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東尾理子さん「ママ友と“性教育の出前授業”をはじめました」発信続ける理由は?

  • 2024.8.14

プロゴルファー、タレントとして活躍する東尾理子さんは、自身の経験から性教育や不妊治療の啓発活動を続けています。今年、理子さんは妊娠、出産など性にまつわる自己決定権「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の理念を広めるべく、アワードを立ち上げました。「VERY賞」など授賞式の様子をお伝えするとともに、理子さんに今の思いを伺いました。

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VERY賞も決定! 今年のアワード受賞者は?

──理子さんが実行委員長を務める「リプロダクティブヘルスアワード」について教えていただけますか?

「自分の体や性にまつわることを、その人自身の意思で決められる」というリプロダクティブヘルスの理念の普及のために、性や生殖に関わる優れた取り組みをしている⼈物、団体、商品サービスなどを公募しました。たくさんの応募者から刺激的なアイデアをいただき、最終的に今回は11の賞を設け44組を表彰しました。

 

──VERY賞も設けられ、タレントのらが受賞しました。SHELLYさんは若い世代に性の正しい知識を持ってもらいたいと、YouTube「SHELLYのお風呂場」で精力的に発信を続けられています。

性を学ぶことは、自分を守り、自分らしい生き方を選ぶことにつながるというのがSHELLYさんの思い。これは今回のリプロダクティブヘルスアワードの主旨そのものです。VERY読者と同じく、SHELLYさんも同じように出産、育児を経験し、子ども達の未来をより良くしたいと考えている仲間だと思い、今回「VERY賞」に選定しました。私自身、こういった活動をしていても、性に関する知識をいつ子どもにどうやって伝えていけばいいかは迷ってしまいます。SHELLYさんの活動はとても参考になります。

 

 

子どもとお風呂の中で話していること

──同じくVERY賞を受賞した特定非営利活動法人のHIKIDASHIも学校や家庭などへの性教育の出張授業を積極的に行っています。

HIKIDASHIさんは2022年に活動をスタートしたばかりですが、性教育の講演回数は2023年度で76回とアクティブに活動されています。子どもたちだけでなく、教育者や保護者に向けても発信し、親も社会も一緒に学んで、世の中を変えていこうと活動される行動力に共感しました。

 

──SHELLYさんもHIKIDASHIさんも「大人がどうアップデートしていったらいいか」を教えてくれます。それが、親にとっても大きな学びになると感じます。

子どもが学んでも親がついてこられないと、世の中は変わりませんよね。小3と年長の娘とは一緒にお風呂に入って、デリケートゾーン専用のボディーソープを使っています。なくなると、娘たちのほうから「買ってきて」と頼まれるようになりました。早いうちから、「ここは大切な場所だよ」と教えています。

 

ママ友と性教育の「出張授業」を依頼した理由

──小6の息子さんには、性教育に関してどんな話をされていますか?

息子はまだまだ子どもらしくあどけないのですが、早い段階から性教育に取り組みたいと思い、小4の終わりと小6になる直前のタイミングで、ママ友たちと一緒に助産師の方に出張授業をお願いしました。2回とも同席しましたが、小学校中学年と高学年でも扱う内容はまったく異なります。印象に残ったのは、「(性犯罪の)加害者にも被害者にもならないためには、正しい知識が必要」という助産師さんの言葉。成長するにつれて外部から性についてのさまざまな情報も入ってきますが、そのなかには間違ったものもあります。授業の内容を思い出して、「それは間違いかもしれない」と自分で判断してもらえたら。すぐには理解しきれない内容であっても、自分に必要なタイミングで思い出してもらえたらと願っています。

 

 

「自分の意思で人生を選ぶ」きっかけにしてほしい

──3人の育児をしながら、NPO法人の活動も継続。さらにアワードを立ち上げるなど、大忙しだったと思います。やると決めたら一気に突き進む理子さんの行動力はいったいどこからくるのでしょうか?

この活動についても、初めの一歩を踏み出すまではけっこう時間がかかりました。でも完璧な状態からスタートしようと思っていたら、いつまでも前に進まない! と思い切りました。素人が思いつきで行動したので、バタバタと進めてしまったのですが、アワードで受賞者の皆さんの笑顔が見られたことで、心の底からやってよかったと思いました。

性に関する啓発活動に取り組む人や団体は全国にたくさんいらっしゃいますが、皆さんそれぞれの地域で個々に活動していることがほとんど。それが今回、授賞式で一堂に会したことで「横のつながりができた」と喜んでくれたのです。私は、これからの未来を生きる子どもたちに課題を残したくありません。若い世代には正しい知識を持った上で自分自身が納得できる選択をしてほしいですし、性についての話を自然にできる社会に変えていきたいです。「SDGs」という言葉も多くの人に知られるようになったように、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツを表す「SRHR」という四文字が当たり前のものになるように活動を続けていきます。

リプロダクティブヘルスアワード「VERY賞」が決定!!──受賞者の言葉を紹介します!

 

SHELLYさん(モデル、タレント)

 

この度は「VERY賞」をありがとうございます! 私が、一番伝えたいと思っている、性教育によるエンパワーメントがしっかりと伝わっていると実感ができてとても嬉しいです。この賞を糧にまたこれからもたくさん勉強して大切な情報を伝え続けたいと思います。

 

特定非営利活動法人「HIKIDASHI」さん

 

この度は栄えある賞をいただき本当にありがとうございます。まだ設立して2年余りのこの小さな活動を見つけてくださり評価していただけたこと、大変嬉しく光栄に思っています。日本の性教育はまだまだ課題が山積みで、どんな性教育を受けられるかは「運次第」と言われているような状況です。そんな中で私達は「全ての子ども達に包括的性教育を」という目標を掲げて日々活動しています。どの学校に通っていても、学校に通っていなくても、障害があったとしても、性と生殖に関する健康と権利は全ての人に保障されるべきもので、それは「運」によって左右されてはいけないものです。包括的性教育を通して、誰もが自分らしく幸せに生きられる社会の実現を目指して、これからも地道な活動を続けていきたいと思います。まだまだ小さな活動ですが、ぜひ私達の活動を見守り、支えていただけますと幸いです。この度は本当にありがとうございました。

PROFILE

東尾理子(ひがしお・りこ)さん
1975年生まれ。福岡県出身。元プロ野球選手の東尾修氏の長女。8歳からゴルフを始め、99年にプロテストに合格、プロゴルファーとなる。2009年に俳優・石田純一氏と結婚。現在三児の母。試合の解説やテレビ出演など、多方面で活躍中。

 

構成・文/樋口可奈子 撮影(SHELLYさん)/須藤敬一

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