。味が濃いので食べごたえがあるし腹も膨れる。こちらも普段からこういう食べ方、アリかも。

さて、ノンフライ麺である「ZUBAAAN!」はどうか。こちらは浸す時間が合計40分となった。ここで程よくなってきたのでスープを入れて食べてみる。

液体スープと粉末のスープ2種類を入れて食べてみたところ、これも悪くない。冷やしラーメンを食べているような感覚だった。スープの味が濃いので、つけ麺として食べてもいいかも。それとは別に、「旨豚醤油」のスープの味はニンニクの旨味も効いているので、疲れた身体に力を与えてくれそうだと思った。

予想通り、どのラーメンのスープもやや濃い目に仕上がっていると感じた。鍋で作る場合より水の量がやや少なめになっているからだろう。災害時、飲料水はできるだけ少しずつ使うのが原則だが、食べていて濃いと感じたら、水を足して調整するといいだろう。

 結論：どの麺も、水で作っても美味しく食べられた

乾麺を水だけで作っても、意外と美味しく食べられることがよくわかった。もちろん、作るのに時間はかかるし、冬の場合は冷たい水のラーメンを食べるのは厳しいが、非常時は何よりもしっかり食べておくことが大切。こんな方法でも作れると知っておくだけでもいいだろう。

文：トゥギャッターオリジナル記事編集部 紫蘇 編集：Togetterオリジナル編集部