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主婦・中学生が発明 家事&炊事…生活の“不便さ”解消が大ヒット商品に「特許」って何?

  • 2024.8.14
あなたのアイデアがいろいろな人の生活の助けになるかも!
あなたのアイデアがいろいろな人の生活の助けになるかも!

我々の生活の中にある不満や課題から誕生するのが“大ヒット商品”です。家事をする方々は、日々、多くの問題や煩わしさに直面します。これらの不便が少しでも解消されたら家庭内の作業効率が高まり、家事や炊事がラクになるのに……と思ったことはないでしょうか。

また、自分のアイデアが形となり「特許」を取得できたら、多くの人がそれによって救われるかもしれません。人助けの達成感を味わうこともできますし、商業的に成功すれば副収入も期待できます。毎日の作業に注意を向けてみると、もしかしたらアイデアやヒントが浮かぶかもしれません。

そこで、弁理士の永沼よう子さんに解説してもらいました。

主婦の糸くず取り、高校生の錠剤を仕分ける装置、女子中学生の付けないイヤリングも

まず、特許とは、技術的思想の創作である「発明」を保護するための制度です。特許を取得することで、その発明の実施(生産、使用、販売など)を独占でき、権利を侵害する者に対して差し止めができたり、損害賠償を請求する権利「特許権」が与えられます。この権利期間は、特許の出願から20年間となっています。

特許権は、発明を保護するための権利ですが、発明を完成させただけで特許権が与えられるわけではありません。発明が完成したら特許出願を行い、審査を通過したものだけが特許権を得られます。特許権を得ることで、その発明を独占できるようになります。

ちなみに、「発明」とは辞書などをひくと「今までになかったものを新しく考え出すこと」となっていますが、特許法による「発明」とは「自然法則を利用した高度な技術的思想の創作」を指しています。この定義に当てはまらないものには特許が与えられません。

家庭内の作業の不便さから生まれたヒット商品は数多くあります。家庭内の発明ではよく知られているエピソードなのですが、洗濯機を使うたびに、洋服に糸くずが付くことに悩んだ主婦が、問題を解決するために洗濯機内に装着されている「糸くず取り」を発明しました。水流を利用して糸くずをキャッチする発明で特許を取得し、吸盤で洗濯機に固定する商品や浮き輪のように浮かせる商品展開で、ロイヤリティーは数億円にも上りました。

一人前のパスタの量を簡単に取れる「パスタメジャー」も女性のアイデアから誕生しました。パスタ料理を作る際、一人前の量を計るのが面倒だと感じた女性が、クリップで簡単に一人前の量をつかめる道具を発明しました。現在は主婦発明家・事業家として活躍しています。

特許を取得した発明は、社会人や主婦ばかりではありません。当時17歳だった男子高校生が、薬の錠剤をボタン一つで1回分取り出せる装置を発明しました。きっかけは、風邪をひいた家族(母親)が複数の薬を市販のケースに一回分ずつ分けている姿を見て不便さを感じたことだったということです。

現在13歳の女子中学生社長は、耳に負担がかからないアクセサリーを生み出しました。彼女は耳に装着せずに「イヤリング」に見えるアクセサリーを発明し、特許を取得。発明したのは小学校の時だったそうです。現在、その発明をもとに会社を設立し、商品を展開しています。

かかとがないダイエットスリッパ、地下鉄乗り換えマップ…「特許」未取得でも大ヒット

「特許」を取得するのに、ハードルの高さを感じる人もいるかもしれませんが、大ヒットしたアイテムの中には、「特許」を取得したものばかりでもありません。特許を取得できなくても大ヒットした商品も紹介します。

“かかとがないダイエットスリッパ”を発明した主婦は、ブランド戦略の成功によって60億円以上の売上を達成しました。また、地下鉄の出口が簡単に見つかる“乗り換えマップ”もあります。さまざまな鉄道会社に採用され、発明した主婦は、年商4億円の実業家へと転身しました。

世に送り出された アイデア商品たちに、私たちも恩恵を受けているものもありますね。毎日の不便の中から生まれる発明には、上記のように、私たちの生活をより便利にするだけでなく、特許を取得したり、メーカーとの協力やマーケティングを工夫して商業的に成功した例もあります。もちろん発明者自身の努力の結晶ともいえます。

アイデア一つで起業、製品化する方々も増えています。成功までの道のりは簡単ではありませんが、家族のために、あるいは世界のために便利グッズを発明する方々がいます。 特許は年齢を問わず取得できるため、お子さんのひらめきが世界を変えることもあるかもしれません。

我々の日常に深く根ざした「発明」という知的活動。セカンドライフや進路の選択肢に「発明家」がランクイン……なんていう日がくるかもしれません。

オトナンサー編集部

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