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台風が来る前にやるべき対策――もしものために知っておきたいこと

  • 2024.8.14

台風7号が日本の南海上を発達しながら北上しています。8月16日(金)には、「強い」勢力のまま、関東地方に近づき、お盆の帰省ラッシュに直撃する恐れがあります。そこで、台風がもたらす雨、風、高潮の被害を防ぎ、万が一のときに身を守れるように、事前に取っておきたい対策をご紹介します。

まず、日頃からできる対策です。

■家族で話し合う

ハザードマップを見て、近所の危険がある場所を確認し、避難場所や災害発生時にどう動くかを話し合っておきましょう。我が家は、私と夫が放送局勤務と公務員なので、災害時には近居している母に子どもを迎えに行ってもらうようお願いしています。

■非常持ち出し品を用意、こまめに確認する

南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が出ているので、すでに確認している方もいらっしゃるかと思いますが、非常時の持ち出し品は取り出しやすい場所に用意しておきましょう。中身も定期的に点検してくださいね。

■近所の方とのコミュニケーションを

近所に住んでいる高齢者の方など、浸水被害などがあったときに逃げ遅れる方が出ないように、日ごろからコミュニケーションを取りましょう。

次に、台風が近づいてきた際の対策です。

■外にある、飛ばされやすいものを片付ける

植木鉢、物干し竿、ゴミ箱などを室内に入れたり、室内に入れられない自転車などは固定したりしましょう。

■排水溝の掃除

今のうちに、雨水が詰まらないように排水溝の掃除をしておきましょう。外にある雨水の集水口や側溝がふさがっていると、雨水が流れずに溜まり、道路が冠水する原因になってしまいます。

■浸水に備える

床上浸水の恐れがあるときは、家財道具など大切なものを2階へ上げておきましょう。また、水のうや土のうも用意しておくとさらに安心です。そして、先ほどは屋外の排水溝は水の流れを止めないために掃除しておくことをおすすめしましたが、逆に家の中の排水溝は大雨時は塞いでおきましょう。雨水が下水道を逆流し、トイレや浴室の排水口から家に入ってくることがあるためです。

そして、雨が降り始めた時の対策です。

■情報を集める

降雨情報、河川水位情報はこちらのサイトで詳しくご確認いただけます。
○降雨情報
気象庁 | ナウキャスト(雨雲の動き・雷・竜巻)
○河川水位情報
川の防災情報 - 国土交通省

■早めの避難

ご高齢の方など、避難に時間がかかる方は、早めの避難を心がけましょう。避難する際に、すでに浸水していたら、マンホールや側溝に転落しないように注意してください。また、単独行動は避けてください。

道路が冠水している場合は、自宅や近くの2階以上に一時退避してください。また、冠水した道路を自動車で避難するのは、大変危険なのでやめてください。

海岸沿いでは、高潮も心配です。海や川などに近づかないようにして、命を守る行動をお願いします。また、海上では、広い範囲でうねりが発生します。今回の台風7号の場合、太平洋沿いでは、台風の進路でなく、雨や風の影響がないところでもうねりで危険がありますので、海では特に注意してください

また、海や山でのレジャーで局地的な大雨に遭う場合もあります。
・黒い雲が近づいてくる
・雷鳴が聞こえたり、稲光が見えたりする
・ヒューッと冷たい風が吹く
・大粒の雨やひょうが降り始める
といった、ゲリラ豪雨の兆候があれば、すぐに避難しましょう。

台風による風水害では、台風自体の風と、台風の移動による速度が合わさって、台風の右側は、風が強くなるのでより注意が必要です。

さらに、台風によって大雨が降ると、低い土地の浸水、河川の氾濫、がけ崩れ、土石流、洪水などを引き起こすこともあります。

台風が上陸したり、温帯低気圧になったりすると、勢いが弱まると思うかもしれませんが、台風(から変化した温帯低気圧)自体への注意も必要ですし、台風の中心から離れた場所で、思わぬ暴風が吹くこともあります。

台風は、日本に毎年のようにやってきて、大きな被害をもたらすこともあります。事前に適切な対策をして、しっかり“こわさを認識する”ことが、被害を防ぐ第一歩です。

参考文献
日本防災士機構『防災士教本』2020年
白木正規『百万人の天気教室』1999年

【筆者プロフィール】
箱崎みどり
東京都生まれ。2011年ニッポン放送入社。東京大学大学院修士課程修了
2017年に気象予報士、2021年に防災士の資格を取得。

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