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ヴィッセル神戸にスコア以上の完敗…横浜F・マリノス、「アタッキングフットボール復活」のために必要なこと

  • 2024.8.12
ヴィッセル神戸にスコア以上の完敗…横浜F・マリノス、「アタッキングフットボール復活」のために必要なこと
ヴィッセル神戸にスコア以上の完敗…横浜F・マリノス、「アタッキングフットボール復活」のために必要なこと

Text by 隈崎碧

明治安田J1リーグは週末に第26節が行われ、ヴィッセル神戸がアウェーで横浜F・マリノスと対戦し、2-1で勝利。7月5日以来の勝点3を獲得した。一方のF・マリノスは連勝が3でストップした。

試合を動かしたのはホームのF・マリノス。前半42分、天野純のコーナーキックにエドゥアルドがヘディングで合わせて先制する。

失点直後攻撃の手を強めた神戸は、前半アディショナルタイムに大迫勇也がペナルティエリア内で倒されPKを獲得。キッカーの武藤嘉紀がキーパーの逆をつく冷静なシュートを沈め同点に追いつく。

エンドが変わった後半、ボールを支配するF・マリノスに対して中盤でブロックを敷き、カウンターのチャンスを虎視眈々と狙っていた神戸。すると65分、広瀬陸斗の背後へのスルーパスに反応した武藤が相手のマークを剥がし、キーパーと1対1の状況を作り、ボディフェイクを入れてキーパーのタイミングをずらすシュートを決め切り逆転。

このまま試合は終了し、優勝争いに食い込んでいく上で貴重な勝点3を確保した。

直近の試合に比べるとかなり積極的に攻撃に出た神戸の作戦勝ちだった。

F・マリノスの攻撃の軸となるボランチの喜田拓也と渡辺皓太を封じ込め、ビルドアップを許さず、最終ラインでボールを持たせ続けることに成功。F・マリノスディフェンス陣はこの日ビルドアップの面でミスが目立っていたため、かなり前線の選手が圧力をかけていたのが分かる。

F・マリノスは中盤を潰されるとサイドにボールを逃しパスを繋ぐ傾向があるが、サイドにボールを逃がさせておき、中をしっかりと固めてパスコースを潰す守備の戦術を取り、後ろ以外にボールの逃げ道を作らせず攻撃の手数を減らした。

それでも、強力な攻撃陣を持つF・マリノスに崩されてゴール前に迫られる場面もあったが、センターバック2枚が粘り続けた。終盤に植中朝日にあわや同点弾というシュートも打たれたが、前川黛也が凌いだ。

この試合のキーとなったのが中盤の3枚、扇原貴宏、井出遥也、井手口陽介の位置関係である。自由に動き回ってゲームメイクができる天野や交代で入ってきたダイナモの西村拓真の対応には少し手こずっていた印象があったが、扇原を中心にダブルボランチを潰したことで良さを半減させることに成功。

攻撃の部分では背後のスペースを恐れ、ラインを低めにしていたところを見逃さず、井手口や井出がゲームメイクのセンスを見せ、武藤や大迫の持ち味を存分に引き出し、攻撃の中心となった。

この中盤の3人の働きが勝利を呼び込んだと言っても過言ではない。スコア以上の完勝であった。

F・マリノスは後手に回る試合をしたことで良さが消えてしまった印象があった。

前半はボール支配率を相手に上回られ、自分たちのペースに引き込めず。ウイングのヤン・マテウスとエウベルのところには常に2人以上がチェックに来る状況。ウイングが潰れ中央突破を図ったが、井出や扇原らが作る硬いブロックに阻まれなす術なし。完敗であった。

ニューカッスル戦で鮮烈なデビューを飾ったジャン・クルード、対人での強さが光る畠中慎之輔がいるセンターバックの中でこの試合もスタートは上島拓巳とエドゥアルドをチョイス。

ただ中盤の層が厚く、前回の対戦でもウイングのところで勝負がしにくかった分、センターバックがいかにビルドアップの部分で形を作れるかがポイントであったが、サイドバックをはじめハイプレスをかける神戸の守備の前にミスを重ね、安定感を欠いた。

今シーズン序盤戦からビルドアップに課題を残していた両センターバックであったため、神戸のような対戦相手の時は、ACLEに向けて温存しておきたいはずだが、足元の技術もあるジャンや畠中を起用し、ゲームメイクを任せるなどの戦術も必要だ。

持ち味であるハイプレスもこの試合では見られる場面は少なかった。トップから強度の高いプレスをかけることで相手のミスを誘うF・マリノスのアタッキングフットボールに欠かせない戦術であるが、アンデルソン・ロペスがプレスに行かないことでその戦術が役割を果たさなくなっている。

ロペスを起用するなら彼を前に残し、ウイングも下げ切ってハイプレスの戦術をなくし、4-5-1のような形で引いて守るのがベストだ。ただ、その分攻撃はポゼッションではなくカウンター重視になることは確実であり、積み上げてきたポゼッションサッカーが崩れてしまう。

ならば、ロペスをベンチに置き、西村をスタメンで起用し、スタミナが豊富な彼のスピード感のあるハイプレスを行うのがベストか。ただ、ここまで14ゴールを記録しているロペスを外すことは攻撃の厚みが減るリスクを伴う。

この部分も加味してジョン・ハッチンソン監督がこの先どのような戦術を取るのかに注目が集まる。

神戸は次戦8月17日にホームでガンバ大阪と、F・マリノスは同日アウェーで川崎フロンターレとの神奈川ダービーに挑む。

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