【第45回】暑すぎて夏がつら過ぎる！辛酸なめ子さんが新たな視点から解決【美人からの生相談】

漫画家・コラムニストとして大活躍中の辛酸なめ子さんのWEB限定連載！ 美人たちから寄せられたリアルなお悩みに独自の視点でお答えします。→ 第44回もチェック♡

【第45回】

もう夏なんていらない

「夏が一番好きだったのに、暑すぎて夏以外の三季だけでいいと思ってしまいます」（ミキコ・広告）

辛酸なめ子さんのアンサー

アパレルショップに行くと、「今年も暑いので麻も秋口まで着られますよ」と、涼しい素材の服を勧められます。気候変動により季節感が失われつつあるのでしょうか。また、伊勢丹やロン・ハーマン、代々木上原あたりの高級セレクトシッョプでは、6〜7万円する上質なコットンのサマードレスをよく見かけます。以前は光沢感がある素材を好んだ富裕層も、この暑さで通気性重視になっているようです。

日本列島は南北に細長く、北海道や東北地方は冷帯の気候、沖縄諸島などは亜熱帯気候、その他は温帯、と習った記憶ですが……。夏の気候に関してはほぼ亜熱帯と言ってもいいような酷暑です。8月上旬のある日の世界の気温を調べてみました。ハワイのホノルル（最高気温30度）、タヒチ（最高気温29度）、パプアニューギニア（最高気温30度）、フィジー（最高気温28度）、タイのプーケット（最高気温30度）などと比べても、日本の気温は異常に暑すぎです（東京の最高気温35度、大阪は37度、福岡36度）。街で見かけるインバウンドの人は「Really hot…」と辛そうにつぶやいたり、もはや熱風でドライヤーと化した携帯扇風機で汗で濡れた髪を乾かしたりしていました。

ここはもう日本自体が熱帯のリゾートアイランドで、たまたま赴任（転生）してきたと思って、日々通気性が良いリゾートファッションやサマードレスなどで過ごすのが良さそうです。日本の四季は今後、夏と冬の「二季」だけになるという説もあります。今後、若い世代に、春や秋の思い出を語り継ぐ時代が来るのでしょうか……。四季の楽しみや季節感はいつまでも心の中で大切にしたいです。